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いじめのないクラスの作り方④

担任はたくさん悩むべし

 そうはいっても問題は起こります。いじめまではいかなくても、対人関係のトラブルは起こって当たり前です。複数の人間が共同生活を送っているのだから何も問題が起こらないなんてことはありません。だから何か問題が起こっても「あぁ、自分はダメだぁ…」なんて思う必要はありません。
 ダメだと思う必要はないけど、「どんな関わり方をすればよかっただろう」とか「この状態を改善していくためにはどうしたらいいだろう」と考えることは大切です。むしろピンチはチャンス。問題を乗り越えて、教師も生徒も成長していくのです。

 そして問題解決の模範解答はありません。だってすべてはケースバイケースだから。何でもかんでもマニュアル化するのは本当に無意味です。マニュアルじゃなくて、目の前の子どもを見て、自分で悩んでどうすればいいのかを考えないといけません。


 とはいえ、それではあまりに冷たいので、どのケースでも当てはまりそうな対応策を。

1 孤立しがちな生徒をサポートしてくれる友達を1人お願いする。人間にとって一番つらいのは独りぼっちになることです。誰か1人でも、自分の存在を認めてくれる人がいると頑張れることが多いです。そして、それは友達じゃないとダメ。先生じゃダメなんですよね。
2 日々のちょっとしたコミュニケーションを継続する担任との信頼関係をつくる。(これは4月からやっておかないと厳しいですね。)


具体的に私がやっていること(基礎編)

①朝の呼名 → 誰も透明人間にしない
②クールな子に仕事を頼む → 実は頼られると嬉しい
③一緒に遊ぶ → 子どもたちは遊んでくれる先生が好き
④生活ノートにコメントを返す → 継続は力なり
⑤本音を言っちゃう → 先生だって人間、建前なんてクソくらえ
⑥子どもから訴えがあったときはすぐに動く → 信頼って大事
⑦ピンチはチャンス → 見て見ぬフリはダメ、子どもは気づいてるよ
⑧一人一人を尊重 → 上から力で押さえつけても心の中は成長しない
⑨でも怒るときには怒る → 他者の尊厳を傷つける行為はダメだよね
⑩勉強する → 子どもたちから尊敬される先生になりましょう


具体的に私がやっていること(個別の対応)

 以下は具体的・個別的な対応なので、そのときの生徒によって変わります。私の経験上の具体例をいくつかあげてみます。

⑪すべての生徒に特別支援教育を→「いい子」を放っておかない。
⑫中心的メンバーを育てつつ、中心的メンバー中心のクラスにはしない。→声の大きい子だけでクラスの雰囲気を作らない。
⑬暴れん坊(クラスが荒れるか荒れないかのキーパーソン)との信頼関係が大事。→この子が担任の言うこときかなくなったらヤバイ。でも、媚びてはいけませんよ。
⑭いじられキャラの生徒が愛されるクラスの雰囲気作り。→いじめに移行させない雰囲気作り。保護者はとても心配しています。
⑮いじめられがちな生徒の居場所と尊厳を守る。→その子自身も周囲を嫌な気持ちにさせ、いじめられがちになってしまう子もいます。でも、だからといって集団で責めたり、排除したりさせてはいけません。もちろん、ダメなことはダメと言います。バランスが難しい。
⑯自閉的でも文字のコミュニケーションがとれる生徒→毎日の生活ノートでコミュニケーション。言葉遣いに細心の注意。
⑰自閉的で、文字でのコミュニケーションもとれない生徒→その生徒の存在を認める雰囲気作り。「いじめられた」ような気がしないように。
⑱普段は普通だが、ちょっと嫌なことがあると「いじめられた」と保護者が乗り込んでくる家庭。→逆を言えば、嫌なことがなければ問題ナシ。つまりクラスの雰囲気をトゲトゲしくしないこと、暴れん坊と担任の関係が良好であれば大丈夫。
⑲保護者が高圧的で、親子関係が最悪な場合→どうにもならない部分もあるが、毎日のちょっとした関りで信頼関係を作る。親とも直接話し、親子関係を改善する。管理職や児相とも協力する。放っておくと最悪のケースも…
⑳リストカッター→おしゃべりでガス抜き。生活ノートでコミュニケーション。色々な先生に関わってもらう。とにかく「気にかけていますよ」というメッセージを送り続ける。でも押しつけがましくならないように気をつける
㉑場面緘黙の生徒…生活ノートでコミュニケーションを取り続ける。反応がなくても呼びかけ続ける。まったく表情がなく、反応もなかったのに、突然悩みを打ち明けてくれたりすることもあります。
㉒別室登校の生徒→1日1度は顔を見に行く。できれば少し笑わせる。そんなに接点がなくても、担任が忘れずに会いに来てくれることは嬉しいのです。

 後半部分は個別的具体的なもので、私が実際にやってきたなかで「うまくいったなぁ」と感じたものです。もちろん似たようなケースでも、生徒によって別の対応が必要になると思いますが、参考になれば嬉しいです。

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