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消雲堂綺談

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私は怪談奇談が好きで、身近な怪異を稚拙な文章にまとめております。
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2021年2月の記事一覧

東京万景 総理公邸の幽霊

東京万景 総理公邸の幽霊

週刊文春を買ってきました。今は週刊誌400円の時代。高いですね、週刊誌なんてよほどのことがなければ買う気にならないのですが、読みたいというか見たい記事があったからです。

その記事は「菅首相長男「違法接待」本誌が掴んで書かなかった全情報“新音声を入手”」です。菅さんの長髪喫煙アゴマスク写真が見たかったのです。SNSには出回っていますが、どうもSNSは信用ができないのです。誤った情報を引用すれば恥ず

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神仏を信ぜずとも祀るものあり

神仏を信ぜずとも祀るものあり

そもそも、ひねくれ者すね者の僕は、罰当たりな人間ですから、神や仏は信じません。それでも神社仏閣の雰囲気が好きで、神社や寺があると必ず手を合わせて参拝しちゃうのです。

神や仏を信じないくせに家には小型の仏壇と簡易神棚があります。寺社を一緒に祀ってはならぬなどと言われますが、そもそも神も仏も信じていないから、そんなことはどうでも良いのです。すべて自分流儀でよろしいのです。

僕は、「やむにやまれぬ理

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因果

因果

人の不運を笑い話にしているわけではありません。誤解なきよう。

①青木繁の場合

天才画家・青木繁さんの子息が福田蘭童さんで、その息子が石橋エータローさんなんですよ。才能は何らかの形で受け継がれるのがわかりますね。

②辻潤の場合

才能だけが受け継がれるのはいいのですが、運まで受け継ぐのはイヤですよね。翻訳家の辻潤を捨てて無政府主義者・大杉栄のもとに走った伊東野枝さん…。おっと野枝さんの話じゃな

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「ばけ物に骨を抜かれし人の事」諸国百物語(江戸怪談集 下 高田衛 編 岩波文庫)より

「ばけ物に骨を抜かれし人の事」諸国百物語(江戸怪談集 下 高田衛 編 岩波文庫)より

京都七条河原にある墓地に化け物が出るという言い伝えがあった。いつの世でも若者たちは傍若無人で分別もないものだが、ここでも化け物の祟りを恐れることなく金を賭けて肝試しをやることになった。要は、夜中にその墓地に杭を打ち目印となる紙を付けて来るというだけのことだったのだが…。

若者のひとりが早速それを実行した。杭を打ち紙を付けてから帰ろうとしたところへ、どこからともなくひとりの老人が現れた。老人の年は

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「会津須波の宮、首番という化け物の事」諸国百物語(江戸怪談集 下 高田衛 編 岩波文庫)より

「会津須波の宮、首番という化け物の事」諸国百物語(江戸怪談集 下 高田衛 編 岩波文庫)より

会津の須波神社(会津若松旧城下にあった諏訪神社のこと?)に首番(しゅばん 朱の盆と同じ)という恐ろしい化け物が出るという…。

ある夕暮れに25~26歳の侍ひとりが須波神社の前にさしかかった。「神社には化け物が出る」という噂があり不安になったが、そこに同じ年頃の若い侍がひとりやって来たので良い連れができたと一緒に歩きながら話しかけた。

「ここには首番という化け物が出ると聞いたがお主は知っているか

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土方と亀姫 拾壱

土方と亀姫 拾壱

深夜…板垣退助と伊地知正治が率いる東征軍が母成峠を制圧した後、翌日の猪苗代攻撃のために母成峠の防塁から沼尻にかけて兵を休めて駐屯しているところに、森林をかき分けて偵察に来た新撰組の島田魁は、磐梯山と吾妻山の2方向から大きな炎がもの凄い速さで筋状に進んで来るのを目撃した。よく見ると炎は、三丈(約9m)ほどもある燃える車輪だった。正体は妖怪「火車」だった。
「業火だ…」島田が呟いたように、火車の炎は、

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土方と亀姫 拾

土方と亀姫 拾

「私たちを助けるとはどういうことですか」照姫が大多喜丸に言った。
竹子は照姫がさざえ堂の突き出し屋根に向って独り言を言っているように思えた。
「照姫、にしゃは会津のさだめを知らぬであろう」オンボノヤスが言った。
「会津のさだめ…」
「もう終いじゃ」
「薩長は峠を越えて猪苗代に入ろうとしておる。それをわがらが猪苗代でとめてやろうと言うておるのじゃ」大多喜丸が笑った。
「照姫様、会津のさだめとは何でご

