見出し画像

R (あの時、僕たちは人生のコーナーに居た) 第三章 混沌

【あらすじ】
 時代は昭和の終わり。  誰もがこの豊かな時代に歓喜をしていた。虚像が渦巻く好景気に大人は騙され、子供はその恩恵に授かり続けていた。  この物語は、少年から大人へと、人生のR(コーナー)を迎えた5人の少年たちの葛藤を描いた、一夜の青春群像物語である。 成人式を迎えた日、仲間の一人が「今夜で走り屋を辞める」と他の4人に告げた。 このことから、少年たちはバイクに車、そして恋愛と友情が織りなす中で、大人になることの答えを考え始めた。 やがて夜が訪れ、峠に集まった5人の仲間は、お互いを理解しあいながらR(コーナー)を攻め続ける。そして、人生のR(コーナー)へと飛び込んでいくのだった。


【登場人物】

光司(コウジ) :主人公
卓也(タクヤ) :光司の親友。高校時代の同級生
春樹(ハルキ) :光司の親友。高校時代の同級生
晃(アキラ)  :光司の友達。走り屋仲間
比呂(ヒロ)  :晃の年下の友達。走り屋仲間

裕美(ユミ)  :光司の恋人
洵子(ジュンコ):卓也の恋人


第三章 混沌 

昭和61年1月 成人の日 午後6時


 
 冬の夜の訪れは早い。
 光司は夕暮れ時の淋しさが漂う時間は苦手でもあった。
小さい頃、陽が落ちて暗くなり始めると、友達と別れなければならなかった。中学生になり親と上手く行かなくなると、陽が落ちて家に帰るのが嫌だった。高校時代、バイクに夢中になり、授業もサボリ気味となった。学校に来なくなったことで、いつも放課後の職員室で説教を聞かされた。そして、卓也の兄貴も夕方に亡くなった。

 光司は生駒の山に消えようとする陽を背に、まるでそれから逃げるかのように車を走らせた。裕美が働くファミリーレストランへは、車なら10分程度で着く距離である。
奈良の市街地を横断する通称大宮通には、ファミリレストランがたくさん並んでいる。観光地として有名な古都奈良では、休日にもなると大仏殿や奈良公園の鹿を目当てに、たくさんの観光客が訪れる。そのメイン道路となる大宮通には、ドライブで訪れるファミリー層をターゲットにしたレストランが、いつの頃からか乱立するようなった。そのなかのひとつに、裕美と出会ったファミリーレストランもある。
 ただ、光司はそのレストランでのアルバイトを半年前に辞めてはいたが、裕美はそのままアルバイトを続けていた。

 大宮通を走らせる光司の後ろに、一台の車がピタリと詰め寄ってきた。そして、ルームミラー越しに、パッシングで合図を送りつけてくるのを確認する。
 晃のトヨタ「トレノ」であることが、一目で解った。トヨタスプリンターのスポーツモデルとして発売された車で、ホンダのシビックとは違い、チューニングが容易な点が人気を呼んでいる。
今度は、「ファン・ファン」 と大きいエアーホーンが響き渡った。街行く人が驚いて、車道に目を向ける。相変わらずの派手な挨拶に、こちらはいい迷惑でもあった。 


 光司は運転席側のウインドを下げると、右手を出して軽く合図を返す。これ以上、大きなエアーホーンを鳴らされてはたまらない。
すぐさま、車を左の路肩に寄せて止めた。晃も後ろに続く。
光司は車を降りると、晃のトレノに歩み寄った。そして、晃の姿を一目見た瞬間、思わずふき出さずにはいられなかった。いつものことながら、おかしな奴である。派手な縦のストライプ柄のスーツを着用したままの姿で、バケットシートに収まっていたからである。そのアンバランスな組み合わせに、歩道を行く人など気にせずに爆笑をした。
恐らく、「成人式に出席した帰り」といった所なのだろう。いや、卓也の情報では、晃は成人式に出席をするのが目的ではなく、年下の比呂とナンパ目的で会場を巡っていたはずである。残念ながら、比呂の姿は助手席にはなかったが、女の子の姿も助手席にはない。

