そうするしかなかった、私の人生。普通を手に入れるためにはお金が必要。

たかだか21年しか生きていないのにも関わらず人生というのはおこがましい気もしますが、このたった21年間の人生、私には選択肢などなく、「こうするしかなかった」という気持ちで生きてきたなと思います。それを考え始めたのは就職活動を始めてからでした。

就職活動では過去の自分のことであったり、今まで挑戦してきたこと、苦労してきたこと、挫折したこと。様々な私自身のことを聞かれます。でも、ないんですよ。挑戦したこと。お金がない人間に、挑戦する権利なんてない。挑戦してこなかったから、挑戦させてもらえる環境じゃなかったから、企業が求めるような挫折経験や苦労した経験を語れない。しいて言うなら私は周りの子とは違うと思ったことや、常に「こうするしかない」を選ばないといけないということでしょうか。しかし、こんな答えを企業は求めていません。

このヒオカさんのnoteはもう共感の嵐でした。(語彙力)

貧困は自己責任という人たちは、本当の「貧困」を知らない。

幼少期は私も七五三をやってもらえなかったし、習い事もさせてもらえませんでした。保育園のお洋服も3パターンくらいしかなかったなあ(笑)周りのお友達はピアノやバレエをさせてもらっていて、すごくうらやましかった。はやりのゲームは買ってもらえなかったから、必死に会話を合わせていましたね。病気になればめちゃくちゃ叱られたっけ。この年に体調管理を説く親もどうかと思うけれど。

中高生にもなると自分の置かれた現状が周りの子と違うことや、人一倍努力しないと普通にはなれないことに気づきます。お金がかかるから部活をさせてもらえなかったし、交通費がかかるから家から一番近いヤンキー高校に通うしかありませんでした。だから面接で中高の部活のことを尋ねられると困ってしまいます。もちろん塾にも通わせてもらえなかったなあ。塾に通わせてもらってるのに「塾だるい」なんて言ってさぼってる人が腹立たしくて、負けたくなくて、毎日10時間以上勉強していました。その結果、学年でもトップクラスの成績をとることができるようになって。私の家庭環境を知っている先生たちは、教員に配られるサンプル用の問題集を私に渡して、わからないところがあれば聞くように言ってくれました。模試はお金がなくて受けられなかったからありがたかった。それが救いだった部分でもあります。このあたりから教員を目指し始めたんだっけ。

一番惨めな思いをしたのは修学旅行。中学は近場だったこともあってなんとか行けたんですが、別途お金を払ってものづくり体験や乗り物に乗ることができるコースがあり、みんなはほとんどそのコースを申請していました。ただみんなと同じように修学旅行に行くことで精いっぱいだった私は、楽しそうに乗り物に乗ったりものを作るみんなを眺めることしかできなくて、つらかったなあ。卒業の遠足も諦めたっけ。

高校の修学旅行は、大学進学のためにあきらめました。高校は単位制ということもあって、みんなが修学旅行中も学校に行って課題をしたり、校内の掃除をしなければなりませんでした。後輩たちに「なんでいんの?」という視線を向けられるのが恥ずかしくて恥ずかしくて、後輩たちの視線にさらされながらトイレ掃除をしたあの日は本当に惨めだった。自分の子どもにはこんな思いさせないようにしようと心に誓ったものです。

金はないが成績は申し分なかったので、大学には入学することができました。周りの子のようにとりあえず私文、なんて許されなかったから国立。セキュリティのへったくれもない築ウン十年の共同木造ボロアパートに住み、虫と雨漏りにおびえる毎日。家具のほとんどが前の人が置いて行ったものを使わせていただいています。テレビは当然ないので、時事問題を聞かれると困ってしまいます。だってニュース見られないんだもの。

白い壁のアパートに住んで、ふかふかのベッドにフローリングには可愛いラグを敷いて、クリスマスツリーにつけるようなライト灯すようなおしゃれな家に住んでみたい。現実は土壁畳こたつ敷布団だけど。

成人式は出なかったけれど、本当はでたかった。親に成人式どうする?と聞かれ、返事をする前に「振袖ってこんなにかかるんだ」と言われた瞬間、出ることをあきらめました。聞くまでもないでしょ、って。成人式の写真はみんな振袖で、無理して出るといってひとりだけスーツだったら、と考えると、出るのを諦めてよかったと思う。


色んなご縁があり、夜の店で働くようになってからは一気に生活が華やぎました。お金がないからあきらめることをしなくていい生活は本当にノンストレスで過ごすことができます。やっと普通になれた、と思いました。それは小さいところにも影響します。例えばシャンプー。一番安いものを買わなくてはいけない生活から、いい匂いのするもの、髪の毛をきれいにしてくれるものなど選択肢が増えます。化粧品だって肌に優しいものが買える。好きな色が入ったアイシャドウが買える。リップクリームだって安いものを選ばなくていい。

安物買いの銭失いを防ぐこともできます。オンライン授業に移行するにあたり、自分でパソコンも買いました。親からは安いものを勧められていたけれど、自分で15万ほどのパソコンを買いました。軽いし画面もきれいだし、サクサク動いて快適です。


お金があるって、選べるって素晴らしいな、と思います。就活のために東京に行くことも、お金がないとできないこと。お金がなければ東京で働いて、高い給料を得ることもできなかっただろうと考えると、お金の大切さを身に染みて感じます。

選べるということは、選択肢は、当たり前にあるものではないんです。お金があって初めて与えられる選択肢。それを得るために、私たち貧困層は血のにじむ努力をしないといけない。

大学進学をして、周りの人との差をひしひしと感じます。貧困は、選択肢がないこと。持つ者と持たざる者の差を感じながら一生生きていかなければならないと考えると、つらいです。私は、自分の子どもが普通の人生を歩んでいけるよう、貧困の連鎖を止めるためにも、これからも努力していこうと考えています。

#ワープア #貧困