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リーマンサット創設手記(仮)

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宇宙好きではないぼくが、どうしてだか趣味で宇宙開発をする団体リーマンサットプロジェクトの創設・運営に関わってしまった日々の思いをつづったもの。
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26. 新体制と法人化

26. 新体制と法人化

【リーマンサット創設手記(仮)No.26】

2016年1月。

もろもろの問題を抱えつつ、リーマンサットの2016年が始まった。
目下の課題は、どのようにプロジェクトを推進していくか、だ。
これまでは立ち上げメンバー5人を中心にしてプロジェクトを進めいていたが、そのうち2人が諸事情から戦線を離脱することが決まっている。
しかしながら、JAX○の革新的衛星技術実証プログラム(無償で衛星を打ち上げて

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24. 玄人VSド素人

24. 玄人VSド素人

【リーマンサット創設手記(仮) No.24】

2015年11月末。

ぼくらは一つの決断をした。J○XAの革新的衛星技術実証プログラムにエントリーすることにした。無償で衛星打ち上げてくれる(もちろん審査に通ったら)、なんてやらない理由がない。だってタダだし。

エントリーする衛星のミッションは「自撮り」。これまで3つのミッションの衛星をそれぞれ開発していたんだけれど、リソースも限られているし、そ

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25. 挑戦状

25. 挑戦状

2015年12月。
リーマンサットが始まってから2度目の年末。
今年もいろいろあったなあ、などとこたつでミカンを食ってなどいたらどんなに気楽だっただろう。
11月に丸一年を迎えた直後、リーマンサットは創設以来の危機に直面していた。
それは

M氏「仕事の関係で、活動に参加できなくなりました」
H氏「子育てしなきゃいけないので、活動に参加できなくなりました」

なんてことになっていたからだ。

当時

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23. 宇宙郵便局構想

23. 宇宙郵便局構想

2015年11月。

時が流れるのは早いもので、いつの間にかプロジェクトが本格的に発足してから一年がたってしまった。そういえば、結成当時からのプロジェクト名については「リーマンサットって、なんかちょっとおふざけ感あって、でも覚えやすくてわかりやすくていいよね」ということから、(仮)をMAKER FAIRE TOKYO 2015が終わった後取ることになって、正式に「リーマンサット・プロジェクト」とし

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22. 青い人たち

22. 青い人たち

2015年10月。

MAKER FAIREもつつがなく終了し、出展の甲斐あってか、メンバーとなってくれる人も増えてきた。

しかしながら、当時の(たぶん今も)リーマンサットには大変な問題があった。

それは、

金がない!

である。それ以上でもそれ以下でもないがこれ以上に困った問題はない(たぶん今も)。

ぼくらの当面の目標は「自分たちで作った人工衛星を宇宙に打ち上げる」ことだ。
人工衛星を作

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21. MAKER FAIREとSPACE TEA

21. MAKER FAIREとSPACE TEA

2015年8月、東京ビッグサイト。
リーマンサット・プロジェクト(仮)にとって二度目のMAKER FAIRE TOKYOを迎えていた。

人手がしっかりあるので当日の準備も迅速に完了(書きながら思い出したが、展示したコンセプトモデルの完成引き渡しが出展当日だったとかなんとか)。
開場となってお客さんが流れてくると、長机一個分のスペースにリーマンサットメンバーが十数人。ビラを片手にプロジェクトの宣伝

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20. MAKER FAIRE再び

20. MAKER FAIRE再び

2015年8月初頭。

ぼくは再び東京ビッグサイトにやってきた。
MAKER FAIRE TOKYO 2015に出展するために。

思えば9か月前。
知人O氏から「自分たちで宇宙開発やろうと思っているんだけど、オタクの集まりにはしたくない。宇宙に興味がない人からも意見を聞きたい」と秋葉原に呼び出され、その数か月後H氏から急に「とある展示会に出展します。もう申し込みしちゃいました」とぶっこまれ、挙句

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19. 牛歩で進む

19. 牛歩で進む

2015年初夏。
何度も繰り返すようだけれどぼくらには人工衛星開発のいろはが何にもない。でも、当時メンバーも増えてきたリーマンサットは試行錯誤しながらなんかいろいろやっていた。

■某大学のキューブサット見学会にいった
キューブサットと言えば、大学。キューブサットを何度も作ったことがある研究室で見学会があったので、技術班数名が行って、見て、話を聞いてきた、らしい。ぼくは行ってない。

■うそ発見器

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18. 貢献と搾取

18. 貢献と搾取

事件が起こったのは2015年4月、いや5月。定かではないが、それは起こってしまった、らしい。

主にはWEBでリーマンサットの活動発信とメンバー募集を呼びかけて、当時はメンバー数が40人ちょっと。順調に人が集まっていた。当時は技術と広報であんまり頭数の差はなくて、技術が20人強で残りが広報。立ち上げメンバー5人のうち、技術班に出てたのはM氏しかいなかったので、もくもくと技術班が参考書片手に手を動か

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17. リーマンサットブルー

17. リーマンサットブルー

2015年3月未明。

第二回のミーティングにて、リーマンサット・プロジェクト(仮)が開発を進めていく人工衛星のミッションが決まってしまった。これで本当に人工衛星を作らなくてはいけなくなってしまった。とはいえ、このころはまだ気楽だった。人工衛星を作るのがどれだけ大変なのか知らなかったから。

さしあたり、全体の体制として「技術班」と「広報班」の二本柱を立てることになった。

「技術班」は言わずもが

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16. 道場破りに行ってきた

16. 道場破りに行ってきた

2015年2月未明。

ミッションが決まった第二回のミーティングからさかのぼること数か月。
とても場違いなところに来てしまった、とぼくは後悔ひとしおだった。

ぼくは立ち上げメンバーのO氏とともにとある宇宙団体のミーティングに来ていた。
それは同じく立ち上げメンバーのH氏が副理事を務める団体で、リーマンサット設立のきっかけとなったMAKRE FAIRE TOKYO 2014では(H氏が勝手に出展を

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【番外編】宇宙好き?

【番外編】宇宙好き?

宇宙は好きですか? と聞かれたらみなさんはなんと答えるだろうか。

この記事を見ているリーマンサットの当事者は「好き! 大好き!」と躊躇なく答えると思う。

当のぼくは? と聞かれれば、いつも書いている通り「宇宙に特別な興味はない」と躊躇なく答える。
そう、ぼくは「宇宙が好きではない」。

木星とか天王星の衛星に水があるかもしれない! とか
探査衛星が地球近傍小惑星から試料を持ち帰った、とか
ブラ

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15. ミッション(ようやく)決まる

15. ミッション(ようやく)決まる

最近、久しぶりにリーマンサット関係者と会って話をした際に、「2015年の資料がほとんどない」と言われた。確かに2015年は何をやっていたのかあんまり記憶がない。立ち上げの5人で隔週くらいで集まってやいやい話をしていたのは覚えているが、それ以外はわからない。
うーん、なんでだろう、と思っていたらあの頃は正式なミーティングを数か月に一度しかやっていなかった。

リーマンサット第二回の公式ミーティングは

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14. 静かなる前進

14. 静かなる前進

2015年2月末。

ぼくらは毎度毎度恒例だが頭を悩ませていた。
次月に予定しているミーティングで人工衛星のミッションが決まってしまう。

決まるんだからいいじゃん、次に進むじゃん、と普通は思うだろう。
だが、進んだ先には大きな、それはもう本当に困った大きな課題がある。

人工衛星をどうやって作ればよいのかまったくもって分からない。

うん、確かにぼくらは立ち上げ当初から「誰でも人工衛星を作ること

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