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クリスマスツリーの点灯

先週のことです。
こざるちゃんは 本屋さんへ行ったのですが、夕暮れの帰り道、いつものスーパーがあるショッピングモールの手前まで来て、

「あ!」

大きなクリスマスツリーのイルミネーションがピカピカ光っていました。

「もう そんな時期なんだね。」
こざるちゃんは ツリーのところまで来て、しばらく眺めていました。

こざる達は、りこちゃんという人間のおばあさんと一緒に暮らしています。
その りこちゃんは、数年前に入院して手術をして、その後のリハビリを猛烈に頑張って、
そして退院して自宅に帰って来ました。

無事に退院したので良かったのですが、入院期間は 夏が過ぎて秋になって、という具合にちょっと長くなっていたので、
こざる達は、クリスマスまでに帰れるかなぁ、帰れるといいなぁと思いながら、毎日 りこちゃんに会いに病院へ行っていました。
コロナ禍の前だったので、普通に会うことができたのです。

少し寒くなってきた11月のある日、このクリスマスツリーのイルミネーションが点灯しました。

「あの時は、ああ、もうクリスマスになっちゃう、って 焦ったんだよ。」
こざるちゃんが呟きます。
「りこちゃん、間に合うかなぁ。お家に帰ってクリスマスを一緒にやれるかなぁって。」

あの時、クリスマスツリーが点灯しているのを見て、もうクリスマスが来てしまう!と、たぶんクリスマス前には退院の予定だけれど、
まだ最終決定はしていなかったし、何分にも高齢者なので、いつ何が起こるか分からず、不安でした。

「それで その時も同じようにボジョレ・ヌーボーの解禁日があって、でも僕たちの解禁日は退院してからにしよう!って言ってたんだ。」
願掛けのように、クリスマスグッズを買ったりしていました。

「それで、ちゃんと11月のうちに退院してきたんだ!」
無事に退院して、自宅に戻ってきました。

あの時のこういう気持ち、今、振り返ると、そういえば毎日、必死だったなぁと思います。
自分や家族など近い人が入院したことがある方は きっと分かると思いますが、
採血や、レントゲン、CTなどの検査があるといえば、不安になり、
またその結果に一喜一憂して、この先、安定していけば退院なんだろうと思いつつも、
それが確実になるまでは どうなるのかわからないという 常に不安な毎日。

「特に高齢者の場合は、退院したけれど、環境の変化に身体が対応できなくて体調を崩して、
またすぐに病院に戻って来るということも珍しくないと言われていたから、
とにかく いろいろと不安定な気持ちだったなぁ。」こざるちゃん、うんうん頷きます。
こんなことも 実際に経験するまでは、なかなか想像つかないことでした。

「それでも りこちゃんの場合は今すぐ命に関わるといったことではなかったから、後から思えば 大した心労ではなかったんだろうけれど。」

入院している患者さん、家族のストレスは、ほんの少しのことで大きく変わります。
少しでもストレスが少なく、穏やかに過ごすことができて、早く回復して無事に退院できるようにと思います。



こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
しかし もう来月はクリスマスなんですねー、早い!
よい毎日でありますように(^_^)

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