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故郷の倭を忍びて…日本武尊の死 元伊勢一五五 神話は今も生きている ことの葉綴り四八七

懐かしき友浮かぶ

こんにちは。水無月三十日「夏越の祓」でしたね。
皆さん、どうお過ごしでしたか?
私は朝から神社へお参りに。なぜか、学生時代のお友達たちを思い出しました。みんなが元気で幸せでありますように!と願います。

さて、今日も神話の物語に入ります。

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<ことの葉綴り>ご案内


この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。

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日本武尊命を救った草薙剣

倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、第十二代景行(けいこう)天皇の命を受けて、東の国の荒ぶる神の征伐に向かう、甥である日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)に、天照大御神さまの「三種の神器」の一つの「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」を授けます。

駿河国で、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、賊に欺かれ、おびき出された野で、周りに火を放たれて、逃げ場を失われます。火はどんどん迫ってきます。
そのとき、倭姫命(やまとひめのみこと)さまの授けた「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」が、自然と袋から出て、日本武尊(やまとひめのみこと、倭建命)の周りの、燃える草を薙ぎはらい、脱出するための“通路”を作ったのです。
日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、猛火の中から、逃げることができました。

そのことから、「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」は、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と、呼ばれるようになりました。

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日本武尊さまの死

日本武尊、既東(ひむかし)虜(あた)を平らげて、還りて尾張国に至る。
宮簀媛(みやずひめ)を納(い)れて、淹(ひさ)しく留まりて月を踰(こ)え、剱解きて宅(やど)に置き、徒(たむなで)に行でまして、胆吹山(いぶきやま)に登りて、毒(あしきいき)に中(あた)たりて薨(かむさりたまふ)
其草薙剣は、今、尾張の熱田の社に在る也。

その後、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、早くも東の国の敵方を平らげて、尾張の国まで還ってこられました。
そこで、宮簀媛(みやずひめ)を迎え入れられて、ひと月以上も、留まられました。
このとき、草薙剣(くさなぎのつるぎ)をお身体から外して、滞在する宿処へと置いて、武具をつけることなく、おでかけになります。そして、近江国と美濃国の境にある伊吹山に登られて、その山の霊気の毒にあてられて、やがてお亡くなりになりました……。
その「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」は、今、尾張の国の熱田神宮にお祀りされています。

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草薙神剣を祀る熱田神宮

駿河国で、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまの、お命を守られた、天照大御神さまの「三種の神器」の一つ神剣の「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」。
この神剣を、御身から外されてお出かけになったときに、山の霊気の毒にあたられてしまうのです。なんとも……ですね。
荒ぶる敵との闘いには勝利し、帰路につかれていたのに……。
日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、愛する故郷の倭を思われて、亡くなられたのです。
伯母である倭姫命(やまとひめのみこと)さまも、どれほど悲しまれたことでしょう……。

愛知県名古屋市の「熱田神宮」のご祭神「熱田大神(あつたのおおかみ)」さまは、この「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」を御霊代(みたましろ)とされる天照大御神さまのことです。
日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さま、天照大神さま、素戔嗚尊(すさのおのみこと)さま、そして、日本武尊の妃、宮簀媛命(みやずひめのみこと)さま、そので、尾張の地方の繁栄の礎を築かれた建稲種命(たけいなだねのみこと)五柱もお祀りされております。

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故郷、倭を忍びて……

悲劇の英雄神と呼ばれる日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまについては、「元伊勢」の物語が終わりましたら、『古事記』の神話の読み下しの、続きでまた綴らせて頂きますね。
ちなみに私は、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまと、弟橘比賣命(おとたちばなひめのみこと)との愛の物語が大好きなのです。
待っていてくださいね。
いつも、ありがとうございます。感謝を込めて。
明日からの令和三年後半も、皆さまお一人お一人、佳き年でありますように!

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―次回へ
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