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豊玉毘賣との再会 海幸山幸22 神様も“失敗”して成長した ことの葉り。百八五

豊葦原中つ国の二代目に!

長月一日の朝、おはようございます。
今朝は、お仕事前に少し「ことの葉綴り。」のひと時です。

子どものころに、「海幸山幸」として絵本で読んだ方も多い神話の物語。
弟の山幸さまに、嫉妬し逆恨みし、しまいには攻めてきた兄の海幸彦さま。
山幸彦さまは、海の神の綿津見神さまから授けられた二つの珠、
「潮満珠」「潮干珠」を使って、兄の攻撃を交わします。
海水に溺れた海幸彦さまは、これまでのことを詫びて、
命を助けてもらいます。
そして、改心をして、弟に頭を垂れて謝罪をしました。


私は、今よりのち、ずっと、私も、私の子孫も
あなたの宮殿の配下として、あなたを護る者となります。

自ら弟の山幸彦を昼夜に問わず、守護することを誓い、赦しをこいました。

山幸彦さまも、兄の謝罪を受けいれました。

そして、山幸彦さまは、高天原から天孫降臨してきた筑紫の日向の
二代目を継承された
のです。
兄の海幸彦さまとは、和解をし、配下として、守護の任にあたってもらいました。

それ以降、海幸彦さまと、そのご子孫は、隼人と呼ばれ、常に宮廷を守り、また海水に溺れたときの場面を、顔や手に色を塗って、さまざまな仕草を演じて再現し続けたといわれています。
後の世になると、この九州の南部に暮らす隼人は、宮廷の儀式のときに、犬吠をして宮門を守護することの、起源になったそうです。


海の神、綿津見神さまは、竜宮城に、山幸彦さまが訪れたときに、
「この御子どのこそ、天つ神の二代目として、地上の豊葦原中つ国を統べるのにふさわしいお方だ」と、その人柄(神の特性)をお認めになりました。
娘の豊玉毘賣さまを嫁がせて、絶大な信頼を寄せて、サポートに尽力し、呪文や、「潮満珠」「潮干珠」とその作法をお授けなさったのも、こうした兄神との“継承問題”も、お考えになったからでしょうね。

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豊玉毘賣さまの決心


一方、竜宮城に残った妻の豊玉毘賣さまは、愛する夫の山幸彦さまのことを、ずっと想い続けていました。
夫婦として共に過ごした日々の愛おしさ。
慕情は日ごとに募っていきます。
豊玉毘賣さまは、お腹を優しく撫でながら、いつも山幸彦さまのことを想っておられました。

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なぜなら、そのとき、すでに山幸彦さまのお子を身ごもられていたのです。

そして、お腹が日ごとに大きくなってきたある日、玉毘賣さまは、一大決心をなさいました。

竜宮城から、海の世界から初めてお出になり、愛する夫のいる地上の豊葦原の中つ国へと、旅立っていかれたのでした。

会えなくなって、もうどれほどたつでしょうか。

日向の砂浜に降り立ち、山幸彦さまの宮殿へと向かいます。

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竜宮城からの突然の“来客”に、山幸彦さまは、たいそう驚かれました。でも嬉しくてたまりません。
腕の中に抱きいれると、

「なぜ、突然会いに来てくれたのか?」 と尋ねました。

豊玉毘賣さまは、愛する夫の目をしっかりと見つめて、こう仰っいました。

愛する、夫の天つ神の山幸彦さま。
ご覧のように、私は、あなたの御子を身ごもっております。
そして、今もうじきに、出産の時期を迎えます。
けれども私が思いますことに
天つ神の御子を、海の世界の海原で産むのはよろしくないと思うのです。
そこで、私は、この地上で出産するために、竜宮城を出て
地上の世界へと出て参りました。

山幸彦さま、豊玉毘賣さまを、愛おしいと感じました。
さらに我が子がお腹にいる!
いっそう、喜びに満ちてきます。
夫婦二人の幸せな再会を果たせました。

そうだったのか~、なんとめでたく、ありがたいことよ。
すぐに、産屋をつくらせよう!!

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―次回へ。

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