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[Detection 46] 第1弾 (第3章)

「Detection 46 シリーズ 第1弾③
狂気に満ちた祭り 乃木町連続殺人事件



【第3章 新たな容疑者】


8月14日 8時05分

ー 盾角探偵事務所 ー


あれから盾角が帰宅したのは午前4時過ぎだった。

玄関で迎えてくれた2人に、何があったかは明日の朝話すと言ったまま、風呂にも入らず寝てしまった。

4時間も寝れていない。

寝不足だが、そんなことは言ってられない。

探偵になって殺人事件を担当するのはこれが2回目。しかし当たり前に慣れることはなかった。

実に目覚めの悪い朝だ。

寝癖のひどい頭をかきながら、その男は階段を降りてきた。



白石「〇〇…」

西野「夜はお疲れさんやったな」

盾角「ありがと」

白石「朝ごはん食べる?」

盾角「…いや、今日は遠慮しとくよ、ごめんな」

白石「じゃあハーブティーだけでも飲んで?身体壊したらいけないから」

盾角「わかった、ありがと。それより麻衣」

白石「うん?」

盾角「しばらく事務所を休みにしよう、この事件に集中したいから、新規の客は断ってくれない?」

白石「わかった、ホームページにも書いとく」

盾角「頼んだ」

西野「ゆっくりでええから、何があったか教えてくれへん?」

盾角「もちろん」

盾角は白石の入れたカモミールティーをゆっくりと口にした。朝から冷房の効いた部屋で温かい飲み物を飲んだことで、芯からほっとするような感覚だ。

盾角「…乃木町二丁目の賀喜って人の家が火事になってな、一軒家が全焼したんだけど」

白石「…家の人大丈夫だったの?」

盾角「当時家には夫婦とその姪っ子の3人がいてな、残念ながら夫婦は亡くなったよ」

白石「そんな…」

西野「じゃあその姪っ子は助かったんか」

盾角「うん、幸い一命は取り留めて、今は意識も回復してるらしい」

白石「…でも〇〇が呼ばれたってことは、例の事件と関係があるの?」

盾角「そうなんだ…燃えずに済んだ金庫の中から、新品のハイライトが箱ごと出てきてな」

西野「えっ!じゃあ…」

盾角「連続殺人の可能性が高くなったんだよ…火事の原因も、ほぼ間違いなく放火らしいし」

西野「それで、今日はどうするん?何かあるんやったら、ななも手伝うで」

盾角「…今日はなーさんには特に頑張ってもらわないといけなくて…」

西野「なになに?」

盾角「その火災で助かった賀喜遥香って姪っ子なんだけど、真州芸大の一年生なんだ」

西野「ほんまに?!ななの後輩なんか」

盾角「まだ入院中でさ、命に別状はないとはいえ、身内が一気に2人も亡くなったショックもあって、面会謝絶状態らしい」

西野「どこの病院なん?」

盾角「乃木中央病院の入院患者棟にいるよ」

西野「わかった、任せとき!車借りてもええ?」


盾角はすぐに車のキーを西野に渡した。


西野「密偵西野、ぶちかましたるわ!」


走って玄関を勢いよく開け、西野は出て行った。


盾角「それから麻衣にも頼みがあって…」

白石「なんでも言って?」

盾角「警視庁に行って、若月警部と会ってきてほしい」

白石「えっ?全然いいけど、何を話すの?」

盾角「実は昨日警部から聞いたんだけど、容疑者の深川麻衣と伊藤万理華の父親、昔同じサークルに所属してたらしいんだ」

白石「えっ…」

西野「じゃあ!」

盾角「あぁ…まだなんとも言えないけど、もし山下と飛鳥の父親もそうなんだとしたら、この事件に巻き込まれてると思わない?」

白石「確かに…」

盾角「だからその山下と飛鳥のことを詳しく警部に話してきてほしいんだ」

白石「わかった、それで2人のお父さんのこともよく調べてほしいって言えばいいんだね?」

盾角「そう、お願いするよ」

白石「了解!」

盾角「俺は麻衣となーさんの昼飯をずっきゅんで買っておくから、事務所で待ってるよ」

白石「了解!じゃあ私は用が済んだらちょっと買い物して帰るね」


2時間後、白石は事務所を出た。

白石を見送った後、盾角はすぐ梅澤に連絡を入れた。


盾角LINE

(お疲れ。また事件が起きたんだけど、いろんな要素から前のNOGIモールの事件に続く連続殺人と見て間違いない。で、山下と飛鳥もこれに巻き込まれている可能性が出てきた。

俺の考えすぎかもしれないんだけど、とにかく2人を見つけるために麻衣もなーさんも俺も頑張ってるから、梅も頑張れ。

親友を心配する優しい心を持ってるんだから、悪い結末ばかり考えるなよ、梅にできることは山下と飛鳥、それに俺たちを信じて待つことだ。

必ずなんとかする。)



