内向型の知られざる特性と原因…偏桃体が大きなカギ?

世の中は内向型にとっては肩身が狭いものとなっています。

「みんな」で仲良くするようにと教わり、コミュニケーション力が大事だと言われ、シャイでいるよりフレンドリーで誰からも好かれるようなほうが良しとされます。

これらはすべて内向的な人には苦手なことであり、そのせいで苦労したこともたくさんあるかと思います。

また、アメリカ大統領のほとんどは外向型だと言われ、思い当たる成功者も外向的な人のほうが多い印象でしょうか。

悲しいかな、生きやすさも成功しやすさも外向型の人のために設計されているような現状なのです。

しかし、インターネットの発達により、内向型の人にも発言しやすい機会がうまれ、最近では内向型の人の様々な利点も騒がれているところです。

そこで今回は、内向型の人がどうして内向型なのか…その一つの要因とされていることと、そこからわかる内向型の知られざる特性についてお話します。

高反応と低反応、どちらの方が内向型か?

こんな実験があります。

赤ん坊のときに、刺激に対してどんな反応を示すかによって、将来物静かな内向型になるか、それとも誰とでも仲良くなるような外向型になるかを予想するという実験です。

皆さんは、刺激(カラフルな色や、声、においなど)に対して大きく反応する「高反応」な子供が外向型と内向型のどちらになりやすかったか…わかりますか?

高い反応を示すくらいなのだから、活発な外向型なのではないかと考えた方…私も最初はそう思いました。

実はその逆、「高反応」な子供の方が、内向型になりやすかったのです。

なぜ、高反応な子供の方が内向型になりやすいのか…それは一言で言うならば、高反応な方が用心深いからなのです。

高反応性と偏桃体

そもそもなぜ高反応な子供とそうでない子供がいるのか…その違いのカギとなるのが大脳辺縁系の奥にある「偏桃体」とよばれるところです。

偏桃体は食欲や性欲、恐怖など、根本的な本能の多くをつかさどっている部分です。また、「感情脳」と言われ、脳内の感情スイッチの役割を担っており、外界からの刺激を脳の他の部分に伝え、神経系に指令を出します。

外部からの刺激によって、偏桃体の反応が大きいほど、心拍数が上がり、瞳孔が開き、声帯が緊張し、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)値が高くなります。

例えばもともと偏桃体が興奮しやすい人は、外部からの刺激に強く反応し、先ほど挙げたような反応が出やすくなるのです。

つまり…高反応な人は、偏桃体が興奮しやすく外部からの刺激に敏感であるがゆえに、緊張しやすかったり、いろいろなことが気になり大胆な行動がとれず、内向的な人間になりやすかったのです。

これだけを言うと、偏桃体が興奮しやすいということはデメリットの事のように聞こえるかもしれませんが、それを逆手にとって利用することももちろん可能なのです。

高反応であることを利用する

高反応である…つまり刺激に対して敏感であるということは、生物にとって非常に重要な要素です。

そもそも重要な要素であるからこそ、淘汰されずに残っているわけでありますが、例えば、においなんかで食べ物が食べられるものか判断したり、物音で危険を察知したりと、危険を察知するうえで欠かせない要素でした。

また、こういった危険に対してだけでなく、高反応な人は様々な刺激に対して敏感です。

人のことをよく観察するので共感力が高かったり、複雑な感情を生み創造性につなげたり、より多くの刺激をうけるので深く思考することができます。

こういった能力は、表現しなければなかなか表に出ず、評価がされにくいものです。ましてや内向型の人はその表現が苦手です。

しかし、現代ではその隠れた能力を誰でも簡単に発揮できる場所があります。…それはインターネットです。

実は内向型の人は、外向型の人より文章を書くことが上手く、またインターネットでの発言がより活発であることが知られています。もちろん、言葉を発するだけでなく、内向型の人がもつ創造性は、インターネットのおかげでより発表しやすい状況にあります。

今はまだ内向型にとって住みにくい世界である部分もありますが、インターネットの登場により内向型の活躍の場はどんどん広がり、今や内向型のほうが成功しやすい社会になることも十分にありえます。

…とかなり内向型びいきな今回の投稿でしたが、もちろん外向型のメリットもあって、どう活かすかが大切なわけですね。

内向型や外向型という一つの特性だけを見るのではなく、なぜそうなるのか、という脳の仕組みなどを知ることで、より活かしやすくなると思うので、これからもいろいろな本を読んで、日常で活用していきたいなと思います。

参考文献:内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える(スーザン・ケイン )

ps
私は内向型です。

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