日記:同調圧力と私

 新垣結衣と星野源が結婚したそうだ。私は日頃同調圧力というものを憎んできているので今は複雑な感情に駆られている。2人の結婚はめでたい。それをお祝いしながらも悲しがる各々のファンの気持ちもわかる。各々好きなリアクションをすれば良いのは当然だ。しかしサラリーマンである私が今日事務所で見た景色の悲しさはいったいなんだろうか。上役が新垣結衣の結婚をことさら悔しきことのように語る。なんなら新垣結衣はセンスがない、だとか勝手なことを言う。そうしてそれにお約束のリアクションを取り追従する部下たち。私の会社の人間のたまレベ(魂のレベルの意。民度とも言い換えられるかもしれない)が低いのだろうか。それとも日本中で今日こういうことが起こっているのだろうか。自分が感じた悲しさの正体が知りたくて日記を書いているがよくわからない。「同調圧力」と「お約束」は私にとっては相性が悪いようだ。

同調圧力とうまく付き合えるようになりたい。三島由紀夫が不道徳教育講座の中で「流行に従うべし」というようなことを言っていた。軽薄で、どうでも良い物事に逆らうことは多大な労力を要するくせに得られるものがとても少ないものだ。こだわるべきこと以外にはこだわらぬのが宜しい、のはわかっているのだがいちいちムカついてしまうのでやりきれない。こういうめでたい話を素直にやり過ごせる人間になりたい。

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