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愛の歌 海幸山幸27 神様も“失敗”して成長した ことの葉り。百九十

愛の返歌

赤玉は 緒さへ光れど
白玉の 君が装(よそひ)し
貴くありけり


赤ちゃんのことを、母として想わない日はありません。けれど、白玉のような貴いあなたのお姿が、それ以上に恋しくて……今も、貴方をお慕いしております。

海の世界へと戻っていった豊玉毘賣さまが、
地上に遺した我が子と、愛する夫の山幸彦さまへの
募る心をお詠みになった歌。

妹の玉依比賣さまに、我が子の養育をお願いし
この、愛の歌をも託したのです。

それを詠まれた山幸彦さまも、豊玉毘賣さまへの溢れる想いを断ち切ることができずにいらっしゃいました。

そして、豊玉毘賣さまの想いに応えて、
山幸彦さまも、こう歌を詠まれました。

沖つ鳥
鴨著(ど)く島に
我が卒寝(ゐね)し
妹は忘れじ
世のことごとに


沖つ鳥の鴨たちが寄り付く
遠い遠い、海原の綿津見神の島で
私が共寝をして暮らした麗しい妻よ
愛おしいあなたのことを、
私は一日たりとも忘れることはできない。
この世に生きている限り……。

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赤い糸

海の世界と地上の世界
どれほど、遠く離れても
互いのことを、お大切に愛おしく想いあう。

命のある限り……。


山幸彦さまと豊玉毘賣さまの、お心は
ずっと繋がっていたのです。
たとえ、別れて離れ離れに暮らしていても……。
まさしく、赤い糸で結ばれていらしたのですね。

そして天孫の御子は、豊玉毘賣さまの妹の玉依比賣さまが
愛情深くお育てになられます。

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愛は時空を超えて

山幸彦さまは、
日子穂穂手見命(ひこほほでみのみこと)とも仰いますが、
高千穂の宮殿にいらっしゃって、
五百八十年もの間、
豊葦原中つ国をお治めになりました。

そして御陵は、高千穂の山の西に建てられました。


想いは時空を超えてゆく。
命を終えられて、その募る想いは、
遠い遠い沖つ島の
愛する豊玉毘賣さまのいらっしゃる竜宮城へと
飛んでいかれて、
「再会」を果たされたのでしょうね、きっと……。


あなたの「大切な人」はどうしていますか?
別れたけれど
もう会えないけれど
それでも大切な存在

今日はこの二柱さまの愛に想いを馳せて……。
歌の“邪魔”をしたくないな~って……。


「ことの葉綴り。」
今日は、短いですが、「愛の歌」の余韻とともに終わります。

日曜の朝、台風10号にも、皆さん、お気をつけてくださいね。
いつも、ありがとうございます。

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―次回へ。

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