嫉妬と本音、恋歌を詠む父子 応神天皇十五 神話は今も生きている ことの葉綴り六三四
神話にも出てくる「かつお節」?!の日
おはようございます。いつも「ことの葉綴り」をご覧くださり、本当にありがとうございます。
寒くなってきましたね。温かい出汁のきいたお味噌汁で体を温めたい季節。で、十一月二十四日は、「かつお節の日」なんですって。
かつお節の歴史は古く、神話の『古事記』に登場する「堅魚」が、その原型らしいです。
第21代雄略天皇の御代の物語に「堅魚」出てきます。物語では……まだまだ先ですね(^^)。
たんぱく質が豊富で、鉄分もあり、私たちのソウルフードで健康食ですね。
そんな、「かつお節の日」の暦は、六曜が「大安」で、万事に良い大吉日。十二直は、障害を取り除く「除」、薬の飲み始め、治療はじめ、掃除に吉。二十八宿は「箕」で、物の仕入れ、集金、改築、建築に吉です。
今日は、かつおだしのお味噌汁やおすましで、体を温めて心もホっとするのはいかがでしょう?
<ちょっとお知らせ>
奉職神社の新嘗祭と秋季例大祭のため二十六日~三~四日間、神話の物語を綴ることでできません。暦だけか、写真のみでも、可能なら更新しようと思います。どうぞ、宜しくお願い致します。ペコリ。
<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて読めるようになっています。
「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごとに18のマガジンに分かれています。全体のご紹介は、こちらをどうぞ。
600回の節目に、まとめてみました。
<応神天皇さまの物語 あらすじ>
第十五代応神天皇さまの皇子大雀命さまは、天皇の妃候補の髪長比売に恋をし、「私の妃にとお願いしてほしい」と嘆願します。
父、応神天皇さまは、その願いを受け入れ、「新嘗祭」後の祝宴の席で、息子に、髪長比売さまを譲られて、若いものたちを祝福する御歌を詠まれたのでした。
ちょっぴり嫉妬?かなりの本音!?
若きお前たちよ、野蒜を摘みに行こう!
中ほどの枝にだけ残る花橘の蕾のように、
頬を紅顔に染めているつややかな乙女を、自分の妻とするがよい!
父として祝いの御歌を詠まれた応神天皇さま。
さらに、御歌は続きます。
水溜まる 依網の池の 揠杙打ちが
插しけ知らに
蒪操り 延へけく知らに
我が心しぞ いや愚にして
今ぞ 悔しき
水の溜まる依網の池の、水をせき止めるために杭を打つ男が、杭を挿したことを知らないで……。
じゅんさい(水草)取りの男が、そこに手を伸ばしていたことも知らず……。
私の心は、なんと、愚かだったであろう。
今になってみると、悔しくてたまらぬ……。
ここに出てくる、「杙打ちの男が杭と打つ」「じゅんさい取りの男が手を伸ばす」とは、自分以外の男の人が、(ここで息子ですね)女性に手を伸ばしていたこと、という意味っぽいです。
前回は、息子とその妃となった比売を、おおらかに祝福をして、
この御歌では、ちょっぴり、「ちっくしょー、やっぱり悔しいぜ」って、“男”としての本音も吐露されている感じですよね(苦笑)
どちらも紹介されているのが、おもしろいですよね。
でも、父と息子の間で、争いになったりしなくて、本当によかったです。
息子は、幸せな恋の歌を
一方、願いが叶った皇子の大雀命さまも、
恋が成就し、妃となり結ばれたことを歌に詠まれています。
道の後 古波陀嬢子を
雷の如 聞こえしかども
相枕枕く
遠い国から来た、日向の乙女を
雷のように、とどろく評判が騒がしく聞こえていたが
今、私は、手枕を交わして、この乙女と共寝をができるとは……。
まあ~なんと、こちらも情熱的な~!
もう一首、詠まれていますよ。
道の後 古波陀嬢子は 爭はず
寐くをしぞも 愛しみ思ふ
遠い国から来た、日向の乙女、髪長比売は、
私に抵抗することなく拒むことなく素直に
私と共に寝たことを、私は、素晴らしく、心から愛おしいと思う。
いや~、もう、おめでとうございます、ですね(^^)
きっと、ダメ元で嘆願した一途さに、父が認めてくれて娶ることができたわけですからね。
応神天皇さまも、寵愛する矢河枝比売との出会いもあり、恋の御歌を詠まれましたし……父も息子、恋に情熱的なところがよく似ていますね(笑)。
ええぃっ、お野菜の収穫物でつくられた「宝船」でお祝いだ~(^^)(by 明治神宮 新嘗祭のお供え)
ではまた次回!
#一度は行きたいあの場所
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