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相場 大切にしている教え その6 両建て両損 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 相場という言葉、少し下衆(げす、品格無いイメージ)なニュアンスがありますよね。私自身もそういう印象でした。しかし、今は寧ろ意味深長なことばという印象に変わりました。

 相場が本質を突く

 市場(しじょう)という言葉とセットになるのかも知れませんが、物理(ぶつり、もの(物)のことわり(理))の本質を突いていると理解するようになりました。

 そんな相場を相手にする方々の格言は心に沁みるものばかりです。その一つ

両建て両損 

ですが、

二兎を追う者は一兎をも得ず

を横に置いて相場の教えの深さを味わってみたいと思います。

 “二兎を追う者は一兎をも得ず”は、ざっくり言うと欲をかくなということことだと理解しています。

 一方“両建て両損”は…
そもそも両建てとは例え株式なら或る会社の株を持っていて売ることと買うことを同時に仕掛けることを言います。

 相場の扱いに慣れた玄人(くろうと)がする信用取引。特徴の一つは空売りができることです。空売りについては以下に詳しい説明がありますので、そちらに詳細は譲ります。

 私自身も傍(はた)でフューチャーズ(先物取引)ですが、玄人の方が原油取引で両建をしているのを見たことがあります。行って来い(売り買い両方)で儲けようという寸法でした。

 でも玄人?の方でも中々上手くは行かない場合の方が多い様にお見受けしました。詰まり

両建て両損

を地で行っていた様でした。

 この考え方の深いところは、玄人が仕掛けると両建て両損が成り立たない、詰まり

両建て両得

が成立する場合が有るということを踏まえての考え方だということです。人生では二股掛けるとろくなことがないのですがね(笑)

 話は戻って王道の話とテクニックの話。

 王道の話とは、投資の前に熟考し尽くすことです。
両建ては一度決めたことに対して心の迷いが行動に出たということです。それは事前の検討が足りなかったということです。

 テクニックの話とは、上述の玄人の方の相場への対峙の仕方の話。私が見た方は未だ玄人の域には達していなかったということなのだと思います。徹底的に考え抜き場を重ね本物の玄人になること。それまでは両建は禁じ手ということです。

 “二兎を追う者は一兎をも得ず”よりも深い考え方だと分かって頂ければよいのですが。

 意味を含めた関連する考え方は、日本証券業協会さんが綺麗に整理されて居ます。ですから詳細は以下に譲ります。一生に一度ぐらいはと是非一度お目通しになることをお勧めします。

 リアリティを強く感じますね。生々しさが伝わって来ます。

如何でしたが?

 平たく意訳(二兎を追う者は一兎をも得ず)すれば陳腐にも映りますが、一般人にはかなり特殊な世界での適用をそのまま味わう(両建て両損)とその言葉の真髄が良く伝わると思います。

 ということで相場を相手に真剣勝負されている方々の考え方のいくつかは私の大切にしている教えになっています。

 自分の人生と全く異なる人生を歩まれた方々からの真摯な教訓としてそのいくつかを引き続きご紹介しようと思います。

つづく
蛇足
 連作になっています。宜しければ背景もお楽しみ下さい。


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