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#兎
「オレって雑かな?」
「なあ、オレって雑かな?なあ、どうだ?」
「その質問が雑だな」
「へー」
「その返事は、もっと雑だ」
「雑ってさ、こう、グチャグチャってなってることだろ?雑炊は、グチャグチャってつくるもんな。でもさ、雑煮はなんであんなにキチッとつくるんだ?」
「なんでだろうな」
「しかもさ、正月くらいにしか名前も聞かない。なんなんだ?つくる時期まで決まってる」
いつに無く真剣に悩む兎は、険しい顔をしている。
「な
「なんでそんなに眠いの?」
「なあ、なんでそんなにいつも眠いの?」
兎は、目を閉じて座っているニワトリに聞く。
「べつにいつも眠いわけじゃない」
薄目をあけて横目で見るニワトリは、また目を閉じ、そのまま話す。
「目をつぶるとさ、自分の世界にはいれるからな」
疑った顔で兎が顔を近づける。
「へー。じゃあ、今は自分の世界か?なあなあ」
兎の追求に、ニワトリが一言。
「いや」
「なぁ、なんで春は花粉が多いんだ?」
「なぁ、なんで春は花粉が多いんだ?」
兎が、となりで両目を瞑っているニワトリを肘でつつく。
「そりゃあ、春だし。なんか新しい生活のはじまりだって気持ちになるだろ」ニワトリが片目を半分だけあけ、また瞑る。
「あたらしい生命の季節ってことか?」
「ちがう」
ニワトリは寝ぼけたままだが、兎はそんなことには構わない。
「なぁって」
「んぁあ。ソワソワするだろ、だいたい。天気もいいし、気持ちも足取りも軽くな
「なぁ、なんでお前は飛ばないんだ?」
ある二人の日常
「なぁ、なんでお前は飛ばないんだ?」
兎は同じ小屋にいるニワトリを肘でつつく。
ニワトリは、それを煩わしそうに体を揺すっただけで返事をすまし、また白くきれいな羽を手入れしてる。
そんなことには構わず、兎。
「なぁって」
「んあぁっ、なんだよっ」
イライラしたニワトリが、空を睨みつける。
「あんな汚ねぇ空なんか飛んだら、羽が汚れちまう」
短い物語をよく目にするので、わたしも試しに