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中学社会科教師。ひねくれ者。ロックとボクシングが好き。

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最近の記事

行政措置要求書

地方公務員法第46条により、次のように行政措置を要求します。 1 要求事項  部活動顧問を希望しない教職員に対し、顧問就任を強要しないこと。 2 要求の事由  部活動顧問を引き受ければ、自ずと時間外労働が発生する。平日の帰宅は遅くなり、休日も練習や大会などで引率せざるを得ない状態となる。また部活動関連書類の作成等、本来不要な業務が発生するため、教員の本来業務である授業準備や校務分掌、生徒・保護者対応などに充てる時間が圧迫される。よって、希望しない教職員への顧問強制は教育力

    • 部活について思うこと

      学校は治外法権 部活動は勤務時間外に自発的にやっていることとされています。つまり本来は誰も「やれ」とも「やるな」とも言えるものではなく、断ることに法的問題はありません。しかし精神的にはかなりの葛藤がありました。  「勇気を出して、誰かがNOを言わなければ現状は変えられない」という思いと、仕組みを変えない限り、「自分が断ると誰かの負担が増える」ことの狭間で逡巡しました。労働契約という観点から見た場合、そもそも時間外の自発的行為なのだから、「やりたくない人は断る」だけで解決する問

      • 社会の先生じゃなくても憲法を語ろう

         「特別の教科 道徳」において、文科省は「考え、議論する道徳(「道徳」は「修身」の復活を目指したものであり、そもそも「考え、議論する」性質のものではないが…)」を推奨している。本気で「考え、議論する」と、指導要領で誘導しようとしている内容項目からは離れていくが、遠慮はいらない。文科省のお墨付きなのだから、どんどん「考え、議論する授業」を展開すればよい。実は、そうすることで憲法の理念に近づいていく。  「日本人は自国を誇りに思っている人の割合が少ない」というデータを示し、それ

        • 日本国憲法は先人から私たちへのメッセージなのだ。

           憲法が変わるかもしれない。こんなこと、子どものころ、いや大人になってからも考えたことがなかった。「憲法を変えて軍隊をもちたい」と考える人たちが大きな力をもつなんて、一昔前なら想像もできなかった。質の悪い冗談のような話だが、紛れもない現実だ。私たちは今、歴史の分岐点に立っている。  私は中学校で社会科を教えているため、当然に日本国憲法を教えてきた。しかしこの危機的状況に際し、「自分自身は本当に憲法を理解していたのだろうか?」と反省した。そして憲法について学び直し、気づいた。「

        行政措置要求書

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        記事

          部活問題を解決する方法を考えよう

           価値観は人それぞれです。そして価値観が違うからこそ、それを調整するために法があります。私たちの勤務時間は法で定められており、まずはそこを守ることがスタートになります。  そうすると、違法状態である現状をどうやって法に合致させていくかが大切です。実は、答えは国会でも既に出ています。地域への移行です。これを「できるわけない」と言っていたのでは永遠に変わりません。どうやって実現していくか、我々自身が具体策を考える段階だと思います。    地域への移行は、「部活をもっと指導したい」

          部活問題を解決する方法を考えよう

          要求書

          部活顧問を断わったときの要求書です。 結果は、断ることができました。 パワハラは受けました。 参考まで。  近年、教職員の長時間労働の実態が知られるようになり、「働き方改革」が叫ばれています。しかしながら、上からの改革だけでは真の多忙化解消を達成することは困難です。  また一人一人の生徒の「人格の完成」につながる教育を実践していくためには、安易な前例踏襲ではなく、日々変化する状況に対応していく必要があります。今後も様々な問題の改善のため、現場の教職員の立場から意見をあげてい

          要求書

          「私は真実が知りたい」読了報告

           私の夫、トッちゃんの本名は赤木俊夫。この時、54歳。財務省近畿財務局の上席国有財産管理官。あの森友事件で、国有地の値引き売却についての公文書の改竄をさせられ、以来一年ずっと苦しんできた。それをまじかで見ながら救い出してあげられない私もつらかった。何度も市の一歩手前までいきながら何とか引き戻すことができたけど、とうとう助けられなかった。  「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」「最後は下っ端が責任を取らされる」「ぼくは検察に狙われている」とおびえていたことを、よく覚えている

          「私は真実が知りたい」読了報告

          月に一度は学活を。

           つい行事の準備などで終わってしまいがちな学活ですが、月に一度くらいは、意識的に学活らしい学活ができるといいと思っています。 学活(特活)の歴史 『教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家および社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない』(1947年の教育基本法)  「自分の頭で考えず、上から言われたことに盲目的に従う国民」を育成した戦前の教育への反省から、戦後は

