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FC町田ゼルビア 補強診断〜チーム別補強診断#29〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから半年以上が経ち、すでにシーズンが終わりに近づき、来季の補強も考え出す頃でしょう。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第29回となる今回は、FC町田ゼルビア編です。
なお、すべての情報は10月11日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフのFC町田ゼルビアの補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#30 ~FC町田ゼルビア編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
 太田宏介 ←パース・グローリー(加入)
 晴山岬 ←FC今治(復帰)

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J2リーグ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①ポープ・ウィリアム(←大分トリニータ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季まで、J1の大分トリニータに所属していましたが、一時は主力になったものの高木選手をはじめとする他の選手の壁が厚く、シーズンを通じて主力になることはありませんでした。
 大分がJ2に降格した中で、大多数の選手が残留した中でもポープ選手は新天地を求めました。主力である福井選手と年齢も近いので、熾烈なレギュラー争いが想定されると言えるでしょう。

考察

 開幕からセカンドGKとして定着すると福井選手が離脱している時には、レギュラーに定着しました。一方で、福井選手復帰後はふたたびレギュラーの座を明け渡しており、「不動のセカンドGK」という立ち位置に終始してしまっています。

評価

評価は『B』としました。
 熾烈なレギュラー争いを繰り広げると思われた中、なかなかポジション争いに加われてはいません。一方で、福井選手離脱時は、主力になっており総じて想定通りと言えるでしょう。

②バーンズ・アントン(←大成高等学校)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 アメリカ生まれの選手で、187cmとスケールの大きなGKです。大成高校事態は、印象的なミスなどもあるものの、「大器の片鱗」という言葉にまさにふさわしい選手で、かなり早い段階で町田ゼルビアへの内定をつかみました。
 まだまだ、荒削りなプレーが目立つので、いきなり主力になるなど問うことではなく、5年後などを見据えた補強でしょう。

考察

 開幕からまさかのベンチ入りを果たすなど、非常によいスタートを切りました。しかし、福井選手、ポープ選手の牙城を崩すことはできず、ここまでにベンチ入りはあるものの出場はありません。
 しかし、GKというポジションが一つしかないのが特製のポジションであることも考えると、1年目からベンチ入りしていることは非常にポジティブでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 高卒一年目とかなり若い選手ですが、ベンチ入りしている試合も多く最低限の仕事は果たしているでしょう。

③岡野洵(←ジェフユナイテッド千葉)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 今季、千葉より加入した身長187cmの大柄なCBで、昨季の前半戦は千葉でもレギュラーでした。後半戦はポジションを失いましたが、それでも活躍はしていた選手で、即戦力とは言わなくても準主力となりうることを想定しての獲得と言えるでしょう。

考察

 開幕からしばらくは、ベンチ入りはするもののあまり出場機会はありませんでしたが、後半戦になるにつれ徐々に出場機会を増やし、ここのところは先発出場が続いているなど、パフォーマンスを上げてきていますが、期待値を上回ってはいないでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 ここまでに出場した試合は、全体の半分程度であり、まさに「準主力」と言えるでしょう。

④三鬼海(←モンテディオ山形)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、モンテディオ山形より期限付き移籍で加入しており、シーズンを通じて右サイドバックの絶対的レギュラーとして定着をして活躍をしました。監督が、ポポビッチ監督と変化していないこともあり、完全移籍に移行した今季は、主力としての活躍が期待されるでしょう。

考察

 開幕からベンチ外となると、第3節に今季初出場を果たしますが、その後はハムストリングスを痛めてしまい、出場機会を全く得られていません。負傷自体は言えているはずですが、奥山選手などが良いパフォーマンスを見せていることもあり、チームの戦力構想に加わることができていないのが現状です。

評価

評価は『D』としました。
 負傷という不測の事態。不可抗力とは言え、ここまで2試合の出場でプレー時間は20分弱というのは、非常に想定外であり、期待値を大きく下回っていると言えるでしょう。

