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ドラムと読書が好きなサラリーマンです。自分が普段書いている日記の中から人に見せたいと思…

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ドラムと読書が好きなサラリーマンです。自分が普段書いている日記の中から人に見せたいと思ったものを投稿します。

最近の記事

高等遊民の夢:4月30日

こんな夢を見た。  新居は変わった物件だった。宗旨は知らないが大きな寺の門前の、木造の古い家で、門徒が暮らしていたらしい一棟である。私が起居する居間の前はすぐ広い土間のようになっていて台所があり、壁沿いに煮染めたような古い木の棚がずっと玄関先まで並んでいる。土間は長く表通りまで廊下のように続いていてその土間に沿って左手に三つ四つ部屋が並ぶ。通りに面した一番端の部屋は客間になっていた。  私はほとんど居間で過ごしているので他の部屋にあまり関心がなかったが、色々な人が勝手にやって

    • 日記:死と光の島について

       先日自分の社会人人生の師匠に当たるOさんが肺ガンにより帰らぬ人となった。以来折に触れて死と生について考えている。  しりあがり寿の漫画で「生は無限の虚無に浮かんだ光の島」という例えがあって、私はこの例えが好きだ。本来は虚無があって、そこに誠に不思議なことに生者として自分達は存在している。生きていれば楽しかったり苦しかったり色々あるけれど、どんな思いをし何をしようとも、やがては皆虚無に飲み込まれ帰っていく。結局行き着く先は虚無だというのに何故我々は生きているのか。虚無は無限

      • 5月20日 : 大浴場と家族の夢

         在宅で仕事をする。嫌な仕事ばかりで終日気分があがらない。夜ウーバーイーツで夕食をとり、ベッドでアニメを見ているうちに眠ってしまい、起きようにも起きられない半睡半醒の状態が続きくらくらする。  夢の中で私は外回りをして帰宅をした。陽が傾きあたりは夕焼けに染まっている。マンションの外壁にある九十九折の外階段を登ると五階に大浴場があった。そういえば入居して4年にもなるが利用するのを忘れていた。会社の金とはいえせっかく共益費を払っているのにもったいない。私は8階の自宅まで一度帰ると

        • 日記:同調圧力と私

           新垣結衣と星野源が結婚したそうだ。私は日頃同調圧力というものを憎んできているので今は複雑な感情に駆られている。2人の結婚はめでたい。それをお祝いしながらも悲しがる各々のファンの気持ちもわかる。各々好きなリアクションをすれば良いのは当然だ。しかしサラリーマンである私が今日事務所で見た景色の悲しさはいったいなんだろうか。上役が新垣結衣の結婚をことさら悔しきことのように語る。なんなら新垣結衣はセンスがない、だとか勝手なことを言う。そうしてそれにお約束のリアクションを取り追従する部

        高等遊民の夢:4月30日

          学生寮のピンク電話の話

           私が2018年3月まで住んでいた学生寮には古い共用の電話があった。昔の喫茶店にあったようなピンク色の電話で、一般の公衆電話のように小銭を入れて使うようになっている。昔は寮生がよく利用したようだが、苦学生であっても携帯電話を持っている者がほとんどの現代では誰も使う者がいなかった。  この学生寮は大学当局とは切り離された自治寮であったために非常に安く暮らせたが、その分環境は常識離れして悪く、度を越して貧乏な学生以外に住む者はいない。寮生は念々減少を続け、人が減れば自治が行き届

          学生寮のピンク電話の話

          葡萄パンと仁鶴の夢

           前書き:以下の夢日記は4年程前の冬の日に書いた物からの抜粋である。不思議と東京に暮らしている夢を見ている。しかし当時の私は東京のことを知らないので、東京の景色は出てこない。  私が東京に越してきてどれほどの時が経っただろうか。東京にいるのに私は何故か変わらず汚い学生寮に暮らしていた。今日も同じように粗末なベッドの上で目を覚ます。私は朝食のために机の上の混沌から葡萄パンの袋を掴み取ると一つ取り出して咥えつつ、珈琲を飲むために冷蔵庫の上の湯沸しを取りにいく。すると湯沸しの隣に

          葡萄パンと仁鶴の夢

          日記:2021/4/25

           昼ごろ起きて二郎に行く。ここしばらく狂ったようにワンピースを読んでいるので1時間の並びも苦にならなかった。帰宅してベッドでワンピースを読んでいたら眠ってしまって22時頃起きる。また長い夢を見ていた。  夢の中でまた学生寮にいた。窓から見える中庭で草木が勢いよく茂っていてもう初夏なんだなと思う。空が晴れて風が気持ちよい。もうすぐ5月だというのにまったく研究室にいっていない。俺は今年こそは卒業しないといけないのに大丈夫だろうか。もともと無人に近かった学生寮も今や卒業・退学で完全

          日記:2021/4/25

          塩釜のことを思い出しながら

          十年前の三月十一日、私は高校を卒業したばかり、春からは浪人生活が控えていて、取り立ててやることもないのでのんびりと家で転がっていました。地震が来た時にはぼんやりテレビかなにかを見ていたと思います。家が軋むほどに地面が揺れはじめ、慌てて表に出ると玄関先の水たまりがぱちゃぱちゃと音を立てて波立っていて、ずいぶん驚きました。見慣れた庭の水溜まりが波立つ不思議な景色は人生で初めての経験で、今でもよく覚えています。しかしその後すぐ、テレビで報じられた津波の映像を見て、比較にならない衝撃

