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輪廻の風 第1章

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2021年8月の記事一覧

輪廻の風 (55)

バレラルクと旧ドアルの戦いが終わり、長い長い夜が明けた。

王宮とパニス町のほぼ中間に位置する場所に、軍が保有している収容所がある。
その収容所には、毒ガス室と呼ばれている広い部屋がある。

その部屋の天井には巨大な水栓シャワーのような形をした器具が備え付けられており、そのから毒ガスが霧状に散布される仕組みとなっている。

その部屋も毒ガス兵器も、複数の罪人を一気にまとめて処刑する時にのみ使われる

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輪廻の風 (54)

「ちょっと!何よこれ!?」
突如凍った森林地帯を見て、モエーネが悲鳴にも似た叫び声を上げた。

「何が起きたんだ…?」
ノヴァも困惑している様子だ。
いつも無表情のラベスタも、両目を見開いて驚いていた。
ジェシカとラーミアは驚きのあまり言葉を失っている。

「モスキーノの野郎、派手にやりやがったな…!」凍った森林のせいで気温が急激に下がった筈なのに、ロゼは冷や汗をかきながら苦笑いをしていた。

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輪廻の風 (53)

パラシュートを使ってインドラを脱出した旧ドアル軍の戦闘員たちは、バレラルクの兵士たちによって続々と拘束されていった。

ロゼ達はインドラが落ちた現場へと急いで向かっていた。
すると上空からラーミア、ダルマイン、ノヴァ、ラベスタがパラシュートで降りてくるのを確認した。

「あれ!?お前ら何してんだ!?」
ロゼは驚いて大きな声を上げた。

「ラーミア!無事でよかった!」
モエーネがラーミアに抱きついた

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輪廻の風 (52)

「うわああぁぁ!!」
「やべえ落ちるぞ!」「逃げろぉ!!」

炎上し、蛇行しながら緩やかに降下していくインドラから、旧ドアル軍の兵士たちが次々と脱出していた。

あらかじめ身につけていた緊急用のパラシュートを使い、大騒ぎをしながら続々とインドラから飛び降りていく。

「おい!何があった!?え、落ちてんのかこれ!??オレ様を解放しろ!!」ダルマインは為す術もなく、独房で1人パニックになりながら喚いて

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輪廻の風 (51)

ラベスタは燃料室のタンクや配線をジーッと見ている。

「ラベスタ、何してるんだ?」

「このUFOみたいな乗り物うざいからぶっ壊そうと思ってこっそり乗り込んだ。そしたらいきなり離陸したからびっくりしたよ。」
得意のポーカーフェイスでそう言ったラベスタは、全く驚いているようには見えなかった。

「えいっ」ラベスタはそう言って、真顔で配線を斬り始めた。
すると一瞬、機体が激しく揺れた。

「おいラベス

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輪廻の風 (50)

「国王様!大変です!」
サイゾーは血相を変えて玉座の間に飛び込んだ。

「騒々しいな。何があった?」

「エンディとロゼ王子が、インドラに向かって攻撃を仕掛けようと動き始めました。」

「なんだと??」レガーロは眉間にシワを寄せて言った。

「わあっ。ポナパルトとバレンティノが暴れてるー!」モスキーノが外の様子を見ながら、楽しそうに言った。

「どいつもこいつも勝手な真似を…。」
レガーロはひどく

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輪廻の風 (49)

「あわわわわわ…。」
アルファは絶句している。
ようやくロゼの居城の掃除を終わらせて、みんなに混ざろうと思い屋上庭園に来てみたら、みんな爆睡しているからだ。
そして、ラーミアがどこにもいないことに気が付き、気が動転している様子だった。

「た、た、大変だぁ〜〜!!」
只事ではないと察し、勢いよく外へ飛び出した。

すると、カインがムクリと起き上がった。

「なるほど、睡眠薬か。サンドイッチを一口も

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