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英語になりたいから英語を学ぶ!?人格化された痕跡は永遠に生きる化石。

「生きている人とも、死んでいる人とも、ひっそりと繋がることができる、そんな地球最大のネットワーキングの場所が「単語」や「言語」といった仮想世界であると、そんな風に私は思えたものです。」


こんにちは、語学の裏設定のゆうです。今日は、英語学習の動機のお話をしたいと思います。

「英語になりたいから英語を学ぶ」

理解されるのに200年ほどかかる変な学習動機であると自負しております。

ゆえに、万人向けの学習方法ではないですが、これを読んだ人の何かしらが変わるかもしれないな、という薄い期待感、そんな空気感で書いています。

1万人に1人くらいかもしれない...
濃いめの突然変異が起きるのは。

こんな例えを出発点としてみようと思う。

ピアニストがいる。なぜそのピアニストはピアノを弾くのか?

「有名になりたい」「コンクールで賞を取りたい」「やらされているから弾いている」「音楽が好きだ」といった理由を差し置いて、「音楽になりたいから私はピアノを弾いている!」そう高らかに宣言しているピアニストがいるとする。

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その気持が分かるだろうか?

音楽になる?

人間である以上、体を持つ。輪郭を持つ人間が、輪郭を持たない音楽になることは物理的に不可能ではないか。だから音楽になりたいからピアノを弾くという動機は滑稽無糖、支離滅裂、意味不明では?

そんな意味不明さを説明を試みよう、というのが本記事な訳です。
(うまく表現できるかな。。。)



1.人間の細胞と言葉の博物館

人間の細胞1つ1つにはDNAがある。それは、私達が何者であるかという情報、通称「遺伝情報」を格納しており、それは人類の進化の歴史数千万年分の情報を含んでいる超小型装置なのであろう。現代の技術で開発できるであろう最大容量のスマホをも軽く凌駕するほどのキャパシティを持っているのが、細胞なのです。

全体には部分、体には細胞、ならば英語には英単語。

このような包含関係が描けるのではないかと思う。

体は生き物である。ならばそれを構成している細胞もやはり生き物であろう。

さて、「言葉は生き物だ」と言われる。
ならば、それを構成している英単語もやはり生き物であると呼んでも良いのではないか?

細胞が、人類の進化の歴史の情報を全て含むのなら、英単語だって同様に歴史を含んでいても良いのではないか?

そんな英単語の機能を私は中学生の時に「言葉の博物館」と名付けたのを覚えています。理科の時間に人体と細胞の話を聞いて思いつきました。

では、その言葉の博物館は何をするものなのか?

というと、ある語が使われたときの使い手の感情、状況などの情景痕跡情報がその単語のDNAに逐一蓄積されていくものではないか?

例をあげます。

「The」という単語。

Aさんは1996年に「Look at the result.」という文章を、同僚の研究者に向かって言った。それは世紀の大発見の夜明けだった。
Bさんは2014年に「We are the winner ! 」という文章を、ワールドカップの優勝の瞬間に放った。

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Aさんはこの時、大歓喜したのだろう。
Bさんもこの時、大歓喜したのだろう。

そういった1つ1つの情景と感情が、Theという単語のDNAの中にある博物館の展示物として保存されていくのではないかと。

・その単語を使った人は誰か
・その単語はいつ使われたか?
・その単語を使った人の感情はどうだったか?

こういった情報が、こういった何億人分の情報が、Theという言葉が使われ始めてから今に至るまでの分だけ「The」に蓄積されている。

そして、私が「The」という言葉を次に使う時、私はその超巨大な博物館と合一できる。

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これが「英語になる」ということの意味です。

今このブログを読んでいるあなたは生きている。
あなたの細胞1つ1つがその中に人類史を背負って生きている。
そして現在進行系で、あなたの生き様がDNAに記憶として刻み込まれる。

それと同じ感覚で、あなたが何かしらの言葉を使う時に、例えば「The」という言葉を使う時に、その言葉の博物館を背負っている。

そうして、今しがた使ったTheの情景情報が新たな展示品としてその博物館に追加される。


仮に今、あなたがYoutubeにビデオを投稿したとする。そしてそのビデオの中でTheと言ったとする。その時の情景、感情、表情の様子は痕跡として全てビデオの中に保存され、それらはサーバーという博物館に保存されることになる。

Youtube上には貴方以外にも何千万もの人が、ビデオの中で「The」という言葉を使っている。そこで、もし「Theと言われた瞬間を全部抽出する」という検索ができるとするなら、あなた自身もその検索結果に載ることになり、「The」という共通項を介してその検索結果画面のみんなと繋がることができる。

