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『4 Unique Girls』成熟した大人を目指すあなたに送る、山田詠美のエッセイ集

あなたは普段、どんなときにエッセイを読みますか?

小説に比べて「著者の内面をもっと知りたい!」や、「テーマに興味がある!」といったときが多いかもしれません。

今日ご紹介する『4 Unique Girls』は、作家である山田詠美さんが、成熟した女性を目指す人たちに贈るエッセイ集。大人のたしなみとして、自分の言葉で思いを伝える。そんな心がけを持たせてくれる1冊です。


雑誌『GINGER』で連載中のコラムをまとめた1冊


GINGERは、「自分を主役にした人生を」というメッセージのもと、自己プロデュースの「スキル」や「情報」を発信しているファッション誌。

『4 Unique Girls』は、この中で連載されているエッセイをまとめた1冊で、こちらでご紹介しているものは、その2冊目です。

「特別なあなたへの招待状」という副題がついた今回。

身近にいた「ちょっと、どうなのよー!」と思ってしまう人に触れつつ、「自分も偉そうなことは言えないけどね!」と軽やかに語られる内容は、親しみやすさがあり、気軽に読めるはず。

大人になるって、自分の言葉を持つこと!


内容は、「恋愛・結婚・キャリア」について語られたものが多い印象。大人として扱われる年代の女性は、身近に感じやすいテーマが多いです。

エッセイって、読んでいるときは「そうそう!」と、強く共感するものの、サラっと読んで、1か月後には、内容を忘れがち(わたしだけ?)。

著者の山田さんは、あとがきでこのように語っています。

各話の最後の最後に、書いていない一行があるのです。
「で、あなたは、どう思う?」
という一言。目には見えない。けれども、確実にそこにある問いかけ。どうか、それをキャッチして、答えを見つけるために、しばし立ち止まって欲しいのです。

そうよね!読書って、ゾーンに入ると、立ち止まらずドンドン行ってしまうじゃないですか。でも、本に込められた著者の思いをかみ砕いて、自分のものにするには、今度は自分の心を読んであげる必要があるよね。

大事なのは、
「あなた自身の言葉で」
という部分です。私は、大人というのは、年齢に関係なく、自分の言葉を持つ人を言うのだと思っています。そして、成熟して行くというのは、その言葉を一番良い形で伝える技術を学ぶ過程であると。

ずっと胸に刻んでおきたいな、と思った一節。

以前ご紹介した、97歳まで芸人として生きた内海桂子さんの『人生は七転び八起き』でも、似たようなことが書かれていました。

自分の言葉で伝えるって、意識していないとできないもの。気を抜くと、どこかで見聞きしたことを咀嚼せずに話してしまったりする。成熟して行く楽しみを考えさせてくれる1冊でした。

大人のたしなみとして、こちらの1冊、読んでみてはいかがでしょうか。


■他にも、おすすめ本をご用意しています。
『血も涙もある』――山田詠美さんが不倫に切り込んだ小説最新作
『20代で得た知見』――Twitterで話題の匿名作家Fさんの大人気エッセイ
『これでもいいのだ』――わたしの人生、これでもいいのだ!と明るくなれるジェーン・スーさんのエッセイ


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