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3枚のカード

ぼくは普段、営業に関わる仕事をしている。
ただこのところ、この仕事、もしくは仕事とは別の形でいいから、営業以外の形で何か(できればマネタイズにつながる)に関わりたいと思っていた。

これまでいろいろ関わってきた分野や経験はあれど、ぼくの中にあるカードは三枚だ。

・サイエンス
まず、ぼくの専攻は応用生物学で修士まで出ているということ。卒業してからは本格的にサイエンスに関わることはやれていないが、サイエンスに関わる雑誌や書籍を読んだりしている。
これまでわからなかったことが解明されたり、何かが起きる仕組みを知ること、つまり知的好奇心を満たすことはぼくにとって生きる喜びの一つだ。
サイエンスに大きく関わる仕事ができたら面白いと思っている。


・アート
ぼくは何かを作ったり描いたりはしないけれど、なにか訴えかけてくるようなモノを見たり、作られた何かから醸し出されるストーリーや想いと向き合うことは結構好きだ。
ぼくはモノを作ったり、絵を描いたりはしないけれど、文章を書く。
それは何かを説明するためではなくて、ぼくの中にあるなかなか形にはできなかったり、普段の生活では表せないものを文字や言葉という媒体に練りこんでどうにか形にするものだ。
アートを「何かの表現」としたら、ぼくもアートをする。
文章を使ってアートにかかわることができたらいいなあ、と思っている。

・ローカル
ぼくは就職してから十数年、ずっと首都圏で仕事をしている。
ただ、最近学生の頃や就職したばかりのことを振り返る機会があって、そういえば昔は首都圏みたいにごちゃごちゃしたところではなく、自然に囲まれた郊外で暮らしたい、と思っていた。

もともと生まれも育ちも田舎の方だし、コンクリートに囲まれて24時間光が出っぱなしに環境はどうにも落ち着かない。確かに都会は刺激や経験できることや学べること、人と出会う機会がとても多い。ただ、最近それに疲れている、と思うことがある。
方や、山登りに行ったり、地方に旅をしたりすると非常に落ち着く。関東近郊でも郊外に出た時にほっとする。ここ数年その度合いが増している。

加えて、このところ実家に帰るごとに地元が寂れていくのを感じる。なにか自分の力を(地元に限らず)地方を力づけることに役立てることはできまいか、と思う。ローカルに関わっている人と接する機会も増えて、そういう人の話を聞く機会も増えた。都会とは距離はあるものの、ローカルで伸び伸びやっているのは素直に羨ましい。


で、どれをうまくあてはめられるか、どれがはまりやすいのか試していた。
しばらくやって残ったのは一つだ。

まずサイエンス。仕事と一番絡めやすいのだけれど、仕事にして金を稼ぐまでのことは経験も実績もないものにはなかなか当てはまらない。学校を出てから知識を入れてはいたが、論文を読んだりとかそこまで専門的なものを自分で学んでいたわけではない。それから、ただ技術に使うだけのサイエンスは面白いなあとは思うけれど、関わりたい! とまでいくのは遠い。

個人的にサイエンスは自ら関わったり解明したりするのも楽しいが、知識として触れているだけでも十分楽しい。まずはそれでもいい。


次にアートだ。正直、これが最後に残ると思っていた。が、なかなかこれも難しい。確かに周りでアートに関わろうと思えば関われる場は結構ある。けれど、アートというのはぼく自身の表現にも関わるので、そこにうまく当てはまらない場合そもそもやる意味があるのだろうか。スキルとしてはなんとかならないではないだろうけれど、しっくりこないことには入っていく足も動かない。

まあ、今現在でもこうして何かしらの表現はしているので、なにかにどうにか形を合わせて、というより、細々とでも自分に合う形で関わっていた方が健全だ。


というわけで、最後に残ったのはローカルだった。

上記の二つは、ある意味で趣味の領域でも成り立たせることができるけれど、「ローカル」は生活や生きていく環境に関わることだ。もちろん、ローカルならではの縛りやしがらみはあるだろうけれど、何かしらの形でうまい距離を見つけていけばいい。それに、やっぱり自然のそばで生活がしたい。都会の刺激も必要であるけれど、長く身を置きたいのは前者だ。

これを選択するということは都会の経験や学ぶ場から遠ざかることになる、これまではそれがとても怖かった。でも今は、それを手放してもいいかな、と思える。必要ならば必要な分だけ取ってくればいいし、ローカルでも経験や学びの場はあるだろうし、ないなら作ればいい。

地元に戻るのか、別のローカルに行くのか、それはまだ見つかっていないけれど、方向性としては「ローカル」は手放すことができないことに気づく。

皆さまのご厚意が宇宙開発の促進につながることはたぶんないでしょうが、私の記事作成意欲促進に一助をいただけますと幸いでございます。