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貧困家庭育ちの実体験

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振袖を着れない子どもたち〜貧困家庭の成人式〜

振袖を着れない子どもたち〜貧困家庭の成人式〜

ーちょうど5年前の今頃、私は成人の日を迎えた。殺風景な田舎道に不釣り合いな色とりどりの花模様が浮かぶ。
お世辞抜きに、艶やかで、笑顔が光って見える幼なじみたち。
「わぁ、似合ってる!めっちゃ綺麗だね」
そんな言葉をかけると、友達は「ありがとう」と微笑んだ。
一緒に会場に入ると、受付のスタッフに迎えられる。
そのスタッフの姿を見た時、私の心は動揺した。
リクルートスーツ姿の女性スタッフと、私の服装が

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21時今日泊まる家がない、の最適解は?

21時今日泊まる家がない、の最適解は?

夜、0時を過ぎた頃。
乱暴に部屋のドアを叩く音がする。
気のせいかと思いつつ、PCと向き合い仕事をする。
しかし、やはり気になり不意にドアを開けてみる。
するとそこにはものすごい形相をした中年女性が立っている。

「うるせぇんだよこらぁぁぁぁぁ」

すごい剣幕でそう怒鳴る相手に、私は言葉を失って立ち尽くした。
あまりの衝撃で心臓が突っ張るのがわかる。脈打つ音さえ聞こえる。

「下の方ですか?」

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「貧困家庭×中学3年間不登校」でも、地域で一番の進学校に受かった私の「居場所」

「貧困家庭×中学3年間不登校」でも、地域で一番の進学校に受かった私の「居場所」

私にはいつも、居場所がなかった。

私は、中国地方の出身で、超ど田舎の超貧困家庭で育った。

幼い頃から、家では障害を抱えた父の暴力が止まず、家には本やゲームも、エアコンもなかった。

家には、学習できるどころか、安心できる居場所がなかった。

父の怒鳴り声を聞きたくなくて、いつもどうしたら家にいる時間を減らせるか考えあぐねていた。

山奥で育った私は、中学1年のとき、事情があって、引っ越しはせず

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そうするしかなかった、私の人生。普通を手に入れるためにはお金が必要。

たかだか21年しか生きていないのにも関わらず人生というのはおこがましい気もしますが、このたった21年間の人生、私には選択肢などなく、「こうするしかなかった」という気持ちで生きてきたなと思います。それを考え始めたのは就職活動を始めてからでした。

就職活動では過去の自分のことであったり、今まで挑戦してきたこと、苦労してきたこと、挫折したこと。様々な私自身のことを聞かれます。でも、ないんですよ。挑戦し

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自己責任論の否定は、努力の価値の否定ではない-私が"普通"と違った50のこと、あとがき-

自己責任論の否定は、努力の価値の否定ではない-私が"普通"と違った50のこと、あとがき-

あとがき

前回出した「私が"普通"と違った50のこと〜貧困とは選択肢が持てないということ〜」

本当にたくさんの方がコメントをくださり、尊敬してる方々もリツイなどしてくださって、本当に嬉しかったです。

本当に熱い感想をたくさんいただき、なんとも言えない感動を覚えました。サポートも18件いただき、驚きでいっぱいです。

3日間ほど無我夢中で書いたのですが、その後もいろんな思いが溢れたので、あとが

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