楊柳@シニアに優しい住宅

高齢者の住まいを中心に、環境(ハード、ソフト)が人に与える影響を研究することをライフワ…

楊柳@シニアに優しい住宅

高齢者の住まいを中心に、環境(ハード、ソフト)が人に与える影響を研究することをライフワークにしています。 シニアに優しい住宅と住みやすい家は両立できます。50代からのリフォームのアイデアを紹介しています。#理学療法士#ライフオーガナイザー

最近の記事

ぎっくり腰になる家 

 ぎっくり腰は、魔女の一撃と言われ、ある日突然何気ない動作で腰に痛みが走るつらい症状ですね。ぎっくり腰までいかなくても腰痛で悩んでおられる方は多いのではないでしょうか。外傷や病気などを除くと、長年のくせで、少しずつ小さな負荷がかかり、意識しない間に体の組織の耐性を低下させ、ある時の何気ない小さな負荷で組織が痛んでしまい痛みとして出現します。腰痛は痛みが出たその瞬間に問題があると考えがちですが、実はそれまでに蓄積していった結果の痛みであることが多いのです。  つまりはその方の

    • ゼロ家事ハウス⑨超大物を手放した話

      ゼロ家事ハウス⑤盲点だった持ち物、で書いた『手放した物③不動産』について書きたいと思います。  ゼロ家事ハウスの取り組みで、持ち物を見直し、物量を確認し、家族の希望を聞き取っていただき、今の住まいをリフォームしてできる間取りを提案していただいたのですが、こういうことができるのか!と本当に目からうろこの間取りでした。自分たちで一生懸命考えた間取りをはるかに超える間取りで唸ってしまいました。  一般的に家族6人が快適な生活を送るためのスペースと言われている面積の約半分のスペース

      • ゼロ家事ハウス⑧防災用品の管理という家事を手放せた話

         久しぶりすぎるのですがちょっと寄り道して、この度の取り組みで防災用品の管理を手放せた話を書きたいと思います。防災用品はすぐにいるものでもないけれど必要な時にはすぐに取り出せないといけないし、長期に渡って頭の片隅に置いておかなければいけないタスクになるので、家事の中でのウエイトは小さいけれど面倒なものでした。  どうして防災用品の管理を手放せたかというと、我が家の家族構成に合わせて1週間分備蓄するとどれくらいのスペースが必要か、というところをゼロ家事ハウスでナイトウタカシさ

        ¥300
        • ゼロ家事ハウス⑦時間を浪費する物

          ゼロ家事ハウス⑤盲点だった持ち物、で書いた『手放した物②家の外にあるもの』について書きたいと思います。 こちらも大物です。 一応手放すかどうかは検討中ですが、私は手放すことができました。 これを手放そうと思ったきっかけはゼロ家事と同じタイミングで、1か月ほどこれがない状態で生活をしたのですが、これがなくても1か月困らず、なおかつ自分の時間が格段に増えたのです。 それは、『車』です。ゼロ家事に取り組んでいる時に、ちょうどマンションの大規模修繕があり、1ヶ月間、マンションの駐

        ぎっくり腰になる家 

          ゼロ家事ハウス⑥物の持ち方を変える

           手放した持ち物はびっくりするほどたくさんあり、以前の私が見たら、ほとんどのものを手放したのではと思うほどです。因みに、もともと管理するのが苦手で物は少な目だと自負していました(10年くらい?前から『片付け』『時短』とつくものにはとりあえず飛びついていました。香村さんを知ったのもその頃です)。 ゼロ家事ハウス⑤盲点だった持ち物で書いた、『手放した物①家電・収納家具』について書いてみたいと思います。 ①家電・収納家具  冷蔵庫・食器棚を手放しました。 我が家は家族の人数が多く

          ゼロ家事ハウス⑥物の持ち方を変える

          ゼロ家事ハウス⑤盲点だった持ち物

          ゼロ家事ハウスの取り組みの中で『持ち物を把握する』という工程があるのですが、その中で私としては盲点だったものがあり、そのことを書いてみようと思います。この中に、この機会に検討して手放した大物(手放しを検討中の大物)がいくつかあります。 ①家電・収納家具  持ち物を数える時に、服の枚数や靴の数、食器の数は数えますが、家電や収納家具は数えますでしょうか。家電は使用頻度の少ないものでも深く考えることなく『必要』と判断していないでしょうか。  家電も、服と同じように『どれくらいの頻

          ゼロ家事ハウス⑤盲点だった持ち物

          ゼロ家事ハウス④予想しなかった世界へ

           昨年8月より、ゼロ家事ハウスの香村薫さんとナイトウタカシさんにお世話になり我が家の家事の見直しをしてもらっていました。当初からは予想もしなかった世界が見えてきました。お世話になった過程が、どなたかの生活の見直しにも役立つと思ったのでシェアさせてください。 ①まずは現状の把握  とにかく、今どうなっているのかを客観的に見ることができなければ何をどう変えていったらいいの分からないので、この後とても大切になってきます。これをしたから後から加速したと言っても過言ではありません。

          ゼロ家事ハウス④予想しなかった世界へ

          ゼロ家事ハウス✖️セルフ介護③

          家事という中に含まれる『掃除』を少し掘り下げて考えてみました。「ちょっとぐらい散らかっててもママが笑顔でいた方がいい」とか、「ほこりで死ぬ人はいない」とか、割と掃除は軽視されがちです。 家事における『掃除』をどこまでミニマムにできるか、どこまでミニマムにしてもよいか、を時間軸で考えてみました。 私の実家の話ですが、両親ともに掃除が得意ではなく、汚くなったら変えればいいという考えで、15年おきぐらいにキッチンをフルリフォームしていました。こだわりがないので、安いものから選んで

