生き物たちを見守る船(2023年の個展の3つの世界の説明3)
これまで2つの世界を紹介してきました。
今回は、3つめです。今後の展開次第では、世界が増えるかもしれませんが、今のところ、全部で3つです。
これまでの2つの世界は、ふたつでひとつでした。しかし、そういった意味では、3つめの世界は、これまでの世界とはまったく別の世界です。場所そのものは、同じ可能性もありますが、船の状態が完全に違います。
この世界に移行するとき、船は、肉体を失います。
今回の個展は、成長や変容もテーマになっています。それは、同時開催の立体の企画展(まだ詳しく書けません)と関係あります。
船は、長い時間をかけて成長し、変容します。
見守られる者から見守る者になります。
今回の個展は、日ごろ見守っていただいていることのお礼でもあります。
心を込めて有形無形の何かをつくり出すすべての方々とそれを愛するすべての方々に対する尊敬の念を表現したものでもあります。
また、生態系や命もテーマになっています。
それから、きっと大丈夫というメッセージも込められています。いつもどこかで誰かが見守ってくれているから大丈夫。それは目に見える場合もあれば見えない場合もあるのではないかと私は思います。
変容後の船は、目には見えません(あるいは、人によっては見えるかもしれません)。船は、生きとし生けるものを見守り、時には助けます。目には見えないのですが、そこにいるということをシルエットで表現しました。ひとつひとつ心を込めてつくりました。
最後に、光をやわらげました。純金の優しい光をお楽しみいただけたら嬉しいです。純金は永遠の命も表現しています。天然石の光も併せてどうぞ。
この作品群は、全部で12点。生き物たちの成長を描いた4つの物語で構成されています。物語は3コマです。変容前の作品たちと違い、前後で話が繋がっています。4つの物語同士は、明確な繋がりはありませんが、どことなく繋がっています。
さらには、3つの世界(それから7月の銀座の物語も)はどこかしらなんとなく繋がっています。繋がりさがしもお楽しみいただけるようになっています。
3つめの世界は、空想なのか現実なのか・・・それは、どちらでもあります。当初、実際の生き物の生態に忠実に制作しようと思っていました。その時点では、現実の世界でした(肉体を失った船が生き物を見守るというのは私の空想ですが・・・)。けれども、制作を進めるうちに荒唐無稽な物語も登場し、これはもはや現実ではなくなってきました。しかし、生態に則した物語もあります。というわけで、どちらもでもあるのです。
4つの物語は
・木と鳥の話
・初めての手紙
・コウテイペンギン
・魚が龍に
です。(タイトルではありません。)
それぞれの支持体には、幸運のおまじないと自然界との繋がりを強化するおまじないをしてあります。
この他に、みんなで彩雲になったりもしました。
その後・・・
絵については、各作品の説明を別記事で投稿したら、この続きにリストアップしていく予定です。支持体には、薄く切られた木を用いました。ほぼ円です。正円の木製パネルに対し、自然界の何かという感じを出せたらと思いました。
ありがとうございます。それでは、また。
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