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「"ミドリ"の日々」という櫻坂46の長編を書いています。

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  • [Detection 46]シリーズ まとめ   

    推理長編作品 [Detection 46] シリーズのまとめです。

  • 中編作品 まとめ

    中編作品のまとめです。

  • "ミドリ"の日々 まとめ

    長編作品 "ミドリ"の日々 のまとめです。

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[Detection 46] 第1弾 (第3章)

「Detection 46 シリーズ 第1弾③ 狂気に満ちた祭り 乃木町連続殺人事件 【第3章 新たな容疑者】 8月14日 8時05分 ー 盾角探偵事務所 ー あれから盾角が帰宅したのは午前4時過ぎだった。 玄関で迎えてくれた2人に、何があったかは明日の朝話すと言ったまま、風呂にも入らず寝てしまった。 4時間も寝れていない。 寝不足だが、そんなことは言ってられない。 探偵になって殺人事件を担当するのはこれが2回目。しかし当たり前に慣れることはなかった。 実に

    • [Detection 46] 第1弾 (第2章)

      「Detection 46」シリーズ 第1弾 狂気に満ちた祭り 乃木町連続殺人事件 【第2章 炎の中の一軒家】 8月10日 23時02分 ー 盾角探偵事務所 ー 盾角はリビングで考え込んでいると、玄関の開く音がした。 白石「たっだいまぁぁぁ〜」 盾角「おかえり、だいぶ酔ってるみたいだね」 白石「盛り上がりすぎちゃってさぁー!3件もハシゴしちゃった!」 盾角「まあたまにはいいよな、しかもパンケーキ食えなかったわけだし」 白石「ほんっとそれ!まああんなことがあっ

      • [Detection 46] 第1弾 (第1章)

        [Detection 46]シリーズ第1弾 狂気に満ちた祭り 乃木町連続殺人事件 【第1章 違和感】 8月8日 8時03分 ー 盾角探偵事務所 ー 盾角が寝ぼけたまま2階の書斎から1階リビングへと降りていくと、白石がせっせと朝食の支度をしている。 白石「おはよ!今日は?」 盾角「コーヒーで…」 ロングカクテル用グラスに大きめの氷が四つ、そこにコーヒーが注がれる。 白石「はい」 盾角「ありがと…一本だけ吸ってくる…」 白石「いってらっしゃい」 朝、コーヒー

        • [Detection 46] 設定一覧

          お読みいただきありがとうございます。 この[Detection 46] シリーズは、なるべく違和感の出ないよう、現実に近い世界観を大事にしてきましたが、この度リメイクするにあたり、さらにそれを強くすることにしました。 登場人物の会話だけでなく、話の舞台となる街並みや施設なども細かな設定を設けています。 それゆえに設定は非常に多いですが、これを先にお読みいただければ、より本編を楽しんでいただけますので、是非ご一読ください! [登場人物+場所] ー 盾角探偵事務所 ー 盾

        [Detection 46] 第1弾 (第3章)

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        • [Detection 46]シリーズ まとめ   
          3本
        • 中編作品 まとめ
          1本
        • "ミドリ"の日々 まとめ
          9本

        記事

          確かに、そこにいた君

          今日、僕が所属しているサークルで、後輩が付き合ったらしい。 「告白成功しました!マジで先輩のおかげです!ありがとうございます!」 というLINEが届いたので、飲み物でも奢ってあげようと思い、サークル活動が始まるまでの時間、空きコマだった僕はそいつと待ち合わせしていた。 待ち合わせ場所に向かう途中、別の後輩が僕を見つけてこっちに来た。 「お疲れ様です!あいつ付き合えたらしいっすね!」 「だな、良かったよ本当に」 「先輩はいつも後輩のこう言う場面で助けたりしてますけど

          確かに、そこにいた君

          中編「アイスカフェラテ」

          11月になり、東京の街はすっかり冷え込んできた。しかし日中は暑さもまだ残っているような状態で、服装に困る。 僕は中途半端な気温が続くこの時期が大嫌いだ。外は寒いから暖かい格好で出かけると、電車の中はやたらに暖房が効いていて汗をかいてしまい、駅を出たら余計に寒くなるあの現象、思い出すだけでため息が出る。 社会人になって二年目、仕事には慣れてきたものの、毎日やる気は出ない。ゆったりとした職場の雰囲気もあり、シャキッとできない毎日だ。 今までの人生、思い返せばかなり怠けていた

          中編「アイスカフェラテ」

          "ミドリ"の日々 第9話

          小池さんに言われたことが頭から離れないまま帰宅すると、もう両親は帰ってきていた。 風呂に入った後、自室で久しぶりにハイボールを飲んだ。リビングにいた父がたまには飲めよと言って冷蔵庫から出してくれた。 初めてお酒を飲んだのは17歳ごろだっただろうか。当時は未成年で、飲むことへの憧れもあり背伸びしている気分になれた。しかし肝心の味は好きになれずに、大人はこんなもののためにお金を使っているのかと内心思っていた。 今となれば、その大人たちの気持ちも少しわかる気がする。ただ甘いだ