LINEを送り終わった盾角は、約2時間後に事務所を出た。


8月14日 10時23分 

ー 小料理ずっきゅん ー


盾角が扉をゆっくり開けると、厨房に立っているのは筒井だった。


筒井「〇〇さん!」

盾角「あやめちゃんお疲れ様、真夏はいないの?」

筒井「真夏さんは用事があって今いないです、私が代わりに仕込みとかしてて」

盾角「えらいな朝から」

筒井「真夏さんに用ですか?」

盾角「今日麻衣となーさんが朝から仕事に行ってくれててね、昼飯に弁当とか作ってもらえないかって頼みに来たんだ」

筒井「私でよければお作りしますよ?」

盾角「え、いいの?」

筒井「はい!料理好きですし、ちょうど必要分の仕込みは終わったところだったんで」

盾角「マジで助かるよ、ありがとう」

筒井「色々準備もあるんで、2時間ぐらいはかかっちゃうんですけど」

盾角「ぜんぜん!本当ありがとね、これ置いていくよ。お釣りはいらないからね」

筒井「いやいや!お代はいただけないです」

盾角「急なお願いなんだ、俺の気が済まないから、ね?真夏と2人で美味しいお菓子でも食べて」

筒井「じゃあ…ありがとうございます!真夏さんに渡しておきますね」

盾角「うん、じゃあよろしくね」

筒井「お待ちしてます!」


8月14日 10時49分

ー Princess ー


カランカラン

早川「いらっしゃいませ…えっ!〇〇さん!」

盾角「久しぶり聖来ちゃん」

早川「会いたかったです!」

盾角「ありがとね」

早川「松村さーん!〇〇さん来てくれましたー!」


早川が奥に向かって叫ぶと、ドタドタと走る音が聞こえてきた。


松村「〇〇ー!」

盾角「おつかれ」

松村「また買いに来てくれたんか」

盾角「朝から麻衣となーさんに仕事頼んだから、2人のおやつにアップルパイ出そうかなと」

松村「ありがとうな〜」

早川「じゃあお二つですか?」

盾角「いや、6個欲しいんだ」

松村「珍しいやんか、どしたん?」

盾角「この後ずっきゅんとバナナシガレットに顔出すからね、手土産だよ」

松村「ええとこあるやん!」

早川「またあやめんに会いたいです」

盾角「じゃあ今度また飯会やろっか」

早川「えっ!いいんですか?」

盾角「もちろん、いつでもおいで」

松村「じゃあ今日は千円まけとくわな」

盾角「ありがと、いつも悪いねほんと」

早川「あの〇〇さん、よかったらこれもどうぞ」

盾角「マフィン?」

松村「それ、せーたんが作ったんやで」

盾角「マジ?すごいじゃん!美味しそう」

早川「自信作です!松村さん、このお金は私が払うんで〇〇さんにプレゼントしてもいいですか?」

松村「いやいや、お金は店持ちでええで!もってけドロボーや!」

盾角「ドロボー…とにかく、2人ともありがとね」

早川「感想教えてくださいね!」

盾角「もちろん!あ、聖来ちゃん」

早川「なんですか?」

盾角「悪いんだけどアップルパイ、2個ずつで箱を別にして欲しいんだ」

早川「わかりました!」


一方その頃乃木中央病院では、西野の努力もあり、賀喜が回復してきていた。


8月14日 11時20分

ー 乃木中央病院 ー


