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営業はいらない、と言われる時代に営業をマネジメントすることで得られること④〜営業プロセス標準化による効果〜

いま、営業を統括する立場のマネージャーは、様々な変化、プレッシャーで悩みは尽きないでしょう。しかも営業はいらない、とまで言われる時代に…

個人的には、今変革の時期に営業を統括するお仕事は振れ幅の大きい、大変やりがいのある仕事だと思っています。なぜなら、営業は数字という分かりやすいメジャーがあるからです。平時では商材を変えずに数字を大きく伸ばすことや、会社全体を巻き込んだ変革などは難しいでしょう。

でも、今なら。結果を出せれば社内も聞く耳を持つでしょう。社内変革をリードできる存在になるかもしれません。

逆に外部環境を理由にしていると、ある日突然、DXだ!とかコンサル入れたぞ!となって、いいからこの通りやれ!ということにならないとも限りません。


そんなタイミング。
営業の研修講師をしていた関係もあって、様々な相談が増えています。
そうした相談内容と回答をメモしていきます。

これまでにご紹介したケース
✔︎ 一生懸命部下を助けようとするあまり目線が下がってしまったケース
✔︎ 営業プロセスが標準化されていないケースの「まずできること」
✔︎ 営業プロセスの標準化をすべき理由とその方法

今回は、営業プロセスの標準化がもたらす効果、についてご紹介します。


1、営業プロセスの標準化で得られる効果

一つには昨日ご紹介したDXに対応できる、があります。

その他に、マネージャー視点で以下の3つがあります。

☑️ ボトルネックが分かる
☑️ 数字が読める
☑️ 数字の落ち込みが予測できる(事前に手が打てる)

1つ1つ見ていきましょう。


2、ボトルネックが分かる

営業プロセスが標準化されると、ボトルネックが分かる、とはどういうことでしょう?

例えば、プロセスがアポ取り→アプローチ→ヒアリング→提案→契約手続き、と進むとします。

そうすると、(報告してもらうことが前提ですが)各プロセスの遷移率が分かります。アプローチした何%がヒアリングに進むか、というのが分かる、ということですね。

となると、まず、チーム全体で見たときに、極端に悪い遷移率がある前のプロセスに何か工夫の余地があるかもしれない、ということで、強化すべきプロセス、つまりボトルネックとなっているプロセスが分かります。

となれば、他のプロセスは後回しにして、そのプロセスの改善に集中すれば全体の生産性が上がります。

また、個々人に見た場合、チーム全体の平均値と比べて遷移率が低いプロセスがあれば、その育成に集中すれば生産性が上がります。

これまでは、自分自身や、マネージャーの感覚によって強化すべき「弱い」プロセスを選定していたところを、明確に把握できるようになります。

加えて、どの程度まで引き上げれば良いのか、ということも数値でわかりますので、改善を数値で示せるという効果もあります。

これが、ボトルネックが分かる、という効果です。


3、数字が読める

営業プロセスが標準化されると、数字が読める、とはどういうことでしょう?

例えば、先ほどの例と同じように、プロセスが、アポ取り→アプローチ→ヒアリング→提案→契約手続き、と進むとします。

チーム全体でそれぞれのプロセスの段階にある商談がいくつあるかが分かれば、遷移率が分かっていますので、その率をかけることで、どれくらいの数字が上がるかがかなりの確度で読める、という訳です。

もちろん、個々人の遷移率があまりに違うと精度が落ちますが、先ほどのように異常値については育成を通じて是正する力が働きますので、やがては精度が上がってくるはずです。

これが、数字が読める、という効果です。


4、数字の落ち込みが予測できる

営業プロセスが標準化されると、数字の落ち込みが予測できる、とはどういうことでしょう?

例えば、先ほどの例と同じように、プロセスが、アポ取り→アプローチ→ヒアリング→提案→契約手続き、と進むとします。

それぞれのプロセスの間の平均的な日数は5営業日とします。

今、提案プロセスにある商談が10件で、提案から契約手続きへの遷移率が50%とすれば、来週の契約は5件だ、ということが予測できます。

ところが、この時点で慌てても、残念ながらいきなり提案プロセスの商談数は増やせません。

コントロールできるのはアポの数ですから、そこを監視します。今週のアポが少ない、となれば、翌週にはアポ取りの活動を多くさせればまだリカバリーできます。

こうして、数字の落ち込みが予測できることで、早めに手を打つことが可能になります。

これが、数字の落ち込みが予測できる=事前に手が打てる、という効果です。


5、まとめ

いかがでしたでしょうか?

言われてみれば当たり前、なのですが、その当たり前、までたどり着くには、「営業プロセスの標準化」の徹底なのです。

これにより、得られる3つの効果

☑️ ボトルネックが分かる
☑️ 数字が読める
☑️ 数字の落ち込みが予測できる(事前に手が打てる)

を見てきました。

マネージャーとしてはいずれも欲しいものだと思います。

繰り返しになりますが、そのためには営業プロセスの標準化がカギとなります。

逆に言えば、今までのモグラ叩き(個別の問題解決に追われている状態)から、読める営業へ移行したいなら、営業プロセスの標準化がお役に立ちます。



最後までお読みいただきありがとうございました。

本日は、営業プロセスの標準化がもたらす3つの効果についてご紹介しました。

お役に立つところがあれば嬉しいです。


明日は、営業プロセスの標準化定着の方法についてご紹介したいと思います。

よろしくお願いします。

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