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“毒龍”から龍神と成り見守る強き神 神話は今も生きている ことの葉綴り。二五三

箱根神社と九頭龍神社さま

こんにちは。霜月の日曜の午後です。
昨夜から少し風邪っぽかったので、今朝はゆっくり過ごして。
お昼から、「ことの葉綴り。」に向かいます。

前回は、箱根大神(はこねのおおかみ)さまが、
天孫降臨された瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)さまと
そのお后の、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)さまと
その御子、山幸彦で知られる、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)さまの、神話の物語の重要なかみさまで
親子三柱であること

そして、「箱根元宮」のある駒ヶ岳の山頂が、
古代に祭祀が執り行われていたことを、ご紹介しました。

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今回は、箱根神社さんの続きです。
箱根神社さんは、「九頭龍神社」としても知られています。

九頭龍神社さんは、芦ノ湖の水面に立つ鳥居が有名です。
芦ノ湖の湖尻にあり、ザ・プリンスホテル箱根芦ノ湖の「箱根九頭龍の森」の自然公園の中にご鎮座されていて、「九頭龍伝説」の伝わる聖地として、縁結び、金運守護、商売繁盛の神さまとして知られています。

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萬巻上人(まんがんしょうにん)

今回は、箱根神社さんと九頭龍神社さんの由来を、ご紹介しますね。

箱根神社」さんは、第五代、孝昭天皇(こうしょうてんのう)の御代に聖占仙人(しょうぜんしょうにん)が、神山にお鎮まりになられる山神の御威徳を感じられ信仰されて、駒ヶ岳山頂に神仙宮を開かれ、古代祭祀が執り行われてきました。
それが約二千四百年前のことでした。

それからのちの、奈良時代
神話の物語で綴っている時代の、まだまだ先の時代のことです。

奈良時代、第四六代の、孝謙天皇(こうけんてんのう)の御代、
高僧の萬巻上人(まんがんしょうにん)が、駒ヶ岳の峰に、修行にお入りになります。
苦行に明け暮れて修行されること三年。
このときに、霊夢をご覧になり、そして、箱根三所権現として、箱根大神さまを奉斎されて、
七五七年(天平宝字元年)に、麓にある芦ノ湖の湖畔に、ご社殿を建てて、里の宮にしたのが、「箱根神社」です!!

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九つの頭を持つ毒龍VS萬巻上人(まんがんしょうにん)

このころ、芦ノ湖には、九つの頭を持つ毒龍がいて、ときおり雲を呼び起こして天候を荒れ狂わせていました。
また毎年、若い娘を生贄にして差し出さなければいけませんでした。里に暮らす人々は、そのことで苦しんでいたのです。
萬巻上人(まんがんしょうにん)は、この様子をご覧になって、
なんとか、里人たちを救済しようと決意なさいます。

芦ノ湖の湖水に壇を設けて、参篭されて断食をされて一心不乱にお祈りを続けられました。

ああ~もうたまらん。苦しい。許してください。

いや、まだ許せん。お前の罪は、山よりも重い!

お許しください。もうしません。

否! 決してもう二度と湖上に出てきてはならぬ!!!!

萬巻上人(まんがんしょうにん)は、湖の底に生えている逆さ杉で、九頭龍を鎖で縛りつけたのです。

生贄の変わりに、三斗三升三合三勺のお赤飯を、21日間の祈祷万巻の日前日に捧げることを誓い、湖畔の壇で、箱根大神(はこねのおおかみ)さまのお力をお借りしながら、経文を唱え続けられます

やがて、九頭龍は、懺悔をして改心をします。

これまでの罪のつぐないをいたします。お願いです。許してください。

萬巻上人(まんがんしょうにん)は、箱根大神(はこねのおおかみ
さまのお力と、法力を持って、この毒龍を調伏されたのです。

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毒龍から強き龍神へ!


そして、九頭龍は、宝珠(ほうじゅ)、錫杖(しゃくじょう)と水瓶(みずがめ)を、捧げて、神仏へと帰依をして、龍神へと代わり、この土地の守り神となったのです。

神話の物語、須佐之男命さまの「八岐大蛇退治」を思い出しますね。

違うところは、須佐之男命さまは、ご自身が荒ぶる神から、愛する媛を守ることで変容し成長されたこと。そしてこちらは、芦ノ湖の“毒龍”さん自身が、懺悔をして改心されて強き龍神となられたこと。芦ノ湖で、私たちを今も見守ってくださっているのですね

神話は今も生きている!

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―次回へ

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