西野「ハハッ!そこでこけたん?」

賀喜「ありえないですよね!」

西野「ほんまかっきー、おもろいわ」

賀喜「でもめっちゃ驚きました、まさか看護師さんじゃなくて密偵だなんて」

西野「しーっ!かっきー声でかいで」

賀喜「あっ、すいません…」

西野「でもよかった、笑ってくれるようになって」

賀喜「本当に西野さんのおかげです」

西野「よかったわほんまに」

賀喜「ごめんなさい、あんまり役に立ちそうな情報をご提供できなくて…」

西野「いやいや!こんな時に色々話してくれてありがとうね」

賀喜「はい!」

西野「この後の警察の人きて色々聞かれるやろうけど、ななもおったろか?」

賀喜「いいんですか!是非お願いします!まだ1人だと不安で…」


その後の警察からの事情聴取は約1時間にも及んだが、西野がそばにいたおかげで、円滑に進んだ。

警察が帰ったのは結局1時間半後だった。


西野「あーっ!疲れた!」

賀喜「やっと終わりましたね…ありがとうございました!本当に西野さんいてくれてよかったです」

西野「お疲れ様かっきー、この後はご両親も来てくれるから、もう安心やで」

賀喜「はい!」

西野「じゃ、ななもそろそろ帰るわ、事務所で〇〇待ってるからな」

賀喜「会ってみたいなぁ、その〇〇って探偵さん」

西野「今度会わしたるわ、おもろいやつやで」

賀喜「ありがとうございます!」

西野「じゃ、また来るわ!あ、"あの約束"忘れたらあかんで!」

賀喜「はい!楽しみです!」


8月14日 15時21分

ー 盾角探偵事務所 ー


白石「ただいま!」

盾角「おかえり、ありがとう助かったよ」

白石「警部に全部話してきたよ、早急に調べてくれるって」

盾角「ありがたい」

白石「それと新しい情報で、火災で亡くなった賀喜祐輔さん、例のサークルに所属してたらしいよ」

盾角「マジか!じゃあこれで連続殺人は確定か」

白石「警察はそう断定したって」

盾角「麻衣ありがと、腹減っただろ?あやめちゃんの弁当あるから」

白石「えっ?あやめちゃんが作ってくれたの?」

盾角「真夏は用事でいなかったんだ、あとおやつにPrincessのアップルパイと聖来ちゃんが作ってくれたマフィンもあるから」

白石「最高じゃん」


15分後、インターホンが鳴った。


西野「うぃ〜」

盾角「なーさん、ありがと」

西野「かっきーめっちゃいい子やったわ」

盾角「もうあだ名で呼ぶぐらい仲良くなったのか」

西野「うん、すぐ仲良くなれたわ。かっきーのご両親とも一応挨拶できたし」

盾角「そっか、まあ話は後にして2人ともゆっくりご飯食べてよ」


1時間後、昼食をとった2人に盾角がお茶を入れ、ゆっくりと西野の話をまとめた。



[賀喜遥香]

栃木県出身の19歳。真州芸術大学1年生。

大阪で生まれた。小学生の時、栃木県に引っ越ししてきた。今年の春から芸大に通うため、東大河町で一人暮らしを始める。

今回の火災で亡くなった賀喜祐輔さんは、賀喜遥香の父親の兄。祐輔と父親は兄弟仲が悪く、毎年夏、賀喜祐輔宅に賀喜遥香一人で2.3泊するのが恒例になっており、今回の事件はその間に起きた。


