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#母娘
続々 母と娘の密時間2
長い一日だった。
蝉も寝静まっている夜、ふいに電話が鳴り響いた。まさか、と出ると
「ワタシや。あんなぁ...手術の日いつになった?」。入院中の竹子だった。
「まだよ。主治医の先生は転院先を探してる、ゆうてたけど」
「そうか、もうあかんのかもしれんな。朝早うからごめんなぁ」コトリと切れた。自力で歩ける状態ではない母、病室が静かな時間帯にかけてきたのだろう。時計を見ると4時過ぎだった。
9時5
続々 母と娘の密時間.
梅雨明けはまだだが、暑い日が続いている。
「今日のごはん、あぁおいしかったわ」。
昼食の瞬間、母は幸せそうに笑っていた。素麺は竹子の好物、とくに新生姜と貝割菜と紫蘇とミョウガを刻んだ薬味が気に入ったようだ。
四時間後。生まれて二度目の救急車に乗りこんた。
あわてて電話をかけようとするウチが「110番よね」と大きな独り言をいうと、
「ちゃうちゃう、救急車は119番やろ」とツッ
続・母と娘の密時間1
コロナの緊急事態宣言のド真ん中。脊椎圧迫骨折し寝たきりとなった母。中学の夏休みのようにに毎日母と過ごすうち、気づいたこと、心がゆれたこと。
第二波がやってきた。
母は杖を使い自力歩行ができ、深夜もゆるゆるトイレまで歩けるようになった。その翌朝、いつもの通り訪れると、次部屋の引出が落ちておりオムツが散乱していた。竹子は布団をかぶって顔を隠している、泣いたあとを見れたくなかったのだ。排尿時パッド予備