kenichi_Shoji

宇宙がそんなに好きでもないのに、趣味で宇宙開発する団体を創ることになってしまった人。 …

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宇宙がそんなに好きでもないのに、趣味で宇宙開発する団体を創ることになってしまった人。 ときどき小説を書いたり、Blogみたいなのを書いたりします。

マガジン

  • リーマンサット創設手記(仮)

    宇宙好きではないぼくが、どうしてだか趣味で宇宙開発をする団体リーマンサットプロジェクトの創設・運営に関わってしまった日々の思いをつづったもの。

最近の記事

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はじめに

「宇宙が好きなんですか?」 数年前からそう聞かれることがある。 宇宙に興味がないことはない。行けるなら行ってみたいし、地球を含めた星々をまぢかで見られるなら見てみたい。宇宙の果ての先はどうなっているのか、ブラックホールの奥はどうなっているのか、そもそも宇宙はなぜ、どうやってできたのか、それを知ることができれば素晴らしいと思う。星空を見上げるのは好きだし、宇宙空間で戦うロボットアニメも、宇宙を舞台にした映画も観る。 ただ、ぼくは今、地球という惑星に住んでいて、人間社内の中

    • 山を見る

      ぼくが今住んでいる町には「山見」という習慣があるらしい。 (正確に言うと「あった」。残念ながら今は廃れてしまったそうだけど) この町は山あいにある。 町のすぐ裏手にはそれほど高くはないけれど、たくさんの山がある。 旧暦の2月末、今の暦だと4月の半ばから下旬あたり。 その頃になると「山見」というのをするらしい。 「花見」ではなく、「山見」。 4月というと全国的には春で花が咲いているころだけれど、この東北の町で花が咲くのはもう数週間後だ。 山に登っても花は咲いていないし、まだ

      • 豊岡のひとびと

        ぼくが移住した岩手町には、豊岡集落という戦後開拓地がある。 樺太からの引き揚げ組が入居開拓した場所だ。 戦後荒廃した日本国内で彼らが生き抜いていくために用意された場所。 この地区の方々に話を聞くと、「ここの人は団結力が強い」とそろって口にする。 生まれ育った樺太から出て、財産も頼れる人もいない岩手の山肌で文字通り必死で生き抜いて「故郷を創った」のだと思う。 ただその「新しい故郷」は将来子々孫々が繁栄していくには十分とは言えず、入居から次の世代は町の外に出ていかざるを得なかった

        • ヒト対AI

          すごく興味深い内容だった! 1つ目、将棋ソフトもその手のマニアやオタクたちが集まって、営利ではなく「興味や好奇心」でもってこねくりまわした事象が、プロや名人たちを凌ぐとんでもないモノを生み出す「グループジーニアス」で生まれたこと。 2つ目、人間対AIの正に実例。人対人では、「人間である」ことに通底した社会性や心理面などの共通性があって突き詰めると「王道」「常套手段」が出てくるけれど、コンピューター計算は社会性とかないから、とにかく理論のみで「人間である」ことに通底したもの

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        はじめに

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        • リーマンサット創設手記(仮)
          28本

        記事

          恋愛小説

          恋愛小説が好きではない。 なんでかと言うと、自分ともう一人ですべてをまるっと収めることがゴールであることが多いからだ。 人にはいろいろな面がある。 優しいとき、悲しいとき、どうしようもなく腹立たしいとき。 ゆっくりしたいとき、何かを追いたいとき、新しいことを知りたいと思うとき、いろいろ。 それに人の心は常に移り変わる。 同じ場面に遭遇したとしても、その時その人が置かれている状況、疲れていたり、悲しいことがあったときと、毎日幸せなときや直前に嬉しいことがあったときでは、人の

          26. 新体制と法人化

          【リーマンサット創設手記(仮)No.26】 2016年1月。 もろもろの問題を抱えつつ、リーマンサットの2016年が始まった。 目下の課題は、どのようにプロジェクトを推進していくか、だ。 これまでは立ち上げメンバー5人を中心にしてプロジェクトを進めいていたが、そのうち2人が諸事情から戦線を離脱することが決まっている。 しかしながら、JAX○の革新的衛星技術実証プログラム(無償で衛星を打ち上げてくれる)にエントリーすることになり、それにともなって人工衛星の開発を確実に進める

          26. 新体制と法人化

          発展と安寧

          ぼくの中で「発展する」というのは結構重要な事項だ。 これまでできなかったことができるようになる、とか。なかなか越えられなかったハードルを越えることができた、とか。何か新しいものを生み出した、とか。 達成する、とは少し違って、達成するまでのプロセスを含めた、そう「発展」することが、大事だ。 例えば、山に登るのに、ロープウェイがあるけれどあえて自分自身の足で登る、みたいな。そうすると、登っている途中で心和む風景に出会えたりとか、頂上に着いたときの達成感とか、それから運動する

          発展と安寧

          べきべきの呪縛

          今日、こんな言葉を聞いた。 「現代人は○○する『べき』に縛られている」、と。 考えてみるとそれには枚挙にいとまがない。 社会人とはこうある「べき」、就業中の態度はこうある「べき」、サラリーマンはこうある「べき」。 仕事に対する考え方が少しずつ変わってきているとはいえ、そうなると 会社に頼らず自分のやりたい仕事をやる「べき」、とか、好きなことを仕事にする「べき」とかとか。 仕事以外でも、30代はこうある「べき」、男はこうある「べき」、家族はこうある「べき」。 なん

