記事一覧
バジルの主張 #100文字エッセイ
台風に備えて、屋外の植木鉢を家のなかへ移動させた。
すると爽快な、なじみのある香りが、プーンと漂ってくる。
バジルだ。なかなかの存在感。
たまらず雨のなか、トマトとモッツァレラチーズを買いに走ってしまった。
アリガ、ツイテマス #100文字エッセイ
電車の中で、窓の外を眺めていたら。
「アリガ、ツイテマス」
「え?」
「アナタノカタニ、アリガ、ツイテマス。トリマス」
と、中国の方らしきおじさま。
私の肩を軽くつまむと、降りていった。
アリにつままれた出来事。
見えない流星群 #100文字エッセイ
ペルセウス座流星群が見えるかも!ということで、外へ。
お盆の東京は、いつもより夜の闇も濃い。絶好のチャンスかと思ったけれど、地上の星が明るすぎた。
降り注ぐ星を思い浮かべて歩いたら、ほんの一筋、秋の気配。
夏のお昼のノスタルジー #100文字エッセイ
昭和の夏といえば、プール、そうめん、『あなたの知らない世界』。
夏休み恒例の心霊番組だ。
怖かったけど、”専門家”新倉イワオさんの解説はいつも冷静。
「この人は怖がらないんだ」
と、子どもなりに感心していた。
ぽぽぽぽポップコーン #100文字エッセイ
何を隠そう、”一人ポップコーン”の常習者である。
思い立ったらフライパンを取り出し、コーンを火にかけてポンポンタイム。
ふかふか熱く、カリッとして美味しい。
なぜか家族は食べないので、一人で嗜んでおります。
ステキな約束しない? #100文字エッセイ
「今年、七夕に星を観られなかったんだよね」
「え! じゃあ来年は一緒に星空を観に行くっていう、ステキな約束しない?」
「ステキな約束、する!」
道端で聞こえた女子たちの会話。
私までキラキラ、瞬いてしまった。
神宮外苑の記憶 #100文字エッセイ
子どもの頃、私にとって神宮外苑は、格好の遊び場の一つだった。
しかし子ども心にも、外苑は陰が濃いと感じていた。木立には、まるで“何者か”がいるような空気。
今は消えた、あの陰影。いったい何だったのだろう。
アボカドと私 #100文字エッセイ
食べ終わったアボカドのタネを、近所の空き地にこっそり埋めてみたことがある。
すると芽が出て、みるみる伸び、2年を超えて成長。
実がなるかも?とドキドキしていたら、ある日整地されて、雑草もろとも消えていた。
仏像とおしゃべり #100文字エッセイ
某寺で、優しいお顔の仏像が怒っているように見えて、ギョッとした。
私の心模様だったかもしれないが、こうも考えた。
もしあちらに伝えたいことがあるならば、喜怒哀楽こそが、いちばん強い共通言語になるよね、と。
読み終わらない本 #100文字エッセイ
『身体は考える』(甲野善紀、方条遼雨共著)という本を、ほぼ毎晩開く。
お二人の知見に感嘆し、感銘を受け、真理を考える入り口に立ち…、気づくと眠っている。
行きつ戻りつ、8ヶ月以上も読み続けているのである。
なぜかはわからん! #100文字エッセイ
病院の受付で、マスクを忘れた人がいた。
私は駆け寄って、
「1枚、あげましょうか?」
その人も受付の人も仰天。
「いえ、大丈夫です。こちらで買えるので…」
いや私が一番ビックリよ、なぜ自分はその行動に出たのか。
100文字の楽しみ #100文字エッセイ
100文字で、日々雑感をnoteにつづっている。
意外に書けるし、意外に書けない。
伝えたい言葉をつづり、捨て、選び切る。
100文字ぴったりにするのが、パズルのよう。
無心の遊びが、心のうるおいケアなのだ!
オバサンと呼ばれて #100文字エッセイ
庭園のバラを撮影していたら、ふいに声。
「〇〇ちゃん、このオバサンがどくまで、いい子で待とうね」
ふりむくと、プードルとオバサン。
私、今オバサンに、オバサンって言われた!
切れ味あっぱれ、ハイ、負けました。
ジャスミンティーは眠りを誘わないpart2 #100文字エッセイ
杏里の『オリビアを聴きながら』の歌詞の女性に、お茶の知識があったとしたら。
好きなジャスミンティーは日中のんでリフレッシュ。
良眠でメンタル安定、彼が愛したのは私の幻…などと発想することもなかった、かナ?
ジャスミンティーは眠りを誘わない #100文字エッセイ
ジャスミンティーはカフェインを含むので、眠りを誘わない。むしろ目がさえるほうに働く。
杏里の名曲『オリビアを聴きながら』に憧れた世代としては、驚愕の事実を知った。
夜明けの電話に、イラッとくるわけである。
夢に祖母が出てきた #100文字エッセイ
96歳で旅立った祖母が夢に出てきた。
スカーフを髪に巻いて、大きなイヤリング、顔はたぶん40代。
白い洋風の一軒家に住んでいて、ソファーがあり芝生の庭が見えている。
晴れわたって静か。
不思議な目覚めだった。