⑤菅沼駿哉(←ガンバ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季まで、下部組織時代に過ごしたガンバ大阪でプレーしていました。終盤戦はレギュラーに定着し、キャプテンマークを巻くなど序列は高かったですが、片野坂監督への移行や、年齢的な面もあり契約満了になってしまいました。
 町田の守備陣の中で、J1での経験がある選手は少なく、J1昇格を本格的に目指すにあたって、J1経験のある選手を獲得したというところではないでしょうか。

考察

 加入が開幕直前で、十分にキャンプに参加できたわけでないこともあり、開幕からしばらくはベンチ外となっていました。夏場にようやく、町田加入後初スタメンを果たすと、その後は完全に主力に定着をしていますが、スロースターターであったことも踏まえると、総じて期待値通りでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 夏場にようやく、町田加入後初スタメンを果たすと、その後は完全に主力に定着をしていますが、スロースターターであったことも踏まえると、総じて期待値通り

⑥太田宏介(←パース・グローリー)

試合スタッツ

・Jリーグ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 FC東京時代には、監督のランコ・ポポビッチ監督と共闘した経験があり、本人も町田の出身であることもあり、夏の移籍市場で加入しました。
 前所属のオーストラリアのパース・グローリーとの契約を解除した上での加入ですので、移籍金もかかっておらず、誰かの穴埋めというよりは、双方の思惑による獲得でしょう。

考察

 オーストラリアでも最後は実戦経験から離れていたため、加入当初はベンチ入りでした。しかし、ここのところは2試合連続でスタメン出場しており、徐々に序列が上がっています。
 来年は、監督交代が決定していますが、このままパフォーマンスを上げていければ、来季の左サイドバックの一番手となるでしょう。

評価

評価は『B』にしました。
 加入直後は、ベンチから試合を見る機会が多かったものの、最近は試合に出始めており、来季に向けて期待感が高まる内容です。

⑦翁長聖(←大宮アルディージャ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 長崎や大宮でプレーしてきたサイドハーフです。
 大宮では、サイドバックで起用されていましたが、なかなか主力になることはできず、大宮に茂木選手が加入したこともあり、今季より町田に移籍しました。
 森下選手がセレッソ大阪に復帰したこともあり、左右のサイドバックをはじめ、サイドハーフでのプレーも高水準でこなせる翁長選手の加入は非常に大きいものと言えます

考察

 開幕より左サイドバックでレギュラーを掴むと、その後は左サイドバックを中心としつつも、試合によってはサイドハーフでプレーするなど、持ち前のユーティリティー性を存分に活かしたプレーを見せています。
 太田選手の加入もあり、ここ2試合はスタメンを外れているものの、ベンチに置いておいても複数のポジションができるため非常に助かる存在であることは確かです。

評価

評価は最高評価の『S』としました。
 昨季までは、なかなか主力になりきれていませんでしたが、町田では主力になっており、良い意味で期待値を裏切られたと言えます。そして、得点はないものの4アシストに絡むなど、持ち前の攻撃力も発揮しています。

⑧宇野禅斗(←青森山田高校)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 高校時代は、FC東京で絶対的なレギュラーになっている松木玖生選手とコンビを組んでいた選手で、かなりの期待値でプロ入りをしました。佐野選手に繰り返しステップアップの噂が出ていたこともあり、佐野選手が移籍してしまった場合などに備えて、育成ということになるでしょう。

考察

 開幕でベンチ入りすると、プロデビューは第8節でした。スタメン出場の機会は少ないですが、ここまでに9試合に出場しており、高卒一年目ということや、途中負傷離脱の期間があったということを踏まえれば、期待値以上と言えそうです。

評価

評価は『A』としました。
 高卒一年目から二桁試合に迫る出場数を誇っていることもあり、非常にポジティブなシーズンを送っているでしょう。

⑨樋口堅(←FC町田ゼルビアユース)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 FC町田ゼルビアの下部組織から昇格した選手です。184cmと大柄なボランチ選手で、ボール奪取能力だけでなく、展開力にも優れた選手です。
 大柄なアンカーは、非常にロマンがあるため、期待しています。