          ゼロ家事ハウス✖️セルフ介護③

          ゼロ家事ハウス✖️セルフ介護②

          ゼロ家事ハウスを提唱されている香村薫先生がおっしゃった言葉で、とても印象的だった言葉があります。 「広さも、お金も、何も制限がない状態で、あなたがどうしたいか考えてみて。」という一言です。 今ある環境を変えたい!と思っても、どうかすると出来ない理由から考えてしまいまいませんか?もちろん現実問題、出来ないこともあるのですが、大人になればなるほど無邪気に自分のしたいことを言えなくなってしまっていますよね。自分では最大限できることを考えていたつもりが、フラットな状態の人に聞いても

          ゼロ家事ハウス✖️セルフ介護②

          ゼロ家事ハウス✖️セルフ介護①

          ゼロ家事ハウスを提唱されている高名な方々とお話をする機会を得ました。 ゼロ家事とは、『家事をなくす』だけではなくく、『家事を減らす』『家事をシェアする』という意味も含まれています。セルフ介護(介護の負担を減らすように環境を整える)との共通点や、どうやって家事の負担を減らしていったらいいかというヒントをたくさん得ましたので私が感じたことをシェアしたいと思います。 ゼロ家事ハウスの香村薫先生は、家事全体を把握する手段としてまず、管理しているモノの数を数えるという方法を提唱されて

          ゼロ家事ハウス✖️セルフ介護①

          セルフ介護とは

           この前、久しぶりに実家に帰って驚いたことがあります。いつも使っていたタクシー会社がなくなっていました。高齢の親を説得して免許返納させたのに、タクシー会社がなくなっている!色んな意味で焦りましたが、幸いその近辺を走っているタクシー会社は一社ではなかったため難を逃れましたが、これから先、人口が減っていく地域ではタクシーを呼んでも来ないハードモードな未来が来るかもしれません。  同級生の親もそろそろ調子が悪くなってきおり、相談を受けることが増えました。そこで最近ちょこちょこ聞く

          長生きのコツ 住宅に体を合わせない

          住宅に求めるものはどんなことでしょうか。利便性・快適性などいろいろあると思いますが、やはり安全に健康に住めることが第一だと思います。 人生において、住宅に求める機能はどんどん変化していきますが、そのたびに見直しはされていますでしょうか。一人暮らし、結婚、子供が増える、子供が巣立つなどだいたい10年ぐらい度に、この家が今の生活に合っていないなと思う機会があると思います。 しかし、今あげたタイミングで見直す方は多いのですが、例えば少し体が弱ってきた、や、介護保険を使うことにな

          長生きのコツ 住宅に体を合わせない

          アナログ(のよう)なサービスはなくならない

          世の中にはたくさんのサービスがあり、日々便利になっていますが、時々、何故こんな中途半端にアナログなんだろう、とか何故ネット完結にしないのだろう、と感じることはないでしょうか。 今回は認知機能の側面から考察したいと思います。加齢に伴い、カード払いや振り込みを嫌がったり、マンションの玄関の鍵を開けることはできてもエントランスの扉を遠隔で開けることができなくなります。認知機能の低下の一つの記憶力の低下により、目の前で行われていることは判断できても、目の前で行われていないことを想像

          アナログ(のよう)なサービスはなくならない

          シニアの住宅改修を妨げるもの

          高齢者の方が住宅改修に後ろ向きな理由に、「先が短いから」「お金をおいておきたい」という話はよく聞きます。人生100年時代が来ようとしているのに、購入してから30年以上経つ建物に手を加えようとしない人が多くいます。外壁や水回りはメンテナンスされていても、間取りを変えたりすることには抵抗がある方も多いです。 10年ほど前、私の両親が、自分たちの生活スペースではなく、2階の全く使っていない部屋の内装を新しくしていました。理由を聞くと、弟家族が帰ってくるかもしれないから、という謎の

          シニアの住宅改修を妨げるもの

          50代からの住まい#5 洗面所

          今日は、洗面所について書かせてもらいます。新型コロナウイルス感染症の蔓延により、手洗いの重要性が見直されてきました。今後、コロナウイルスが収束したとしても、高齢者や持病を持った方は感染症対策として手洗いが必要だという考え方が浸透してきたように思います。 サービスを受けるための工夫でも書きましたが、外部から人が入ってくる時にもまずは手洗いができる環境であることが望ましいと思います。 一般的な間取りであれば、洗面所は脱衣所などに併設されていることが多いように思います。どちらか

          50代からの住まい#5 洗面所

          高齢者が依存するもの

          依存と聞くとアルコールやたばこを思い浮かべると思いますが、明らかに害があるものではなくても色んな物に依存しています。 ある程度からだが不自由になってくると、できることが少なくなってきて、また積極的に家事をしない男性は特に、一日中テレビを見ている人が多いです。見たいテレビがあるというわけではなく、ただついているものをぼーっとながめているという状態です。寂しさを紛らわせるため、暇つぶしに、自分の役割を見出すために、、いろんな理由があると思いますが、体を動かさず、一日中テレビの前

          高齢者が依存するもの