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終夜(よもすがら)祝いの宴 元伊勢一一四 神話は今も生きている ことの葉綴り四四四

大幡主命(おおはたぬしのみこと)の国祝い

こんにちは。曇り空の火曜日。いかがお過ごしですか?
「ことの葉綴り」を訪れて下さって有難うございます。
今日はお仕事の合間のひとときに、神話の物語に向かいます。

「ことの葉綴り」のこれまでの、それぞれの神さまごとの物語は、マガジンにまとめてあります。こちらをご覧ください。


天照大御神さまが、伊勢の神宮にお祀りされるまでの「元伊勢」の物語を、マガジンに分けてみました。良かったらご覧くださいね。
初代の斎王、豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまの、ご巡幸の物語は、こちらをご覧ください。

二代目の斎王となられた倭姫命(やまとひめのみこと)さまの、伊勢までの物語はこちらを。


伊勢の五十鈴宮が、「御こころに適うところ」であると、天照大御神さまの御夢をご覧になられた倭姫命(やまとひめのみこと)さま。三十年以上にわたる、ご巡幸を共にされた、側近の重臣「御送駅使(はゆまのつかひ)」と呼ばれる五大夫(ごたいふ)と、大幡主命(おおはたぬしのみこと=大若子命)に、すぐさま詳しく丁寧に、天照大御神さまの御夢のご報告をされたのです。

五大夫たちと大幡主命も、それは大喜びです。
倭姫命さまご一行の、長年の旅のご苦労も吹き飛んでいくほどの、歓喜に包まれます。


時に、大幡主命(おほはたぬしのみこと)悦びで白(まを)さく、
「神風(かむかぜ)の伊勢の国、百船度会(ももふねわたらひ)の県(さと)、佐古久志呂宇治(さこくしろうぢ)の五十鈴河上に鎮まり定まり坐(ま)す皇太神(すめおほみかみ)。」と、国保伎(=寿ぎ)奉りき。
終夜(よもすがら)に宴楽(とよのあかり)したまひ舞ひ歌ふこと、日の小宮(わかみや)の儀(よそほひ)の如し。

皆んなが喜びに沸き立つ中、大幡主命(おおはたぬしのみこと)が、
神風の伊勢の国、(百船ももふね)度会(わたらい)の県(さと)、
(佐古久志呂)宇治の五十鈴川の川上に、お鎮まりお定まりになる皇大神(すめおほみかみ)。

と、国を寿ぎ、お祝い申し上げたのです。

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終夜(よもすがら)の祝いの宴

そして、倭姫命さま、「御送駅使(はゆまのつかひ)」と呼ばれる五大夫(ごたいふ)と、大幡主命(おおはたぬしのみこと=大若子命)はじめ、みなは、終夜(よもすがら)一晩中、喜びの宴を催されました。
皆で、舞ったり、歌ったりすることは、まるで、天界の高天原にある「日の若宮」の、儀式のようでした。

私達は今、人と集まったり、一緒に歌ったり踊ったり、食事をしたりできませんが……やはり、嬉しいとき、幸せなことがあったとき、古の神さまたちも、みなで一同に、飲めや歌えや、だったのですね(笑)。

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高天原の「日の若宮」の宴のように

しかも皆で祝う宴は、高天原「日の若宮」の儀式のようとあります。
天上界の天津神さまたちの宴、メチャ楽しそうですね。

五十鈴宮での倭姫命さまご一行の宴も、皆の笑顔や歓びの声が聞こえてきそうです。
終夜(よもすがら)って、一晩中、朝まで?(^^)
それぞれにお酒を注ぎ合ったり、旅の苦労を思い出して泣き出したり、それを見て笑いあったり、それぞれの人生を、命を懸けてのご巡幸を、振り返り感慨深かったでしょう。
倭姫命さまは、皆の様子を、微笑んでご覧になられてたのでしょう。

私達も、また早く、世の中が落ち着いて、皆で集い、歌い舞い、ご馳走を食べる宴ができるようになりますように……。

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―次回へ
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