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ぼくの好きなあの子

画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。ぽわんとした感じが気に入りました。この文章もぽわんとしていたらいいのになぁ。

文章を書けないタイプ

あいつは文章を書くのに時間をかける。

毎日、1行の報告を書くのに、

軽く10分は使っている。

一度、質問したことがあるんだ。

書くのに時間がかかっているのは、

難しいことを簡単に書こうとして、

苦労しているから?

すると答は簡単だった。

文章を書くのが苦手なんです。

あ、そうですか。そりゃ失敬。

国語が苦手って言ってたから、

文章を書くのもかなり苦手らしい。

でも漢検持ってるっていうのが不思議だ。

文章を書くのと漢字を覚えるのとは、

違う脳味噌を使うんだろうね。

論理的じゃないとダメなタイプ

感情を第一にした言葉は、

今ひとつ好きになれないらしい。

状況がわからないと、

何もわからないらしい。

周りがこうだから、

この時にはこうする、

というように、

状況を把握してから物事を考える。

だからいつも話に加われない。

大勢で話していると、

追いつかないらしくて、

言いたいことを言おうとしたら、

もう話題が変わっていたりする。

だから結果として無口と思われていた。

格好よくありたいタイプ

なんとなく、

ちょっとした仕草が美しい。

歩き方も足の組み方も、

なんとなくスマートだ。

自然にこうなる人っているんだねぇ、

感心していたのだけれど、

きちんと計算してやっている、

最近わかったよ、それが。

でも似合っているからいいけど。

とはいえ、

かっこつけてるばかりだと、

逆にかっこ悪くなる。

だから、

かっこ悪い時に指摘すると、

ひどくうろたえる。

面白い。

弱みを隠すタイプ

ひどくナイーブになっている時、

大丈夫?

ひとこと聞いてみた。

明らかに大丈夫じゃないから聞いた。

答は、仕方ないんです

意味不明な答だった。

でもそれは本当で、

不安なことを抱えていて、

ナイーブになっているとか。

日頃から

ナイーブだから、

紛らわしいんだよ。

自分が正しいタイプ

いつも自分は正しい。

あるいは正しくありたい。

端で見ていて辛いくらいに、

正しさを追求する。

はっきりさせないのがイヤなんだと。

だからいつもしんどそう。

この世の中は、

曖昧(あいまい)に満ちている。

これが耐えられないらしい。

がんばれ。

お腹が痛いらしい時に、

痛いの痛いの飛んでけー

そう書いた紙を渡したら、

笑った。

やっと笑ったよ。

違う世界を生きているタイプ

いつだったか、

きみの好きな音楽はどんなの?

誰かに聞かれて、

恐ろしく長いタイトルを言った。

調べて聞いてみたら、

美しい旋律と静かな波音が、

重なりあって消えていく、

とっても美しい曲だった。

ぼくは気づいたんだ。

悲しいけれど、

ぼくとあいつは、

全く違う世界を生きている。

たまたま偶然こんなところで、

隣の机で勉強をしているけど、

普通に生きていたら、

お互いが、

こんな人間が世の中にいたのか、

というくらいの珍獣扱いをされる。

しかもこっちは妙な虫なのに、

あっちはダイアモンド級なんだよ。

ダイアモンドでも、

光を浴びなければ輝かない。

だからあいつは、

光あるところを目指している。

ぼくはいつもここにいる。

いつでも帰っておいでなんて、

何があっても言うもんか。

ぼくの好きなタイプ

つい最近誰かに聞かれたよ。

どんな人が好きなんですか?

困ったぼくは、

君のことを思い出して、

君がどんな人間かを答えたんだ。

あいつはバカなやつだって、

思いっきりいってやったよ。

もちろんぼくの方がバカだけど。

そりゃあ、

きみを好きになるくらいだから、

ぼくはかなりなバカなんだよ。



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