          "ミドリ"の日々 第9話

          "ミドリ"の日々 第8話

          保乃と大河公園で会った翌日、起きたのは午前11時半を過ぎていた。一瞬、完全に寝坊したという恐怖感で脱力したが、よくよく思い出すと今日からゴールデンウィークだ。 そうわかった瞬間、強張っていた身体は再びベッドのふわふわとした感触を妙に認識し、まぶたの奥から眠気がじわっと襲ってくる。 二度寝した後起きたのは午後1時ごろだった。 こんなにゆっくりと、一回も起きたり悪夢を見ることなく就寝できたのはかなり久しぶりで、思いっきり伸びをすると、なんだか部屋に入ってくる日光がいつもより

          "ミドリ"の日々 第8話

          "ミドリ"の日々 第7話

          今日は珍しくバイト終わり、NUMA Tokyoには寄らずそのまま帰宅した。なんでも天からLINEで、すぐに帰宅するようにという旨が届いていたからだ。 帰宅し玄関を開けると、見慣れない靴がきちんと揃えて置いてある。ニューバランスのスニーカーで、サイズはそこまで大きくない。 来客かなとは思っていたが、一体誰だろう。2階にあるリビングへ急いで向かうと、天と真っ先に目があった。 天「あ、お兄ちゃんおかえり」 天がそう言うと、隣に座っていた女性もこちらを見る。 ??「久しぶり

          "ミドリ"の日々 第7話

          "ミドリ"の日々 第6話

          まつりさんはきっと、保乃がバレーボール選手になる夢を諦めたという話に、過去の自分を重ねたのだろう。 〇〇「負けた?」 松田「うん、負けたの。その時のライバルにね」 〇〇「なんかの大会とかですか?」 松田「いや、公園で練習してた時にね」 〇〇「公園…ですか?」 松田「そう、当時で私ともう1人でユニット組んでたんだけど、公園でよく練習してたの、学生でスタジオ入るお金も勿体無いって言ってね」 〇〇「…なるほど…まつりさんユニット組んでたんですね」 松田「うん、懐かし

          "ミドリ"の日々 第6話

          "ミドリ"の日々 第5話

          「かしこまりました」 理佐さんがメニュー表を眺め、かなり多くの注文をした。ビシッとしたスーツ姿の店員さんが深くお辞儀をし、慣れた手つきで丁寧に個室の重たそうな扉を閉めて出て行った。 〇〇「え、あの、えっと…」 渡邉「ハハッ、緊張してる〇〇くんなんか可愛い」 〇〇「そりゃ緊張しますよ!こんな店学生の僕たちがきていいようなところじゃないです!」 天「そうです理佐さん!私たちみたいなものが…」 渡邉「まあまあそう言わずに!ね?たまにはこういうお店で食事するのもいい経験に

          "ミドリ"の日々 第5話

          "ミドリ"の日々 第4話

          あれから2週間が経った。 あんなに満開だった桜の花はほとんど散り、早くも葉が出てきている。 今となってはもう当たり前のことだが、大河公園で話した2日後に由依さんの喫茶店に行った際、僕はひかるに対して疑問に思っていることを聞いた。 芸大で僕と同い年、ならば福岡から出てきたのは3年ほど前なはずなのに、一人暮らしは始めたてだと言っていたことが引っかかっていたのだ。 話を聞けば、高校を卒業後3年間はフリーターをしていたらしい。 なんでも、将来の夢を持ちたくなかった、らしい。

          "ミドリ"の日々 第4話

          "ミドリ"の日々 第3話

          田村「え?…」 〇〇「俺が音楽やめるってなったら、保乃はどう思うんだろって」 田村「…そりゃ悲しいけど…」 〇〇「…けど?」 田村「〇〇が選んだことなら、保乃はなんでも応援するで」 〇〇「…そっか…」 田村「え、ほんまにやめるん?」 〇〇「ちょっと迷いが出てきてさ、由依さんのあの質問に返事の一つもできなかった自分が情けなく感じてきて…」 田村「…そ、そんなんあれやん!急な質問やったし…いくらなんでも音楽丸ごとやめんでもええんちゃう?そんな今すぐ決めやんでも…」

          "ミドリ"の日々 第3話

          "ミドリ"の日々 第2話

          僕はただ由依さんの言葉の続きを待っていた。いや、待たなければならなかった。 その言葉の真意を捉えるには、僕はまだ若すぎた。 小林「〇〇はどう思ってるかわからないけど、音楽、というか"好きなこと"ってそんな簡単に自分から離れていかないもんだよ」 由依さんは僕のことをまっすぐ見つめたまま、何も話さない僕に語り続けた。 小林「私だってあったよ、あぁもう音楽なんてやめようかな、向いてないのかな、って時」 〇〇「………」 小林「それでもやめなかったの、なんでかわかる?」 〇

          "ミドリ"の日々 第2話

          "ミドリ"の日々 第1話

          いつものスタジオ。 3曲、それぞれ二回ずつ合わせた後喫煙所に来た。隣の壁から誰かが演奏するドラムやベースの音が聞こえてくる。一際大きな音で掻き鳴らされているギターは、お世辞にもうまいとは言えない。 フーッと吐き出したタバコの煙は無風の空間を黙々とゆくあてもなく漂う。 煮詰まったアイデアを動かすためには休息が一番大事だと思っていた。しかし最近ではこの時間がやけにうざったく感じる。 「お前あの続き思いついた?」 「いや、いいギターソロはあるんだけどこの曲に合ってない気が

          "ミドリ"の日々 第1話