          月に一度は学活を。

          熱帯雨林=資本主義=部活

          『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』より  かつて、このような話を聞いたことがあります。  『生存競争が激しい熱帯雨林に生息している樹木は、どの木も、隣の木よりも多くの光を得ようと上へ上へと伸びる。ところが、それでは「影」に隠れてしまう木が出てくる。その影に隠れた木々は、太陽の光を得ようと、他の木と同じ高さまで伸びようとする。もしくは、一番高く伸びて、光を独り占めしようとする。  すべての木が同様のことを考えているため、熱帯雨林の木々は非常に背が高い。ところが、

          熱帯雨林=資本主義=部活

          部活顧問を「やる・やらない」の選択肢を。

           「働き方改革」「早く帰るように」と言われても、部活だけは見て見ぬフリをしている限り、現場の働き方は変わらない。その他の業務の精選も必要だが、部活こそが一丁目一番地である。部活の価値を否定するつもりはないが、望んでいない教員の無償労働を前提とし、断ることができない今の在り方は人権問題である。  ここ数年、組合の立場から「働き方改革」を訴えてきた。部活は生徒の自主的・自発的な活動であること。超勤4項目にも入っていないこと。教員の働き方は労働基準法に違反していることなどを発信して

          部活顧問を「やる・やらない」の選択肢を。

          部活が嫌なら教師をヤメロ???

          強者と弱者  「部活が嫌なら中学校の教師などやめればいい」  「部活をしたくないなどという情熱のない人間は教師をやる資格がない」  一部の人間の価値観と、労働者を守るための法律を並列に考えており、本来は議論の余地さえない的外れな意見ですが、残念ながらこうした偏見が一定の支持を得ています。そこには強者からの視点しかなく、弱者からの視点をまったく欠いています。  子どもがいない人や、育児を配偶者に任せきりの人には、何とか時間をやりくりしながら育児をしている人の生活が想像できません

          部活が嫌なら教師をヤメロ???

          私は真実が知りたい

           7月15日、赤木雅子さんの本「私は真実が知りたい」が発売されます。 「え、誰?」という感じですよね、きっと。  森友事件で公文書改竄を命じられ、それを苦に自殺した元近畿財務局職員赤木俊夫さんの奥さんです。  森友学園の事件、どんなだったか覚えていますか?  幼稚園児に教育勅語を暗唱させたり、「安倍総理ガンバレ」と言わせたり、トンデモ教育をしていた塚本幼稚園(森友学園が経営)の籠池氏が、新たに小学校(仮称「安倍晋三記念小學院」)を建てようと土地取得を画策します。  最初は難

          私は真実が知りたい

          「部活指導は仕事じゃない」って知ってますか?

           6時間目終了のチャイムが鳴り、清掃と帰りの学活を済ませると、急いで着替えて部活動へ。顧問が早く行かないと、生徒たちはなかなか練習を始めない。体は大きくてもまだ子どもだ。飽きないようにメニューの組み立てにも工夫が必要だ。もちろん活動中も叱咤激励しなければ良い練習はできないし、しっかり見ていないとケンカやいじめの心配もある。  練習が終わると下校指導。家に帰すまでが顧問の責任だ。夏場は6時半まで練習して、生徒を帰してから職員室に戻ると7時。さあそろそろ仕事を始めよう。まずは提出

          「部活指導は仕事じゃない」って知ってますか?

          いじめのないクラスの作り方④

          担任はたくさん悩むべし そうはいっても問題は起こります。いじめまではいかなくても、対人関係のトラブルは起こって当たり前です。複数の人間が共同生活を送っているのだから何も問題が起こらないなんてことはありません。だから何か問題が起こっても「あぁ、自分はダメだぁ…」なんて思う必要はありません。  ダメだと思う必要はないけど、「どんな関わり方をすればよかっただろう」とか「この状態を改善していくためにはどうしたらいいだろう」と考えることは大切です。むしろピンチはチャンス。問題を乗り越え

          いじめのないクラスの作り方④

          いじめのないクラスの作り方③

          誰にだって居場所が必要 「自己肯定感が大切」ということに異論はないと思います。ところで「自己肯定感」って何でしょうか。「自分はスゴイんだ」って思う気持ちだと考えがちですが、ちょっと違います。それだと他の人のスゴイところを認められなくなっちゃうし、スゴくない人を下に見るようになってしまいます。スゴかろうが、スゴくなかろうが、「ありのままの自分でよい」という意識をもてたとき、人は自己肯定感をもつことができます。  誰かの物差しに合わせて自分を変えるのではなく、子ども自身が本当にあ

          いじめのないクラスの作り方③

          いじめのないクラスの作り方②

          いじめっ子はさびしんぼう いじめっ子は「心が不健康な子」です。だからその表面的な事象だけを見て、恫喝によって言うことを聞かせても内面は変わりません。先生の見ていないところで余計にエスカレートするだけです。その子が本当に欲しているのは「愛されている実感」です。だからそういう子の行動に対して頭ごなしに叱りつけるのではなく、その子の背景を想像し、寄り添うことが大切です。  例えば全然勉強が分からないことがストレスになっている生徒もいます。学校の先生になるような人は、子どものころか

          いじめのないクラスの作り方②