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神様と“つながる”ため浄めの言霊「忌詞」元伊勢一四四 神話は今も生きている ことの葉綴り四七六

雨の土曜日

小雨降る、週末の朝、おはようございます。
皆さん、今週もお疲れ様でした。私も(^^)
紫陽花の美しい季節ですね。
一日雨降りのようですが、気温も低く過ごしやすいですね。
今朝「ことの葉綴り」のひとときです。この後“やりたい”ことがあるのです。久しぶりのヨガにいくこと。
午後からは、先日届いた、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の“自宅上映”です(笑)。煉獄杏寿郎さんに“会える”のが楽しみです!

さっそく、倭姫命さまの物語の続きとなります。
宜しくお願い致します。

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<ことの葉綴り>ご案内

この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。

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「外七言(そとのななこと)」

第十一代垂仁(すいにん)天皇の御代、二十六年、倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、伊勢の五十鈴川のほとりの五十鈴の宮に、天照大御神さまをお遷しし、お祀りし奉りました。
伊勢の神宮。内宮こと「皇大神宮(こうたいじんぐう)」です。

その後も、倭姫命さまは、天照大御神さまにお慶びいただけるように、朝夕のお食事の御贄(みにえ)をはじめ様々なことをお定めになっていきます。このころにお定めになったものが、今の伊勢の神宮にも受け継がれています。私達は、二千年前とも、つながりを感じることができるのですね。

その一つに、前回も綴った言霊(ことだま)。
清浄をもっとも尊ぶご神事において、祭祀を奉仕するものや参列するものが、浄められているようにと、心身を清め、さらには口から出る「言葉」で穢れることのなきように、特別に用いたのが「忌詞(いみことば)」です。


外七言(そとのななこと)とは、死を奈保留(なほる=直る)と称(い)ひ、病(やまひ)を夜須美(やすみ=休み)と称(い)ひ、哭(な)くを塩垂と称(い)ひ、血を阿世(あせ=汗)と称(い)ひ、打を撫(な)づと称(い)ひ、宍(しし)を菌(たけ)と称(い)ひ、墓(はか)を壌(つちくれ)と称(い)ひ、

外七言(そとのななこと)」は、病と死にまつわる言葉です。
死ぬことを、元に戻ると、死の裏言葉の「奈保留(なほる)」。これは、伊邪那岐・伊邪那美命(いざなぎ・いざなみのみこと)さまの生と死の世界がハッキリわかれたことにより、死の世を絶対的にとられているからこそ、対語となる裏言葉になっているのだろうと言われています。
病(やまひ)は、夜須美(やすみ)、お休み。こちらも裏言葉。でも、お休みして、体を回復することでもありますよね。

哭(な)くを塩垂る。この「哭(な)く」は、深い深い悲しみの慟哭(どうこく)のですよね。
古来から、泣くことを「塩垂る」といいます。涙で袖が濡れる。嘆き悲しむ。涙ってしょっぱかったりしますよね。
今では、大切な人の死を乗り越えるための「グリーフケア」も大切にされていますよね。

血は、「汗(阿世)」
打つは、撫でるという裏言葉を。
宍(しし)を菌(たけ)、この宍(しし)は、肉叢(ししむら)という肉塊、肉体のこと。それを茸の菌(たけ、くさひら)と。
肉塊を、野菜へと置き換えたのですね。

墓は、壌(つちくれ、つちむら)。

亦、優婆塞(うばそく)を角波須(つのはず=筈)と称(い)ふ。

また、在家のまま仏門に仕える髪のある男性「優婆塞(うばそく)」は、髪を束ねた形が角のようということで、「角筈(つのはず)」
と、ありました。「『倭姫命世紀』研究―付訓と読解―」(中村幸弘著 新典社)」より。

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清浄を尊ぶ原点、伊邪那岐命さまの「禊」

ただ、これは本当に二千年前の倭姫命さまのころに、お定めになられたのかしら? と、思ったりもしますが、平安時代、醍醐(だいご)天皇の命により、九二七年に編纂された、法典『延喜式(えんぎしき)』では、すでに記載があります。

天照大御神さまにお仕えするために、倭姫命さまも豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまも、清浄をもっとも尊ばれていたのは間違いありません。
なにしろ、「(みそぎ)」は、天照大御神さまの誕生にまつわる、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)さまの神話までさかのぼりますからね。


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自然の偉大さに委ねるこころを言霊に


そして、今を生きる私たちも、言葉の言い換えを、暮らしの中でおこなっているのですよね。
よく、結婚式や宴では、別れ・終わるをイメージする「戻る」「終わり」を「お開き」というように「縁起」を大事にしますもんね。
ほかにも、「忌詞(いみことば)」には、山の猟師さんが深い山の中でつかう「山言葉」や、海の漁師さんや船乗りさんが海の上でつかう「沖言葉」があります。

どれも、偉大な自然と向き合う、結婚式など、ご神前での儀礼で、神さまや神聖なものと共にあるとき、自分たちだけの力では及ばないことを、生きる中で実感する方たちが、大切にされてきたのだなと感じます。
この「忌詞」とは、私たち人間が、神さま、自然の神々とつながり、「お見守りください」「この聖地に在ることをおゆるしください」……などの、尊い祈りの気持ちの発露から出たものかもしれませんね。

とても長くなりました。
みなさま、いつもありがとうございます。
楽しい週末をお過ごしくださいね。

私は、煉獄さんに“会って”きまーす(^^)

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―次回へ
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