考察

 開幕からベンチ外が続くと、ベンチ入り2試合で途中出場が1試合あります。プロ一年目でプロデビューを果たしたことができたという点では、非常に良かったものの、出場時間1分ですと、なんともいえません。

評価

評価は『C』としました。
 一年目ということもあり『B』と悩みましたが、出場時間がわずか1分であることも踏まえ『C』にしました。

⑩ヴィニシウス・アラウージョ(←モンテディオ山形)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季の山形で後半戦に得点を量産し、14得点と結果を残した選手で、鄭大世選手、ドゥドゥ選手と並ぶ得点源が不在ということが課題であった町田に加入しました。
 新たな、得点源となり、J1昇格に貢献することが期待されているでしょう。

考察

 開幕からスタメン出場の機会があまりなく、結果も残せていません。ここまで2得点ですが、昨季、好調になった後半戦での得点数は0と非常に厳しい成績となっています。

評価

評価は『C』としました。
 出場数はあるため、最低評価は免れましたが、それでも得点源と期待された選手がここまで2得点というのは非常に厳しい結果です。

⑪山口一真(←松本山雅FC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 松本山雅から加入した選手で、ヴィニシウス・アラウージョ選手の加入発表よりも前に加入しており、役割としては、ヴィニシウス・アラウージョ選手と同様の役割を期待されての獲得でしょう。

考察

 開幕から準レギュラーとして試合に出ると、前半戦はほとんどの試合に出場するものの、なかなか得点という結果に結びつけることはできておらず、後半戦になるにつれ出場機会を失っています

評価

評価は『C』としました。
 得点源と期待されての獲得であったことを踏まえると、淋しい結果と言わざるを得ません。

⑫晴山岬(←FC今治)

*2022年10月16日に契約解除が発表されました。

試合スタッツ

・Jリーグ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 今年は、今治に期限付き移籍していましたが、J3でも3試合の出場にとどまっており、夏の移籍市場で復帰しました。出場機会を掴むという本来の目的が果たせなくなった上での復帰であり、戦力としての期待値はそれほど高いとは言えないでしょう。

考察

 2試合で途中出場しておりますが、それだけです。得点やアシストも記録しておらず、鄭大世選手やドゥドゥ選手など経験豊富な選手が多いゼルビアの前線では厳しい状態です。

評価

評価は『C』としました。
 そもそもの期限付き移籍でもなかなか成績を残せなかったこともあるので、そうじて期待値を若干下回っているでしょう。

⑬佐藤大樹(←法政大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 札幌のU18から法政大学に進学したFWで、大学二年時から法政大学のトップチームに定着するとチームトップの5得点を上げるなど活躍を見せました。178cmと決して大柄ではありませんが、左足のパンチ力のあるシュートと空中戦に強みのある選手です。
 泥臭いプレーも厭わない選手で、鄭大世選手の後釜候補とも言えます。

考察

 先発機会はないものの、前半戦は途中出場も果たしていました。しかし、後半戦になると試合に絡めなくなっており、20試合連続で出場機会をつかめていません。プロ入り一年目ということもあり、プロの洗礼を浴びているイメージです。

評価

評価は『C』としました。
 前半戦は出場機会も掴んでいたものの、今は出場機会を失っており、非常に厳しい状況と言わざるを得ません。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

ポープ・ウィリアム B
バーンズ・アントン B
岡野洵
 B
三鬼海 D
菅沼駿哉 B
太田宏介 B
翁長聖 S
宇野禅斗 A
樋口堅 C
ヴィニシウス・アラウージョ C
山口一真 C
晴山岬 C
佐藤大樹 C

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「C」としました。
 期待値通りの選手が多い中で、FWの選手は軒並み得点を記録できておらず、期待値を下回っていると言えます。

最後に

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