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営業はいらない、と言われる時代に営業をマネジメントする〜①自分に正しい質問を〜

感染症であらゆることが加速しています。営業ものその一つ。いま、営業を統括する立場の方は、
☑️非対面対応や購入動機の変化等によるセールス手法の変革
☑️緊急事態宣言解除後に高まる数字のプレッシャー
☑️経営からのDXへの対応検討指示
等で悩みが尽きないでしょう。

営業の研修講師をしていた関係で、社内、社外から上記に関する質問・相談が増えています。個々の件はもちろん個別の話なのですが、共通項もありますし、汎用性が高そうな部分をいくつかに分けてメモしていきます。

まずは、1回目。自分に正しい質問をすれば解決するケースです。


1、よく頂く質問・相談内容

☑️ 非対面での営業のコツは?
☑️ この状況でお客様に刺さるキラートークは?
☑️ DXとか言われているが、そちらではどうしているのか?
☑️ うちは売上が3割減っているが、他社ではどれくらいなのか?

いかがでしょう?

1つ目と2つ目は、テクニック系ですね。
手取早く数字をあげられるものを望んでいます。

3つ目と4つ目は、他社情報収集ですね。
これは、おそらく、経営への言い訳の材料集めだと思います。
(私も経験があります)
「他社もやってませんよ、もう少し様子をみましょう」とか、「他社はもっと悪い中、うちは踏みとどまっていますよ」とか。

ご連絡をいただく方ご自身も、こんなことで局面を大きく好転できるとは思っていないのですが、やらざるを得ない、という感じだと思います。


2、こういう質問が出てくる、ということは…

質問の答え自体は、残念ながら、魔法のトークもありませんし、他社との負け比べで経営を少しの間黙らすことができても、自らの問題は何も解決しません、という、大変冷たいものになるのですが、自称「質問力」マニアなので、こうした質問が来るとその背景を考えてしまいます。

マネージャーの方がこうした質問をしてくる背景には、部下も頑張ってくれて、皆で必死に努力しているのだけれど、なかなか改善しない、非常に辛い状況がある、と推察します。

こうなると、余裕がなくなり、視野が狭く、目線も低くなってしまい、「もっと頑張る」という方法しか思い浮かばなくなる、というのが私の経験上最も可能性の高いパータンです。


3、では、どうすれば?

これはもう、質問を変えるしかありません。

「非対面のセールスには何かコツがあるのではないか?」
「何か良いトークがあるのではないか?」

というのは、着眼点がミクロになりすぎている証拠です。

おそらく、マネージャーの方は、メンバーが苦労しているのをサポートする中で、メンバーから出てくる、うまくいかない理由、

「非対面だと勝手が違うんです」
「今までのトークが役に立たないんです」

というようなものを聞いて、それに対する答えを探そうとしているのです。

でも、それが本当の理由かどうか分かりません。
解決すべきは他のことかもしれません。

ですから、マネージャーとしては、

「なるほど。それはなぜなんだ?」

という質問を自分にすべきです。

おそらく普段ならできているのでしょうが、それができなくなるほど余裕がなくなっている、ということです。


4、質問に質問を返して申し訳ないのですが…

質問を頂くと、私は、

「質問に質問を返して申し訳ないのですが…」

と言って、状況について質問攻めにします。

例えば、

「その非対面の面談は、セールスのプロセスのどの部分なのでしょうか?」
「その非対面の面談は、そのお客様との最初の面談ですか?それとも1度対面であった上での2回目以降の面談ですか?」
「その非対面の面談は、なにをゴールとしていたのでしょうか?」

のようなものです。

すると、多くのマネージャーは答えていくうちに、目線が上がってきて、なにが本当の問題だったか、少なくとも調べてみよう、と思える仮説に思い当たります。

私は質問していただけなのですが、お礼を言われて電話は切れます。


5、まとめ

なんだ、コーチングじゃん、と思われた方も多いと思います。

はい。今回のような質問・相談であれば、セルフコーチング、つまり、もうちょっと高い視点で広い視野で眺めて、自分自身に質問していただくだけで答えが出てくると思います。

一生懸命なマネージャーほど、こうした部下の悩みを解決してあげようと、部下の質問に対して即答えを探してあげよう、としてしまいます。

経験豊富なマネージャーですから、普通の状況下であれば、自らの経験も踏まえて自在に目線を変えることも可能なのですが、今は、自分も経験したことがないことです。どうしても、最前線で戦っている部下が言うことをそのまま受け取ってしまいがちです。

落ち着いて、自分自身に正しい質問をすること。

これだけで多くの気づきが得られるものです。


次回は、目線を上げて質問しただけでは解決しないケースについてメモしたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございます。

お役に立つところがあれば嬉しいです。


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