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倭姫命様、もう一つの真名鶴伝説 元伊勢一三八 神話は今も生きている ことの葉綴り四七〇

「小さな親切運動」の日曜日

おはようございます。昭和三十八年六月十三日にスタートした「小さな親切運動」。今日はその記念日。
身近な人に「ありがとう」を伝えたいですね。
私は、この「ことの葉綴り」を訪れてくださる方に「ありがとうございます」の感謝と、皆さんお一人お一人のご多幸を願い手を合わせます
そして、今日は、離れた実家の家族とオンラインでつながるので、笑顔で感謝を伝えようっと!
皆さんは、どんな“小さな親切”をされますか?
さて、今日も、倭姫命さまの物語を綴ります。どうぞ宜しくお願いします。

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真名鶴を追う足速男命

約二千年前の垂仁天皇の御代二十六年の冬倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、皇祖神の天照大御神さまを、伊勢の五十鈴の宮にお祀り申し上げました。
こちらが伊勢の神宮の内宮こと皇大神宮(こうたいじんぐう)です。
翌年の二十七年の秋、倭姫命さまは、昼夜鳴き続ける真名鶴と出会われて、志摩国に「伊雑宮(いざわのみや)」をお造りになられました。

又、明年秋之此、真名鶴、皇太神宮(すめおほみかみ)の宮に当りて、天翔り(あまがけり)北従り来て、日夜止まず翔り鳴きき。
時に、白の草(はじめ)に当りき。爰(ここ)に、倭姫命異しみ給ひて、足速男命(あしはやをのみこと)を差(つか)はして、使ひとして見令(みし)めたまふ。
罷到(まかりいた)りて見れば、彼の鶴は、佐佐牟江宮(ささむえのみや)の前の葦原中に還り行きて鳴きき。

天照大御神さまに献上しようと、千の穂を茂らせる稲を咥えて飛んでいる真名鶴と、志摩国で出会われた倭姫命さま。
それから、季節も廻り、その明くる年、垂仁天皇二十八年、同じ秋の時分のころのことです。
一羽の真名鶴が、今度は、北のほうから天を飛んでやってきて、天照大御神さまのお鎮まりになる皇大神宮(こうたいじんぐう)にぶつかって、夜も昼も止むことなく鳴きながら、飛び廻っていました。

はて、今年も真名鶴がやってきた。なんであろうか
倭姫命さまは、不思議なことだとあやしく思われました。
そのときちょうど昼になったばかりの外は明るい時間帯でしたので、
足速男命(あしはやをのみこと)を、お呼びになり、
あの真名鶴がどこから飛んできているのかを調べるように」と、使者として、真名鶴の後を追うようにお命じになりました。

足速男命(あしはやをのみこと)、名は体を表すように、きっと足が速く俊敏だったのでしょうね(^^)。
この足速男命(あしはやをのみこと)は、天翔けながら鳴いている真名鶴を見失わぬように、懸命に追いかけていきます。

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佐佐牟江の真名鶴


すると、この真名鶴は、佐々牟江宮(ささむえのみや)の前にある葦原の中へと還っていき、そこで鳴いています。

使到きて葦原中を見れば、稲生ひたり。
本(もと)は一基(ひともと)に為(し)て、末は八百穂(やほほ)に茂れり。咋(くは)へ捧げ持ちて鳴きき。
爰(ここ)に、使到きて見顕す時、鳴く声止みて、天翔る事も止みき。

足速男命(あしはやをのみこと)が、そう~っと近くへ寄り、よく見てみると、この葦原の中に稲が生えています。
本(もと)は一本ですが、先端が八百の穂になり豊かに茂っています。
真名鶴は、この稲をくわえて、捧げ持ちあげるようにして、鳴いて
いたのです!
足速男命(あしはやをのみこと)が、真名鶴の傍にいき、その正体を暴くと、真名鶴は鳴くのをやめて、天空を飛び廻ることもやめたのでした。

……なんだか、聞いたことありませんか? 志摩国で見つけた真名鶴のおはなしととっても似ていますね。まさに、言霊の力ですね。

と、今回登場した「佐々牟江宮」も覚えていますか?
倭姫命さまが、長いご巡幸の旅をされて、御船で、伊勢の国に辿りつかれたときに、天照大御神さまのご神勅があったところです。
現在の三重県多気郡明和町です。なんだか、とっても前のように思います。それだけ、倭姫命さまご一行が、ご巡幸を続けられたということですね。

さて、続きはどうなるでしょう?

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<ことの葉綴り>ご案内


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