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土方と亀姫 玖

土方と亀姫 玖

「坂本だけではない。西郷も悪魔に魂を売ったゆえ、月照と海中に身を投げた際に助かったのじゃ」
「西郷も…悪魔に魂を売った奴は他にもおるのですか」
「おる。それが誰かはわからぬが、この先、そなたがこの戦いで生き残ってみれば、それが誰かはわかるであろう」
「人は死ぬのが怖い。怖いゆえに魂を売って悪魔の僕になろうとも生き残りたいものじゃ」
「魂がなくなるということは死ぬということではないのですか」
「表向

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新京成線・鎌ヶ谷大仏駅前「嵐」の牛すじフライ麺

新京成線・鎌ヶ谷大仏駅前「嵐」の牛すじフライ麺

2013年に選挙の手伝いをしていた時のことだ。候補者の事務所から自転車に乗って走っていると、新京成線・鎌ヶ谷大仏駅前の「嵐」という中華料理屋の前にランチメニューが出ていて、”牛すじフライ麺”という料理名に目が止まり、ついでに自転車も止めちゃった。

なんじゃこりゃ? “牛すじ肉をフライにしてラーメンか何かの上に乗せてある?” なんて考えたら、その料理の姿が頭に浮かんじゃって、ものすごく食べたくなっ

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土方と亀姫 捌

土方と亀姫 捌

「あやつが長崎の海軍伝習所に入門した際(安政2年)に悪魔に魂を売ったと姉から聞いた」
「まことでございますか」
「まことじゃ。あやつは安政以降に起きた事変の大半に関わっておる。桜田門の外で彦根の井伊が水戸や薩摩の者に斬られた(安政7年)のもあやつが裏で糸を引いていたのじゃ。そのときあやつは知らぬ顔をして咸臨丸でメリケンに渡っておる。他にもいろいろあやつによって起きた事変は数えきれぬほどじゃ」
「海

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土方と亀姫 柒

土方と亀姫 柒

朱の盆もまた亀姫と同じく、猪苗代氏から藩祖の保科正之を経て、今の藩主である松平容保まで代々仕えてきた妖怪なのだった。

保科正之とは二代将軍徳川秀忠の庶子(御落胤)である。正之の母・静は、秀忠の乳母に仕えたが、その際に秀忠に見そめられて関係を結び、慶長16年(1611)に正之を産んだ。将軍職を継げる庶子ゆえに命を狙われる可能性が高いため、秘匿されて江戸城北の丸に邸を与えられていた武田信玄の娘・見性

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土方と亀姫 陸

土方と亀姫 陸

*プロットもなしに感覚だけでテキトーに書いているので辻褄が合わないこともあると思われます。真面目に読むのはおやめ下さい(笑)。

「朱の盆…」

「んだっぺ」

「変な名前の化け物だな」斉藤が笑った。

すると、朱の盆が斉藤を睨んだように見えた。朱の盆の目は大山椒魚の目のように小さいからわからない。ただ彼の紅い身体は怒りに満ちて、さらに朱の色を増した。

「食ってやる」朱の盆は畳を這うように亀姫の

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土方と亀姫 伍

土方と亀姫 伍

照はさざえ堂の中に異様な雰囲気を感じた。

「どうかなさいましたか」竹子が照の様子に気がついた。

「物の怪がおりますね」照は表情を変えずにこたえた。竹子は一瞬驚いたが、先ほどの話から続いて照が冗談を言っているのだと思った。

「照姫様、お戯れを…」

「誠でございます。竹子さんには見えませぬか」照はさざえ堂の入り口の突き出した屋根の上を指さした。そこには照が言うように大きな尾のある腹の2匹の大き

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土方と亀姫 肆

土方と亀姫 肆

照は目の前の異様な建物に驚いていた。同行していた中野竹子が「姫、これがさざえ堂でございます」と言うと「ほぉ、これが…。気味の悪い格好をしていますね」と不気味な建物の屋根を見上げた。

さざえ堂は、寛政8年(1796)に飯盛山に建立された、高さ16.5m、六角形三層構造の建造物である。正式には「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」と言う。当時の飯盛山には正宗寺という寺があり、その住職であった僧郁堂(

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