          べきべきの呪縛

          24. 玄人VSド素人

          【リーマンサット創設手記(仮) No.24】 2015年11月末。 ぼくらは一つの決断をした。J○XAの革新的衛星技術実証プログラムにエントリーすることにした。無償で衛星打ち上げてくれる(もちろん審査に通ったら)、なんてやらない理由がない。だってタダだし。 エントリーする衛星のミッションは「自撮り」。これまで3つのミッションの衛星をそれぞれ開発していたんだけれど、リソースも限られているし、そもそも素人の集まりなのでいきなり3つも同時並行でやるのってどうなんだろう、みたい

          24. 玄人VSド素人

          なにものか その2

          学生のころ、社会に出る前から、ぼくは「なにものか」にならなくてはいけないと思っていた。でもそれはどうしてなんだろう。 新卒で入った一社目は、ぼくにとって望んだ職場ではなかった。就職氷河期で、希望していた会社でも職種でもなかった。 仕事も上手くいかなくて、趣味である自転車ロードレースにのめり込んだ。 趣味に打ち込んでいる時間は楽しかった。一緒に走る仲間がいるし、練習すればするほど力がついて、緊張感のあるレースを走って、時には結果が出た。でも、心の片隅で「これでいいのか」と

          なにものか その2

          ほんの微かな甘みと大半は酸味と苦み

          社会人になってほとんど手をつけなくなってしまったけれど、学生の頃は一日中プレステ(初代)のコントローラーを握っていた。世界にのめり込んだ作品もあれば、人生そのものに影響を与えたほどの作品もある。 でもぼくが、プレステに関する思い出、と聞いて思い起こされるのはソフトに関することじゃない。ある日の晩、プレステをやってた時に起こった出来事だ。 ちなみに、ことが起こったそのときにやっていたのはシミュレーションRPGの「アークザラット3」だ。忘れもしない。話としては終盤に差し掛かっ

          ほんの微かな甘みと大半は酸味と苦み

          青い街の夢

          久しぶりに夢を見た。 ぼくはあまり夢を見ない(覚えていないだけかもしれない)。なもんだから、夢を見ると覚えていたりする。 乾いた街だった。砂地に青が基調の建物の街。ここは中国だと何故か確信した(中国には行ったことはないのだけれど)。 半地下のような場所に歩いて降りて、易者みたいな人と話をした。聞かれたのか言ったのは不確かだけれど、このころ考えていることを話をした。易者のような人の言葉が予言かお告げのように聞こえて、ああ、やっぱりぼくが進むべき道はそっちなんだと確信した。

          青い街の夢

          読むこと読めないこと

          最近、本を読む量が少なくなっている。読みたいと思った本があって、買っても時間がないからとか気分が乗らないとか、ひたすら積読本が増えていくばかり。 一番本を読んでいたのは、新卒のころ。あれだけ本を読んでいたのは、実家のある茨城から東京まで通勤していて、電車に乗っている時間が片道で一時間以上あったことが大きい。でももし今毎日同じ時間電車に乗っていたとして、あの時ほど本が読めたかはわからない。 あの時はわからないことだらけで、何かわからないことや困ったことがあると、本を読むこと

          読むこと読めないこと

          わたしのなまえは

          庄屋の「庄」に子どもの「子」、「健」康「一」番で、庄子健一といいます(いつも漢字を聞かれたらこう答える)。 名前の由来は至って単純で、「健康に育ってほしい、健康第一」との願いを込めて名付けられたそう。 なんでそうなったかというと、ぼくは生まれた時に低体重児で、母親のおなかから出てきたときに泣かなくて(=呼吸しなくて)、看護師さんとかがぶっ叩いたり、逆さにつるし上げたりしてどうにか泣かせようと思ったらしいけれどうまくいかず。ほかにもいろいろあって、もしかしたらそのまま死んでい

          わたしのなまえは

          インタビューを受けていたのはぼくだったかもしれない

          書くつもりはなかったのだけれど、違和感や歯がゆさや無力感が湧き水みたいに漏れ続けてくるので書く。 自分勝手だけれども、備忘録として。 テレビを見てしまう。被災した地域の情報をチェックしてしまう。 そして思う。 テレビの中でマイクを向けられて、後片付けをどうしようか、住まいやこれからの生活をどうしようか、と答えているのは、もしかしたらぼくだったかもしれない。 最初に言っておくと、今回の台風でぼくは物理的な被害を一つも受けてはいない。ただ、インタビューを受ける側になっていたか

          インタビューを受けていたのはぼくだったかもしれない

          3枚のカード

          ぼくは普段、営業に関わる仕事をしている。 ただこのところ、この仕事、もしくは仕事とは別の形でいいから、営業以外の形で何か(できればマネタイズにつながる)に関わりたいと思っていた。 これまでいろいろ関わってきた分野や経験はあれど、ぼくの中にあるカードは三枚だ。 ・サイエンス まず、ぼくの専攻は応用生物学で修士まで出ているということ。卒業してからは本格的にサイエンスに関わることはやれていないが、サイエンスに関わる雑誌や書籍を読んだりしている。 これまでわからなかったことが解明

          3枚のカード