盾角「じゃあ今回の事件はその宿泊中に起きたのか」

西野「まさかこんなことになるとは、って言うてたわ」

盾角「か、もしくは…」

西野「もしくは?」





盾角「遥香ちゃんが火をつけたか…だよな?」






白石「えっ…」

西野「そ、それは流石にないと思うで!泣きまくって面会謝絶やった子が…」

盾角「遥香ちゃんは火災が起きた時何をしてた?」

西野「来客用の部屋で寝てたらしい…」

盾角「それを証明できる人はいないだろ?」

西野「まあ…」

白石「でも!ハイライトのこともあるし、やっぱり外部犯なんじゃ…」

盾角「その遥香ちゃんが連続殺人の犯人だったら?」

白石「そんな…」

盾角「そもそもこの家を燃やすことだったり、叔父叔母の2人を殺害することが目的だっとしたら…カモフラージュのために1件目の事件を起こして連続殺人に見せ、自分を容疑者から外したってのも筋は通るだろ?」

白石「じゃあ容疑者は3人になったわけだね?」

盾角「いや、これで5人目だ」

西野「えっ?深川麻衣と伊藤万理華とかっきーで3人やろ?」

盾角「その3人の他にいるだろ?事件発覚後ずっと連絡が取れない2人が」

白石「ちょ、〇〇!」

西野「まさか…」

盾角「あぁ…」






盾角「山下と飛鳥だよ」






白石「あの2人に限ってそんなこと…」

盾角「ない、って言い切れるのか?」

白石「それは…」

盾角「この段階では誰が犯人で誰が被害者なのか、そもそも山下と飛鳥が事件に関わってないなんてことも言い切れないだろ?同じ時期に同じように連絡が取れなくなって、しかも親の境遇や家庭環境まで似てるなんて…偶然にしちゃ出来過ぎだと思わない?」

西野「まあな…」

盾角「決して私情を挟まずに事件全体を客観的にみてると、やっと真実が見えてくるんだ。麻衣の気持ちももちろんわかるし、俺の考えすぎかもしれない。でも、事件ってのは真実が見えてくるまで、仮説の積み立てとそれを壊すことの繰り返しが重要なんだ。探偵を志す麻衣は、このことを覚えておいた方がいい」