「英語」という仮想体の中にある、「The」という仮想細胞空間の中で。

そんな検索結果画面には、現時点で生きている人もいるし、もう死んでしまった人もいることでしょう。

生きている人とも、死んでいる人とも、ひっそりと繋がることができる、そんな地球最大のネットワーキングの場所が「単語」や「言語」といった仮想世界であると、そんな風に私は思えたものです。


2.英語になりたいから勉強したい

音楽とは人間の精神的な躍動を、形を持たぬ音にしたためて表現したものです。

作曲の時点でその音楽は
・作曲者の作曲時点での事情
・作曲者の作曲時点での感情

を反映していると言えます。

それが音楽の中に埋め込まれていると。

続いて、音楽にはそれを演奏する人が居ます。

演奏の時点でその音楽は
・演奏者の演奏時点での事情
・演奏者の演奏時点での感情

を反映していると言えます。

これらが、演奏されるたびにその音楽の中に刻み込まれると。その音楽の中にある博物館に記録されると。

「The」と同じように、演奏者はその音楽を演奏するたびに、作曲者とこれまでに演奏してきた全ての演奏者と合一でき、これを「音楽になる」と呼ぶとしましょう。

だから「音楽になりたい」とは、その曲に関わる全ての人と繋がりたいという欲望、

または、

その曲に関わる全ての人と繋がった状態の、超強化状態の自分になりたいという、力への渇望なのかもしれない。あるいは、そういったすべての人が自分のバックに居るという、安心状態への確保欲なのかもしれない。もしくは、仮想だけど無限の博物館へ対する畏敬の念なのかもしれない。

そこで本題に回帰するわけですが、

「英語になりたいから英語を勉強する」というのも、全く同じ性質のものなのでしょう。

英語になれれば、

英語で話すということではなく、

英語と話すということができるようになれます。

現時点で英語を使っている世界中のすべての人々と、そして今はもう存在しませんが、英語を使って生きていた世界中の全ての人々との痕跡と。

なんて風に書いてしまうと、まるで死者との対話に憧れているように聞こえてしまいますが、そこはそうではないとハッキリ言い切っておきます。


私が英語になりたい理由は2つあります。
1つはそういった痕跡博物館という偉大なものへの憧れです。

2つ目は、自己を痕跡博物館の中に永遠に保存することです。

私が英語と使えば使うほど、その時々の瞬間の記憶は私が使った単語に保存されます。マニアックな単語を使えば、私はマニアックな単語に保存されることでしょう。私自身は、より多くの単語に保存されることでしょう。

気味が悪い書き方でしょうか。

しかし、思うのです。

この概念はインターネットそのものではありませんか?

貴方のネット上の言動、行動は全て記録されていきます。
デジタルタトゥーとして残るのです。

500年後の人々がネットを使う時、あなたのネット上での行動は人格化された痕跡としてちゃんと見られるのです。あなたが、英単語の使い方ビデオを作ってアップすれば、録画中の貴方は永遠の命として残るです。解説した単語が多ければ多いほど、貴方の命の分身は増えるわけです。そして、同じ単語を解説した他の方々と同じ検索結果画面に載ることで、彼らと繋がれる訳です。

太古の昔より、人は無限の命を求めてきました。

永遠の命を保証する秘薬を作らせたり、聖水を取りに行かせたり、そんな話が現代に沢山残っています。

だから、

「英語になりたいから英語を学びたい」というのはある種人間の本能に従った欲求なのかもしれないと、私は思うわけです。


あとがき

最後まで読んでくださった方、大変感謝です。終始、意味不明なことが書かれていたと思います。2020年現在、私の周りでは、友人知人、拝見したYoutubeやブログを含めて英語学習動機でダントツ多いのは「外国人の彼氏・彼女を作りたいから」というものです。

以前別の記事で、恋愛とは「合体したい」と思うことであると言った気がします。彼氏・彼女を作りたいというのが、「特定の1人と合体したい」という思いなのであるなら、「英語になりたい」という学習動機は「時空を超えて英語を話したことがある全てと合体したい」という気持ちなのでしょうか。(自身を永遠化するので、未来の英語話者とも繋がることになる。)

結合の先に有るものは誕生です。彼氏、彼女のあとに来るものは出産ですよね。ならば、英語と結合したあとにも誕生というステージが有るはずです。

それは何なのか?

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私は思うのです。

これが英語を探求するということではないかなと。


PS:関連記事

先程の「合体したい」に関する記事です。


今回は久々の投稿だったので、書きたいように書きましたが、次回から読む人がみんな分かる記事をちゃんと書きます!

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