見出し画像

未来へ続くお花見のために桜を植えた人

 今日も いつものように、りこちゃんと こざる達は、
皆で一緒に賑やかに 夕飯を食べ、
そして りこちゃんは寝る時間となりました。

 その後、こざる達は、お茶やコーヒーを飲んで、
おしゃべりタイムです。

 東京は、この週末、ソメイヨシノが満開となり、
天気は今ひとつだったのですが、
あちこちの桜の名所といわれる所には多くの人たちが出かけて、
大変な賑わいとなりました。

「ぼく達も、りこちゃんと、あちこち出かけて お花見したよね。」
「うん、そうだね、よく一緒にあちこち行ったよねー。」

 りこちゃんも、こざる達も、お花見が大好きです。
今は、りこちゃんが遠出をするのは 難しいのですが、
恵まれていることに、こざるカフェの近所にも たくさんの桜があります。
観光地ではないので、地元の人たちが のんびりとお花見していて、
とてもいい雰囲気です。

「どこの桜もいいけれど、あそこはとっても良かったねー。」
「どこどこ?」
「うんとね、飛鳥山!」
「ああ、そうだね、あそこは のんびりできて、
皆でピクニックしに来た感じで よかったね。」

 飛鳥山は、東京都北区にあり、江戸時代からの桜の名所です。
時の将軍、徳川吉宗が、江戸の庶民の娯楽の場所として、
お花見ができる場所を作ってくれたのです。
1720年に、江戸城で育てられた苗木が270本、飛鳥山に植えられました。
その翌年には、更に1000本以上の桜が植えられたのです。

 それまでは、お花見というと1本の桜の木を鑑賞していて、
今のように、たくさんの桜の木を鑑賞するということはなく
また桜がたくさんある場所も上野の寛永寺の境内くらいで、
お寺なので 賑やかにお花見はできませんでした。

「それで、吉宗が庶民のためにって、
飛鳥山をお花見の場所にしてくれたんだよね。」
「あのテレビの時代劇の吉宗だよ!」
「庶民のために、そして未来の庶民のために、
そんなことを考えて実行してくれるなんて、すごいよね。」
「そうだよ、今すぐのことじゃなくて、
自分がもうこの世からいなくなった後のことを 考えていたんだよ。」

吉宗は、今も こうして、
皆が飛鳥山で、楽しくお花見をしている様子を、
きっと嬉しく思っていることでしょう。

「あ、そろそろ始まるよー。」
こざる達は、夜9時からのイチロー選手の特番を見ます。
「録画するから、りこちゃんは明日、一緒に見るんだ。」

ラジオから、ちょっと哀愁を感じさせる、
そして しっかりとした歌声が聴こえてきます。
「『未来は不知顔さ、自分で創っていく。』
多分あなたは そう云うと判っているのに」

東京事変の『スーパースター』です。
「『答えは無限大さ、自分で造っていく。』
枯れいく葉が 相変わらず地面を護っている
そんな大地蹴って 歩いては声を探すの」

こざるカフェは、今夜も ゆっくりゆっくり、
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
新元号、どんなのでしょうね。
よい毎日でありますように (^_^)

飛鳥山の記事は
『EDO→TOKYO 東京の町並みから江戸の輪郭を探る』
参照しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?