セルフ介護とは

 この前、久しぶりに実家に帰って驚いたことがあります。いつも使っていたタクシー会社がなくなっていました。高齢の親を説得して免許返納させたのに、タクシー会社がなくなっている!色んな意味で焦りましたが、幸いその近辺を走っているタクシー会社は一社ではなかったため難を逃れましたが、これから先、人口が減っていく地域ではタクシーを呼んでも来ないハードモードな未来が来るかもしれません。

 同級生の親もそろそろ調子が悪くなってきおり、相談を受けることが増えました。そこで最近ちょこちょこ聞くようになったのが、ケアマネがいない、ということです。ケアマネ担当変更時に引き継いでくれるケアマネがなかなか見つからないという話は聞いていたのですが、それはもうすでにケアマネがいるという人の話でした。今回聞いたのは、家族が新規で依頼しようとした時の話です。まず、介護について心配なことがあると、ご家族はあんしんすこやかセンターというところに相談に行きますが、そこで「そんなレベルでは介護保険は使えない」「ケアマネがいないので自分で手続きしてください」という門前払いされたそうです。そこで私に相談があり、家族が動ける方だったため、本来ならケアマネがする手続きを家族が行って介護度が出ました。ただ、サービス利用にはケアマネが必要なので、再度サービス利用したいのでケアマネをつけて欲しいと相談に行きましたが、その段階でもケアマネはいない、と断られたため、家族が利用したい施設を探して、ほぼほぼ利用を決めた段階で再度あんしんすこやかセンターに相談に行きケアマネをつけてもらうことができました。もはや、ケアマネの仕事を全て家族がしないと介護保険が使えないという恐ろしい事態になっています。そもそもあんしんすこやかセンターにたどり着くにも、家族が動けず時間がかかることが多いのに、やっとたどり着いた相談先で門前払いにあうというハードモードになってきています。本当にケアマネが足りてないのを知っているだけに、窓口の人を100%責める気にもなれません。これからは介護が必要かになってもコネがなければケアマネさえ見つけることができないハードモードになりそうです。
 
 私が住んでいる場所は地方都市ですが、ヘルパーさんに来てもらいたいと思っても、働いてくれるヘルパーさんがいないのでサービスを使えないということもちょこちょこ起こっています。仕事で会うヘルパーさんから、しょっちゅう「いい人いたら、うちの事業所ヘルパー募集してるから声をかけて欲しい」と声をかけられます。もはや、助けて欲しいと思っても来てくれるヘルパーさんが見つからないという事態になっています。

 そこで、私からの提案は、セルフ介護です。出来るだけ自分で自分を介護できる環境を整えておくということです。全ての可能性に対応することはできませんが、環境を整えることでリスクを減らすことはできます。

 例えば、洗濯物が干せないのでヘルパーさん依頼→ドラム式の洗濯乾燥機を使う、通院にタクシーが必要→クリニックモールのあるマンションに住む、トイレに一人で行けないので、ポータブルトイレ+ヘルパーさんに片付け依頼→寝室とトイレの間取りを位置関係を考えておく、掃除ができないのでヘルパーさんに依頼→掃除をしやすい環境にして自分で行う、などです。これらは高齢者の生活に特化したことではなく、自分の時間を最大化するために、家事など生活に必要なことに割く時間や手間を減らすという考え方と共通することが多いので、家を買う時やリフォームする時に是非参考にしてみて下さい。

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