『明け方の若者たち』北村拓海主演で映画化決定!20代の若者を描いた青春小説、決定版。
2020年6月の発売にも関わらず、最近また本屋さんで平積みされてるなーって思ったら、どうやら2022年に北村拓海くん主演で映画化するらしい。
今日の一冊は、カツセマサヒコさんの『明け方の若者たち』です。
人生のすべてだった恋愛、一度は離れても続いていく友情、やりがいを見つけられないまま、惰性で続けている仕事。「人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚」というキャッチコピーの通り、自分の20代を振り返りながら読んでしまう作品。
なんだろな、小説版『若者のすべて』って感じ。漂う雰囲気がね。フジファブリックの名曲。懐かしいから載せちゃお。これ聴きながら読も。
この記事は、音楽多めでお送りします。
散りばめられるアラサーホイホイ
『明け方の若者たち』、10代~20代はもちろん、アラサーにもぜひ読んでほしい。とにかくね、固有名詞が多いんですよ。アラサーに響くやつ。
主人公が2013年卒の大学生、現実世界だとアラサーと同年代ということで、世代ドンピシャなワードがたくさん出てくるの。私もアラサーなのですが、「くゎー!懐かしい!」ってなりました。
ボサノヴァ風の J-POP が流れる、ヴィレッジヴァンガード。Facebook に届く、昔の同級生からのメッセージ。カラオケで親友が歌う、the pillows の『ハイブリッドレインボウ』。
あと、世代関係ないけど、江ノ島デートで食べたしらす丼とか、フジロックに人生かけてる後輩とか、陽キャ大学生の思い出でありがちな要素が、これでもかとちりばめられてる。主人公は、彼女とずっとセックスしてるし。
狙いすぎと言われればそうなのですが、若者を題材にした作品としては、これくらいクドくてちょうど良いんじゃないか。なんか、個人的には大学時代の色んな初体験を思い出して、ドキドキしたよ。
20代の葛藤を「これでもか!」とベタに描いた作品
そういえば、あらすじを紹介していなかったけど、小説全体を流れる雰囲気が『若者のすべて』で、内容は BUMP OF CHICKEN の『ロストマン』です。
「何者かになりたい」ともがいた10代を越えて、大学を卒業して。何となく内定をもらった会社で働いてるうちに、「何者にもなれていない」と焦って苦しくなる20代。
イチローでも本田圭佑でもないくせに変な野望を持ってしまった僕らは、こんなハズじゃなかった人生に振り回され、ようやく諦めたときには、周りからせいせいした表情で「大人になった」と言われて生きていくのだろう。
良い意味で、ベタベタのベタな20代の葛藤を描いた作品。
深く考えず、雰囲気に飲まれて自分の青春時代の余韻に浸りたいときにおすすめです。まずは読んでみて、合うかどうか考えましょ。
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