見出し画像

トラブル続きの海外進学。いきなり洗礼を受ける

3月。街を歩いていると、袴姿の晴れやかな卒業生を目にする。卒業の喜びと共に次なる道への期待と不安。私にもかつてあった。大学卒業後の進路に、赤道直下のボルネオ島に位置するマレーシア領サバ州の大学院への進学を選択した。

マレーシア・サバ州
州都コタキナバルを見渡す

私が通っていた大学院では、マレーシア人・外国人に関わらずオンラインを通して出願手続きが行われる。そのため、旅費をかけて大学に赴く必要はなかったが、まあ!一つ一つの手続きがスムーズにいかなかったことを今でも覚えている。他のマレーシアの大学のことは存じ上げないが、これから留学生活を送っていく私にとってサバの洗礼を受けたような出来事だった。

出願プロセスは、まず大学院の公式ホームページから志願者用のアカウントを作成し、出願手数料の支払い、志願者情報の入力、出願書類のアップロード、指導教官名の入力、推薦者2名の情報入力、これらの順に行われた。


出願手数料の支払いが受理されない

志願者用のアカウントを作成し登録が完了すると、まずは出願手数料の支払いから行われる。支払いの際に発行された明細や証明書を自分のアカウントにアップロードし、大学側がそれを受理すると、その次の出願手続きに進むことができる。

私は国際送金で支払いを行い、銀行で頂いた支払い証明書をアップロードした。証明書は無事にアップロードされたものの、大学側から中々受理されないため、その先の手続きに進むことができなかった。

大学に問い合わせをするも電話に出ない、メールの返信はなし

国際送金なので時間がかかっているのかと思ったが、中々受理されないので、出願ガイドラインに記載されていた入学課の電話番号に国際電話をすることにした。何回掛けても出ない・・・。次にメールで問い合わせすることにしてみた。しかし、数日経ってもメールの返事は来ない(結局、返事は来なかった)。

出願期限もあるので、ここはその大学院に通っているマレーシア人の友人(のちの研究室の先輩)にお願いして大学院オフィスに電話をして頂いた。しかし、現地からでも電話に出ない・・・。先輩にはご足労おかけしたが、大学院オフィスに足を運んで頂き、直接支払いの確認と承認をお願いして頂いた。

出願書類がアップロードできない

先輩のおかげで支払いが受理されたので、次の出願ステップに進むことができた。志願者情報や志望コース、奨学金の有無などを入力。ここは順調に進む。

次に必要な出願書類をアップロード。大学の卒業証明書、大学の成績証明書、研究計画書はアップロードできたが、何度トライしても英語検定の証明書とパスポートだけはアップロードすることができなかった。これらができなくても次の画面に進めたので、とりあえず先に進むことにした。

国内生として出願されていた

次に、志望する指導教官の名前を入力し、推薦者の方2名の情報を入力して出願は完了。これらの出願プロセスを経て最後の画面まで行くと、出願者の登録情報が留学生(International applicant)ではなく、国内生(Local applicant)となっていた。

初めての経験なので、慎重に一つずつ確認しながら行ったにもかかわらず・・・。国内生として登録されていたから、英語検定とパスポートのアップロードができなかったのだろう。

大学から推薦者への連絡がない

国内生として登録されてはいたものの、出願は完了。その後は、大学から推薦者の先生方へメールが送られ、オンラインを通じて推薦書の入力をして頂くことになる。しかしながら、先生にお尋ねしても大学から何も連絡が来ていないとのことだった。

問題解決に結局ボルネオ島へ行く

国内生としての出願になってしまったこと、また推薦者の先生方への連絡がなかったので、大学に問い合わせを試みる。相変わらず電話とメールをしても繋がらないので、また先輩を頼りにさせて頂くことに。

ところで私が通っていた大学は、山を削った広大な敷地に建てられている。大学の正門から一番遠い学部のキャンパスまでは、徒歩40分程度。そのため大学内には車道が通っており、申請をすれば大学職員や学生も車やバイクを使って通勤・通学することができる。また、大学内には学内専用バスと学外を行き来しているバスもある。だが、これらのバスは学期休みの時期は運休していた。

正門から大学院オフィスのある建物までは、徒歩30分。先輩は車を使用していなかったので、さすがに熱帯の地を往復1時間かけて歩いて頂くわけにはいかない。ただでさえこんなにお世話になっているのに。また先輩は調査に出かけることもあるので、交通手段があってもすぐには大学院オフィスに行って頂くことができなかった。

結局、私はボルネオ島に行くことにした。対面でその場で手続きしてもらう方が確実だ。と言っても、思わぬ出費だったので、LCCでクアラルンプールを経由し、大学近くの2,000円台のホテルに一泊した。帰国までは姉のように慕っている方のお家にお世話になることにした。今でもそうだが、本当にたくさんの方々にお世話になった。

飛行時間9時間半、解決時間5分

サバ州の州都コタキナバルに着くとすぐに、先輩に付き添って頂き大学に直行。大学院の窓口でスタッフに事情を説明し、出願状況を確認してもらう。スタッフの方は、カウンターに置いてあるパソコンをちゃちゃっといじり、「大丈夫!大丈夫!できたよ。」と。ものの5分くらいであっさり終わってしまった。

推薦者の先生方へのメールも届かないのでそちらも聞いてみると・・・ワンクリックで「できたよ!」と。日本からコタキナバルまで片道9時間半。私の不安は5分で解決された。

帰国前夜、洪水で車中泊

問題は解決し、翌日は友人宅にお世話になった。この日は大雨で、友人の弟さんが車が壊れて帰れなくなったと言うので迎えに付いて行ったら、洪水が発生して帰れなくなった。このまま車で進むのは危険なので、脇道で車中泊することに。しかし翌日は帰国日。しかも朝の便。早く水が引かなければ飛行機を逃してしまう。明け方、水が引いたので急いで帰り、荷物を持って空港へ向かった。

その後も届く書類不足メール

飛行機には間に合い、予定通り帰国。あとは合否を待つだけだと思ったら、自動メールで「書類が不足しています」との内容が何度も届く。大学院のスタッフは窓口でちゃちゃっとパソコンを操作をしていたが、本当に大丈夫なのだろうか・・・。

相変わらず大学に問い合わせても繋がらない。またまた現地の先輩にお願いして電話を掛けて頂いたら、出願はできているとのことだったので、それ以降は合否を待つことにした。どれだけ先輩に大学へ電話をして頂き、オフィスにまで行ってもらったことか・・・。

進学前に早速サバの洗礼を受けたが、在学中も大学院オフィスに連絡が繋がらなかったり、システムエラー、手続きしてもその後の音沙汰がないことは多々だった。もうこういうことには慣れ切ってしまったが、出願当時は初めてのことだったので焦りを感じた。

在学中に学んだ対策としては、よく連絡を取る先生やスタッフの方とは個別にメールやメッセージアプリを使って連絡をしたり、提出物は早めに出したり、手続きの進捗状況をこまめに問い合わせることだ。

学生ビザの取得が間に合わない

様々なトラブルがあったものの、大学院には合格し、入学することになった。

そして、最大の問題が起きる。
次回、入学までに学生ビザの取得が間に合わない。

<関連記事>



この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?