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【日記】3月30日〜4月6日

3月30日
朝、上司からモップをかけながら「志村けんさん、死んじゃったよ」と呟いた。にわかに信じ難い話だった。しかし直後にラジオが訃報を伝えた。ニュースを伝えるアナウンサーは涙声になっていた。
一体どれだけの人がこの方の笑いの虜になったのだろう、と思う。80年代真ん中に産まれた自分は笑いというものを志村けんという才能によって学んだ。自分の礎を作ってくれた方がこういう形で亡くなってしまったことが悲しい。そして悔しい。

3月31日
年度末最終日。
予期せぬ大量入荷に慌てる。
夕方、"このタイミングを逃してなるものか"と散髪へ行く。決断の裏には"明日都市封鎖になったら"とか"もし1週間後に死んだら"という考えがどうしても存在するのが正直なところだ。

twitterで志村けんさんの大ファンだった旦那さんを元気づけようとバカ殿のメイクをして旦那さんの帰宅を迎えたら泣かれてしまった、というツイートを見て涙が出る。が、同時に個人的な思い出が蘇ってしまい、とても悲しい気持ちになる。

自分の人生はコロナによってまもなく終わるかもしれない。もしそうなったら死ぬ時にはその事をふいに思い出すのだろうか。数々の楽しかった記憶より悲しい思い出を振り返りながら息を引き取るのか。もしそうならば自分が生きてきた人生は一体何だったのか。こんなことを書くために始めた日記ではないはずだ。

4月1日
日常に生きる
新年度スタート。
が、返品の整理をするのみ。半袖の商品が入荷しても、今年はまだまだ出せない。

ナンバーガール「Destruction Baby」を聴く。アナログ盤で。ナンバーガールで一番好きな曲は日によって変わる。今は「Teenage Casualties」か。

4月2日
朝、会社の最寄駅に着くと何かの撮影が行われていた。モデルらしき制服を着た10代くらいの女の子がショーウィンドウを鏡にして髪型を直している姿がとても大人びて見えた。知らない人だったが。

「この会社に好きな人がいます」という漫画を読むのが最近の木曜日唯一の楽しみになっている。
はっきり言ってショートケーキにメイプルシロップやチョコレートソースを鬼のようにかけまくったような内容の漫画だけど、所謂"恋愛漫画"はこのくらい甘ったるい方が良い。

マイルス・デイヴィス「オン・ザ・コーナー」のアナログ盤で聴く。それはつまり至福の時間である。

4月3日
日常に生きる
土日に休業する店が多く、入荷したほとんどの商品は出荷せずにそのまま倉庫に留まることになった。これもまた、異常事態である。
金曜日午後のラジオ番組が改編によって女性パーソナリティのキャラクターを以前よりも強く押し出すようになり、更につまらなくなった。品の無い話と下品な笑い方が嫌で聞くのが辛い。

4月4日
今週末も外出せずに家でレコードを聴きながら本を読む日々。
マイルス・デイヴィス「ビッチェズ・ブリュー」のアナログ盤を聴きながら今使っているレコードプレーヤーは古いジャズを聴くのに最適だと気づいた。低音が少し弱いのでその分柔らかい音が鳴るからか。とは言いつつ、それは聴きながら読んでいた小西康陽さんの本からの受け売りでしかないけれど。

4月5日
家から出ない日曜日。
元々ライヴが無い休日は家にいるので、「自粛疲れ」とか「家にいるのが苦痛」といった感情はない。が、常に気を張っているからか体調や精神状況に対してかなり過敏になっているのが分かる。余裕がない。その辺りがそろそろしんどい。
マイルス・デイヴィス「フィルモア・イースト」のアナログ盤を聴く。またしてもマイルス。今から50年前という遥か彼方から聴こえてくる熱い演奏を聴きながら生きるために必要な活力を貰う。

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