白石「うん…」


盾角はバナナシガレットに出かけた。

白石はずっと下を向いてしまっている。


白石「〇〇…飛鳥たちも疑ってるのか…」

西野「まいやん!」

白石「ど、どうしたの…?」

西野「あかんで!」

白石「何が…?」

西野「そんなんじゃ、立派な探偵なられへんで!」

白石「えっ…」

西野「まいやんが飛鳥や美月ちゃんを信じたいんやったら、あの2人が犯人じゃ無い証拠を見つければええやん!」

白石「七瀬…」

西野「真実を見つけるまでは仮説の積み立て、〇〇の言う通りやで!まいやんはなんのためにこの事務所におるん?まいやんも探偵なんやろ!」

西野「それに…ななは〇〇の密偵だけしてるわけちゃうで?」

白石「え?」

西野「ななは"盾角探偵事務所"の密偵や!まいやんの密偵もななやで!」

白石「七瀬…うん…ありがとう!」

西野「〇〇なら絶対真実を見つけてくれる、ななたちにできるのはその手伝いをすることや!」

白石「…そうだね!」

西野「ななもかっきーのこと信じたい、2人でもうちょっと頑張ってみよ!」

白石「わかった!ありがとう七瀬!」

西野「うぃ〜」


こうして盾角の知らないところで、2人は動き出した。


8月14日  17時08分

ーBar バナナシガレットー

カランカラン

盾角が入ると、珍しく設楽がカウンターに立っていた。


設楽「盾角か、よぉ」

盾角「お疲れ様です、なんか僕だってわかってるような感じでしたね今」

設楽「ドアに"closed"って看板かかってんだろ?なのに入ってくるのはお前だけだよ」

盾角「すいません」

設楽「なんか進展あったのか?」

盾角「被害者が増えてしまいました」

設楽「連続殺人なのか?」

盾角「はい…」

設楽「ちょっと待て、コーヒーいれてやるから」

盾角「すいません、ありがとうございます…日村さんは?」

設楽「日村さんは今つまみの材料とか買いに行ってくれてるんだよ、酒の仕入れもしてくれてるみたいだし、帰ってくるのは夜だな」

盾角「そうですか」

設楽「それで、事件が起きたのは今日か?」

盾角「はい、それも深夜に」

設楽「よく見つかったな」

盾角「火事なんですよ」

設楽「火事?」

盾角「乃木坂二丁目の賀喜って人の家が全焼しまして…夫婦が亡くなりました」

設楽「子供は?」

盾角「泊まりに来てた被害者の姪の子はいたんですが、病院に運ばれて今は回復してます」

設楽「そうか…その子は辛いだろうな」

盾角「朝からなーさんが頑張ってくれたおかげで、今は回復してます」

設楽「西野か、元気してるのか?」

盾角「はい!」

設楽「またここに連れてこいよ」

盾角「もちろんです」

設楽「それで、連続殺人ってことは…」

盾角「はい、ハイライトがわざわざ金庫に入れてありました」

設楽「わざわざ燃えないようにか」

盾角「そうなんです…」

設楽「その姪の子はシロなのか?」

盾角「アリバイはないです…」

設楽「なるほどな…」

盾角「あ!」

設楽「ど、どうした?」

盾角「忘れてました!これどうぞ!」

設楽「ん?洋菓子か?」

盾角「Princessのアップルパイです、日村さんのもあるんで」

設楽「おお!すまねえな」

盾角「設楽さん甘いの好きですもんね」

設楽「ああ!甘いものってな、食うとなんかこうすげえ満たされるというか、なんか、なんかすごいよな!」

設楽は盾角の顔の前で力説した。

盾角「そっ…そうですよね…!」

設楽「ありがとう、日村さんと店閉めてから食うよ」

盾角「是非!」

設楽「それで、山下の方はまだか?」

盾角「それなんですが…山下が見つからないことに変わりはないんですけど…」

設楽「けど…?」

盾角「飛鳥もなんですよ、見つからないの」

設楽「なに?」

盾角「山下と同じ頃から連絡が取れないんです…」

設楽「…かなり心配だな…」

盾角「全力で探しているんですが…一切の手がかりが無くて…」

設楽「なるほど…」

盾角「まあ推理はこれからです、容疑者が出てるんですよもう」

設楽「ほんとか?」

盾角「深川麻衣、伊藤万理華って2人の潮騒大学の学生と火災が起きた家の姪、賀喜遥香です。深川、伊藤の父親、そして賀喜の叔父は全員同じサークルでした」

設楽「なるほど…で、山下と飛鳥ちゃんの父親を調べれば、この時間に関わりがあるかどうかはわかるってことか」

盾角「そういうことです、ただ…」

設楽「あの2人も容疑者、ってことだろ?」

盾角「そうなんです…」

設楽「ま、俺でよかったらなんでもやるから」

盾角「ありがとうございます」

設楽「ここで考えててもしゃあねえ、一刻も早く警察と協力し、白石・西野と情報を集めて、容疑者を1人でも減らせ」

盾角「はい!」

設楽「俺は街の連中と親しいから、人調べとかあれば言ってくれよな」

盾角「わかりました!ありがとうございます!」

設楽「がんばれよ」

盾角は店を出た。8月なのに不気味な湿り気のある風が吹いている。

事務所に戻ると、白石・西野の2人はいなかった。


第3章 終

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