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かつての愛車、ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム

今の愛車320Eに乗る前、1988年式・ブラックのファイヤーバード・トランザムGTAに乗っていました。40代以上の人なら、ナイトライダーというテレビドラマを覚えておられるかもしれませんね。さすがに私の車はしゃべりませんでしたが、色々と癖のある可愛い「トラちゃん」でした。今となっては若気の至りですが、車の楽しみと苦労をとことん味わった楽しい車でした。ファイヤーパターンこそありませんでしたが黒く光る車体は迫力十分、もちろん左ハンドルで本当にカッコいい車だったのです。

8,000キロしか走ってない状態の良い車を横浜の店で買ってそのままガソリンスタンドに直行、満タンにして横浜にドライブに行きました。ランドマークタワーの地下駐車場にトラちゃんを停め降りたところ、ガソリンの匂いがプンプン。「???」と思ってよく見ると、車の下一面にガソリンが漏れているではありませんか。

真っ青になって購入店に電話したところ「ガソリン満タンにしませんでしたか?その車、満タンにしたら漏るんですよ」。なんとガソリンタンクキャップの構造に問題があり、満タンにするとガソリンを噴くというのです。それ以来、ガソリンは常に8割くらいで止めるようにしました。燃費はリッター3キロいきませんでしたので、かなり頻繁にガソリンスタンドのお世話になっていました。

最高にカッコいい奴で、フェラーリとはさすがに言いませんが街を走ると確実に注目されるスタイリングでした。ライトはもちろんリトラクタブルでしたが、これがまた厄介の種でした。最初こそご機嫌に動いてくれたのですが、すぐに夜間走行中、ウィンクするようになりました。要するに走行中の振動や衝撃でライトが閉じてしまうのです。そのたびに車を降りてライトを持ち上げるのですが、またすぐ閉じる、の繰り返し。割り箸でも挟んでやろうかと思ったくらいでした。

またハッチバックがめちゃくちゃくカッコよく、ボンネットのスイッチを押すとリアウィンドウごとエアサスでプシューっと上がる姿はアクション映画みたいでした。しかしながらこのエアサスが曲者で、すぐへたってしまう代物だったのです。ボタンを押しても「プシュッ」という音がして少し持ち上がったかと思うと、ウィンドウの重さですぐに落ちてカチャッとロックがかかってしまいます。後ろに荷物を積む際は、フロントドアを開けた状態でボタンを押し、リアウィンドウが持ち上がった瞬間に後ろに走り、手で「よっこらしょ!」と持ち上げる必要がありました。「トランザムの一秒ダッシュ」として有名だと知ったのは、購入後のことでした。。

そんなこんなで苦労もありましたが可愛がって乗っていたのですが、首都高の羽田ランプを降りる際、渋滞で並んでいた時の事。いきなり助手席側の窓をドンドン!と叩かれ、何事かと思って窓を開けると「この車ガソリン漏れてる!!」。なんと後ろの車の人がわざわざ警告しに来てくれたのです。出口の道路が傾斜しており、満タンにしていないはずのタンクキャップにガソリンが到達し、噴いたガソリンが道路一面に広がっていました。

さすがに青くなってほうほうの体で帰宅し、いくら可愛くとも命の危険を感じ、泣く泣く手放すことにしたのでした。

残念ながらトランザムは今ではほとんど見ることがなくなりました。今の車と比べると性能面、安全面、機能面、どこを取っても上回る要素など一つもありませんが、本当に味のある可愛い一台でした。この年齢でまた乗りたいとは思いませんが、あの独特のガロロロ~という排気音はぜひもう一度聞いてみたいものです。

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ベリタス・コンサルティング(株)代表取締役。東京生まれ広島育ち。東京大学法学部卒業後、(株)リクルート入社。’00年にベリタス・コンサルティング(株)設立。大学ラグビー部でのポジションはフロントロー。座右の銘は「鶏口牛後」。www.veritas-consulting.co.jp