見出し画像

高齢者が依存するもの

依存と聞くとアルコールやたばこを思い浮かべると思いますが、明らかに害があるものではなくても色んな物に依存しています。

ある程度からだが不自由になってくると、できることが少なくなってきて、また積極的に家事をしない男性は特に、一日中テレビを見ている人が多いです。見たいテレビがあるというわけではなく、ただついているものをぼーっとながめているという状態です。寂しさを紛らわせるため、暇つぶしに、自分の役割を見出すために、、いろんな理由があると思いますが、体を動かさず、一日中テレビの前に座っていることが体によくないことは冷静に考えればわかることですが、何故かテレビは生活の一部と思われているのか問題と思っておられない方が多いです。また最近ではスマホを使える高齢者も増えており、一日中YouTubeを見ている人もいます。

次は、サプリなどの健康食品です。連日テレビで様々なサプリの広告が流れているので、テレビを熱心にみている人ほどはまりやすいです。薬の飲み忘れが増えていた方がおられ、サプリも含めて確認をしていたところ、サプリが10種類も出てきたことがあります。体調に不安があって、これを飲めば治るという幻想にとらわれて購入してしまい、そういうものに限って定期購入になっていて、飲んでなくても次々に送られてくるのです。そういうものを一旦購入するとリストが共有され、別のサプリの会社からの電話勧誘がひっきりなしにかかってくるようになっており、また次のサプリを買ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。どこかにこれを飲めば前のような健康な体に戻れるはずという思いがあって熱心に飲まれるのですが、テレビと同じで一日中座ってじっとしていたら、いくら良いサプリを飲んでも健康にはなりません。

次は食事です。簡単に欲求を満たす方法としておいしいものを食べるという行為があります。普段体を動かしている人がたくさん食べることは何の問題もありませんが、病気のストレスや体が動かないことのストレスを食べて解消しようという食べ方をしている方が女性には結構多いです。ただ、そういう方は体が不自由で自分で買い物に行きにくい方が多いので、入ってくる量をコントロールすればおのずと食べる量は減りますが、家族も「動けなくてかわいそうだからせめて食べるものぐらい好きなものを食べさせてあげたい」と言って買ってきたり、最近は生協の個配など、家で動かずに買い物ができるようになっていますので、家に過剰にすぐに食べられるもの(おやつ)が置いている傾向があります。体重が増えてますます動きにくくなることに本人は気づいていますが食べることをやめられないのです。

このような依存を少しでも減らすためには、物理的に遠ざけることです。テレビから離れる。サプリを一旦やめてみる。勧誘電話をブロックする電話機に変える。家に置くおやつの量を減らす、から始めてみてはどうでしょうか。それと同時に、その依存で満たさなければならない欲求が何なのかを考えることが大切です。いらないサプリの勧誘だと分かっていても熱心に話を聞いてくれる人の言うことをつい聞いてしまうのは、自分を認めてほしい、寂しいなどの気持ちの表れではないかと思います。元気になりたいと思うのは誰しもが思うことですが、元気になってやりたいことは何なのか、を掘り起こして、別の方法でそのやりたいことをかなえる方法を模索すると、もとの体に戻ることに固執する考えが少し変わることがあります。またサプリなどではなく、体を動かす必要性に気付くこともあります。同世代が体調を崩し亡くなっていく年代になると、取り残されたような寂しさがあると話される方もいました。満たされていない欲求は何なのか、何か他の手段で満たすことはできないか、自分ができる範囲で自分をご機嫌にする方法、頼れるところに上手に頼る方法を見つけ、手軽で安易に満たされる依存から遠ざける方法を若いうちから探しておくとよいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?