          塩釜のことを思い出しながら

          石を投げる人の夢:2月19日に見た夢

           私は学生寮の一室で目を覚ました。古い木枠の窓の外に灰色の空が広がり、ずいぶんと寒い。きゃいきゃいと子供の声が窓から聞こえてくる。私は粗末なベッドから身を起こすと窓辺に立った。部屋は4階で、眼下には中庭と寮の門、その先に広がる街並みがある。時間は夕方だろうか。門の前の細い道にはKちゃんがいた。Kちゃんは私の学生時代の友人である。小太りで背は低く、髭が剃ったそばからはえてきて、いつも顔の半分がざらついている。温和で人間嫌いなKちゃんのことが私は好きだった。彼とはもう何年も会って

          石を投げる人の夢:2月19日に見た夢

          さっき見た夢のこと:21年1月31日

           営業マンとしてネクタイをしめ私はある大学の薄暗い部屋に座っていた。目の前には生白い陰気な顔をした男が座っている。この男は大学で大きな力を持ったある研究者であり、来年にせまったこの大学の創立百周年を祝う記念誌の発行についても責任を負っている。私は会社の命令で不慣れな印刷物の仕事をこの男に売り込んだのだった。  昨日はこの男から当社の本事業へのエントリーのために必要な情報をとりまとめて、今日報告するように言われていた。しかし報告できる内容はなかった。私は眠る以外の業務時間を眠っ

          さっき見た夢のこと:21年1月31日

          11月16日の日記:昨日見た眠れない夢について

           空が藍墨を流したように燻んでいる。私を囲む松や竹藪の影がその空へなお黒くくっきりと浮かぶ。日は落ちて行くのか、これから登るのか判然としない。私は生家の前の、朽ちかけた石塀と大きな岩とに囲まれた小さな庭に布団を敷いて女と横になっていた。私の家は神社の境内にあるので、竹や松や巨岩に囲まれているのだった。あたりはシンと静まり返り、音はしない。生家の方からもなんの気配もしない。境内は寒く、私は掛布をずりあげようとした。  掛布はタオルケットと毛布と綿入れだった。私が子供の頃に愛用し

          11月16日の日記:昨日見た眠れない夢について

          10月11日の日記:昨日見た変な夢について

           藤崎竜の封神演義をベッドで読んで寝たり起きたりしている間に時間がたち、ふと窓の外に目をやると日が落ちていた。秋の夜は早くやってきて長い。動くのも面倒なのでまたベッドで封神演義の続きを読むが、気が付くとまた眠っていたようだ。  妙に風の音がうるさいのでしぶしぶ私は目を開けた。私の住むマンションは通風孔が常に動いているのだが、それにしたっていつもより風の音がうるさい。こういう音がする時は大概、換気扇がつけっぱなしなのか、ドアに隙間が空いてしまっているかのどちらかだ。気密性の高い

          10月11日の日記:昨日見た変な夢について

          8月31日の日記:私とSNSについて

           私の思考は散漫である。多動とも言えるだろう。物事に集中できず、何かに没入することが苦手だ。この一年くらいでその傾向は強まる一方である。これを書いている間もあらゆる思念の奔流に苛まれている。その癖何かの拍子に集中すると途端に周りが見えなくなる。バランスが悪く難儀だ。  そんな私がSNSを見るとどうなるか。SNSではあらゆる友人知人他人がそれぞれ自分勝手に情報を噴出している。新しいアルバムを作った人、雑誌を作った人、バンドを辞めた人、美味しいものを食べた人、赤ちゃんを産んだ人、

          8月31日の日記:私とSNSについて

          2019年2月27日の日記:自殺について考えたこと

           学生時代、相継ぐ自殺の対策で研究室のビルすべての窓の鍵がガムテープで固定されたことがあった。その一見ガサツにも見える自殺対策を当時は鼻で笑っていたのだが、今思えばあれはなかなか効果的なものなんじゃないのか。自分への殺意というものを知って初めて理解が及んだのだが、死への欲求はどうしようもなく突発的に、衝動的に大きくなるものだ。あんなガムテープでも刹那の絶望による衝動的な行為を足止めして、冷静になるだけの時間を作る効果はあったと思う。あのガムテープを丁寧に剥がし窓から身を投げる

          2019年2月27日の日記:自殺について考えたこと

          8月22日の日記:ストレスのこと

           暑くて忙しくてイライラする。誰も彼も狂ってきている。仕事は確実に良い方向に向かっているはずなのだが得体の知れないストレスが毎日蓄積している。ストレスはかつてないほど溜まっている。ストレスは怖い。溜まると頭や体がぼわっと熱を持ったような感じになる。その消化の仕方がわからない。さまざまな娯楽や嗜好品、性的な行為、ドラムや音楽のこと、あらゆることに頭をめぐらせたが何一つぴんとこない。消化ができなければたまる一方である。今も頭がぼわぼわと熱を持っている。流行の感冒にでもかかったのだ

          8月22日の日記:ストレスのこと

          7月14日の日記:会いたい人のこと

           *2020年7月の日記のようです。 時代があまりにめまぐるしいので価値観や考え方を日々アプデするように心がけているけれど、そのせいか自分がそもそもどんな人間だったか見失いそうな、足元がみえないまま歩いているようなとても不安な感覚が襲ってくる。こういうことが毎日続いて大変恐ろしくなってくるのでアルプラゾラムやハルシオンみたいな無口で優しい友人とねんごろに日々をやりすごしている。こういう時に昔の自分を知っている人と再会できると自分のことを思い出すことができて安心する。ことに

          7月14日の日記:会いたい人のこと