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連載小説・海のなか

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とある夏の日、少女は海の底にて美しい少年と出会う。愛と執着の境目を描く群像劇。
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#文化祭

小説・「海のなか」(21)

小説・「海のなか」(21)

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 座っているのにそれより深く、落ちて行くような感覚だった。わたしを支えるものが消えてしまった。
 図書室はいつも静かだ。わたしの知る人は、誰も来ない。だからここにいる。いつだってそうだった。わたしの中では人恋しさと孤独への欲求が並び立っている。誰にも必要とされていないから。窓から見下ろすと、遥か下に空虚な校庭が広がっている。その空白さえもが胸をざわつかせた。顔を上げると、微かに海の端

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小説・「海のなか」まとめ(3)

小説・「海のなか」まとめ(3)

どうも。クロミミです。
さてこのまとめ記事もとうとう三回目。
先日19回目の更新をいたしました連載小説「海のなか」。

てか、更新のたびに文字数の違いエグくてごめんなさい。特に多くなってしまった時は、気がついたら6000字近かった。だって話の区切りがなかったんだもんよ。出来るだけ1500から2000をひとつの回として更新したいものよと思っておる次第。
 
キャラクター解説については前回のまとめ2で

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小説・海のなか(18)

小説・海のなか(18)

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 教室を出るとともに、また俺は囚われてしまった。
 あの問題。未来という問題。
 考えたくないと思えば思うほど逃れられなくなる。泥濘に足を取られ、はまり込んでゆく。もう誰のせいにもできない。逃げていた俺が悪い。空っぽな俺が。別に逃げ続けられるとたかを括っていたわけじゃない。
何も考えていなかった。ただ、それだけ。
 これからどうするのか。どうすべきか。どうなるのか。
 もし問いかけたな

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小説・海のなか(17)

小説・海のなか(17)

※※※

 こういうことは苦手だ。俺は再確認する様に噛み締めた。我ながら、とことん裏方気質というか。こういうことはきっと佐々木なんかに向いているに違いない。けれど、悔いてももう遅い。断りきれなかった俺が悪い。クラスメイトに少し抜けると伝えたら、この看板を押し付けられてしまった。
「ホットドッグ〜、ホットドッグはいかがですか〜2年B組のホットドッグ。中央広場にてやってまーす」
 お決まりの台詞を口

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小説・『海のなか』(16)

小説・『海のなか』(16)

※※※


「だめ、サヤ。まだ目は伏せてて!マスカラ失敗する」
 愛花がピシャリと言った。我ながら私も往生際が悪い。ここに座ってからもう、15分は経っている。愛花はなおも腰をかがめてマスカラを塗り重ねていた。メガネをとったせいで、全てが霞かかって見える。
 ああ。らしくないことをしている。
 まだ、わたしの身体の内では不安に心臓が暴れていた。
「ねえ、もう良くない?ほら、この後シフト入ってるしさ

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