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"ミドリ"の日々 まとめ

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長編作品 "ミドリ"の日々 のまとめです。
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"ミドリ"の日々 第9話

"ミドリ"の日々 第9話

小池さんに言われたことが頭から離れないまま帰宅すると、もう両親は帰ってきていた。

風呂に入った後、自室で久しぶりにハイボールを飲んだ。リビングにいた父がたまには飲めよと言って冷蔵庫から出してくれた。

初めてお酒を飲んだのは17歳ごろだっただろうか。当時は未成年で、飲むことへの憧れもあり背伸びしている気分になれた。しかし肝心の味は好きになれずに、大人はこんなもののためにお金を使っているのかと内心

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"ミドリ"の日々 第8話

"ミドリ"の日々 第8話

保乃と大河公園で会った翌日、起きたのは午前11時半を過ぎていた。一瞬、完全に寝坊したという恐怖感で脱力したが、よくよく思い出すと今日からゴールデンウィークだ。

そうわかった瞬間、強張っていた身体は再びベッドのふわふわとした感触を妙に認識し、まぶたの奥から眠気がじわっと襲ってくる。

二度寝した後起きたのは午後1時ごろだった。

こんなにゆっくりと、一回も起きたり悪夢を見ることなく就寝できたのはか

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"ミドリ"の日々 第7話

"ミドリ"の日々 第7話

今日は珍しくバイト終わり、NUMA Tokyoには寄らずそのまま帰宅した。なんでも天からLINEで、すぐに帰宅するようにという旨が届いていたからだ。

帰宅し玄関を開けると、見慣れない靴がきちんと揃えて置いてある。ニューバランスのスニーカーで、サイズはそこまで大きくない。

来客かなとは思っていたが、一体誰だろう。2階にあるリビングへ急いで向かうと、天と真っ先に目があった。

天「あ、お兄ちゃんお

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"ミドリ"の日々 第6話

"ミドリ"の日々 第6話

まつりさんはきっと、保乃がバレーボール選手になる夢を諦めたという話に、過去の自分を重ねたのだろう。

〇〇「負けた?」

松田「うん、負けたの。その時のライバルにね」

〇〇「なんかの大会とかですか?」

松田「いや、公園で練習してた時にね」

〇〇「公園…ですか?」

松田「そう、当時で私ともう1人でユニット組んでたんだけど、公園でよく練習してたの、学生でスタジオ入るお金も勿体無いって言ってね」

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"ミドリ"の日々 第5話

"ミドリ"の日々 第5話

「かしこまりました」

理佐さんがメニュー表を眺め、かなり多くの注文をした。ビシッとしたスーツ姿の店員さんが深くお辞儀をし、慣れた手つきで丁寧に個室の重たそうな扉を閉めて出て行った。

〇〇「え、あの、えっと…」

渡邉「ハハッ、緊張してる〇〇くんなんか可愛い」

〇〇「そりゃ緊張しますよ!こんな店学生の僕たちがきていいようなところじゃないです!」

天「そうです理佐さん!私たちみたいなものが…」

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"ミドリ"の日々 第4話

"ミドリ"の日々 第4話

あれから2週間が経った。

あんなに満開だった桜の花はほとんど散り、早くも葉が出てきている。

今となってはもう当たり前のことだが、大河公園で話した2日後に由依さんの喫茶店に行った際、僕はひかるに対して疑問に思っていることを聞いた。

芸大で僕と同い年、ならば福岡から出てきたのは3年ほど前なはずなのに、一人暮らしは始めたてだと言っていたことが引っかかっていたのだ。

話を聞けば、高校を卒業後3年間

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"ミドリ"の日々 第3話

"ミドリ"の日々 第3話

田村「え?…」

〇〇「俺が音楽やめるってなったら、保乃はどう思うんだろって」

田村「…そりゃ悲しいけど…」

〇〇「…けど?」

田村「〇〇が選んだことなら、保乃はなんでも応援するで」

〇〇「…そっか…」

田村「え、ほんまにやめるん?」

〇〇「ちょっと迷いが出てきてさ、由依さんのあの質問に返事の一つもできなかった自分が情けなく感じてきて…」

田村「…そ、そんなんあれやん!急な質問やった

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"ミドリ"の日々 第2話

"ミドリ"の日々 第2話

僕はただ由依さんの言葉の続きを待っていた。いや、待たなければならなかった。
その言葉の真意を捉えるには、僕はまだ若すぎた。

小林「〇〇はどう思ってるかわからないけど、音楽、というか"好きなこと"ってそんな簡単に自分から離れていかないもんだよ」

由依さんは僕のことをまっすぐ見つめたまま、何も話さない僕に語り続けた。

小林「私だってあったよ、あぁもう音楽なんてやめようかな、向いてないのかな、って

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"ミドリ"の日々 第1話

"ミドリ"の日々 第1話

いつものスタジオ。

3曲、それぞれ二回ずつ合わせた後喫煙所に来た。隣の壁から誰かが演奏するドラムやベースの音が聞こえてくる。一際大きな音で掻き鳴らされているギターは、お世辞にもうまいとは言えない。

フーッと吐き出したタバコの煙は無風の空間を黙々とゆくあてもなく漂う。

煮詰まったアイデアを動かすためには休息が一番大事だと思っていた。しかし最近ではこの時間がやけにうざったく感じる。

「お前あの

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