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豊岡のひとびと

ぼくが移住した岩手町には、豊岡集落という戦後開拓地がある。
樺太からの引き揚げ組が入居開拓した場所だ。
戦後荒廃した日本国内で彼らが生き抜いていくために用意された場所。
この地区の方々に話を聞くと、「ここの人は団結力が強い」とそろって口にする。
生まれ育った樺太から出て、財産も頼れる人もいない岩手の山肌で文字通り必死で生き抜いて「故郷を創った」のだと思う。
ただその「新しい故郷」は将来子々孫々が繁栄していくには十分とは言えず、入居から次の世代は町の外に出ていかざるを得なかったそうだ。
「集落を誇りにしているが、残すことは叶わない」との言葉には何も返すことができなかったなあ。
しかしながら、言葉の端々からにじみ出る生き抜いてきた者の強さみたいなものは非常に印象的だった。
岩手に移住しなければ、こういう場所があることもそこでどのように人が生きていたのか、知ることもなかっただろうな。

皆さまのご厚意が宇宙開発の促進につながることはたぶんないでしょうが、私の記事作成意欲促進に一助をいただけますと幸いでございます。