「晃、いくら何でもその格好だけはないだろう」
「あほ、これから大阪のミナミへナンパしに行くんや」
晃が気色ばんで話す。
「さすが、ナンパ師の晃やなあ」
「言っておくが、俺は硬派なナンパ師やからな」 
ナンパ師に硬派があるのか不思議ではあったが、その言葉を敢えて流す。

「しかし、折角のスーツにシワが入ってしまうやろう」

もうすでに、スーツがシワだらけなのは見て取れたが、わざと晃に突っ込んでみた。ただ、晃の方はそんなことはお構いなしだ。いつも意気軒昂としているのが、晃の魅力でもあった。
 
「ま、暗くなったらシワもわからんやろう」
「確かにそうやけど」
「男は顔と車で勝負やからなあ」

晃は少し凄みながら話すが、それがまた面白くて笑いが出てしまう。いくら凄んでみたところで、スーツ姿でバケットシートに収まっていては、笑いしか生まれてこないだろう。そして俺は右手で晃のトレノを軽く叩きながらまた笑った。晃の自慢顔が面白くてたまらないからだ。

「晃、今日は比呂を連れて成人式に行ったんだって」 

光司は、昼に卓也から聞いたことを話した。ただ、卓也の名前は出さない。

「今日はお目出たい日やから。成人式会場を三件も回ったんや」
「なるほど」
「こんな時は、数をこなすに限るだろう」
「それで晃、成果は」 

晃の助手席に女が乗っていないことから、成果がイマイチだったことは明白だった。恐らく、これから、大阪のミナミで仕切り直しといったとこなのだろう。

「光司、本番はこれからや」
「ほんまに、晃は熱心やからな」
「成人になったからと言って、飲めもしない酒を浴びて、酔っぱらった女が繁華街にたくさん溢れ出すはずやから」

鼻をふくらませて、自信ありげに話す晃の顔が、おかし過ぎて直視できない。そして、晃の妙な理屈に納得しかけていることも、また可笑しかった。ただ、実際に行動を起こす気にはなれない。 

「光司、今夜も阪奈道路に居てるんやろう」
「ああ、居てる」
「俺も絶対に顔を出すからな。それに戦利品をつれて行くからな」
「ああ。だけど晃、実はな」
「なんや」
「実は俺、走るのは今夜で終わりにしようと思っているんや」
「はああ」
 
 晃は大きい口を開けたまま、時間が一瞬とまる。
光司は驚いている晃を見て、また笑いそうになったが、それは押し殺した。逆に、それだけ驚いてくれる晃に感謝をした。

 光司はキャビンの箱から一本取り出すと、口に加え火をつけた。
晃にも、一本を差し出す。ここは阪奈道路の延長線にある大宮通り。時間も夕方から夜へと移り変わり、交通量も増えてきている。冬の日の入りは早い。既に、陽も生駒の山の向こうに消えていた。タバコを吹かす俺たちの横を通り過ぎる車は、既にライトの点灯が始まっている。
光司は改めて、夜が来たことを認めた。
 
「昼に、卓也と春樹にも話をした」
「・・・・・・」

 晃は何も言葉を返してはこなかった。光司たちの横を次々と車が通り過ぎていくが、気にはならなかった。沈黙が流れてはいたが、卓也と春樹には既に話しを終えていたことで、幾分かは気持ちも楽であった。光司は綺麗にワックスがかけられた、白と黒のツートンカラーのトレノを眺めながら、晃からの返答を待った。
女の子をナンパするために綺麗に磨き上げたのだろうが、明日の朝には砂埃を一杯にかぶってしまっている。峠では路肩に溜まった砂埃が、走り屋たちに踊らされて舞っているからである。そして、砂埃をかぶりながら、今夜も走り屋たちの夜が始まろうとしている。

 よく考えてみると、光司たちもグラウンドで野球やサッカーに汗を流すものたちと同じく、砂埃にまみれた青春だったいえるのかもしれない。世間からは非難を浴びていようとも、健全なスポーツに汗を流す者と同じく、光司たちだって青春を燃やしていることに間違いはなかった。
ただ「それも今夜で終わりにしよう」と、決めていた。

「そうか解った」しばらくの沈黙のあと、晃がポツリと言った。
「・・・・・」
「今夜は光司のために、たくさんの女を連れて来るからな」

意外に、物分りの良い返答に光司は驚いた。
晃は卓也よりも気の荒いところもある。恐らく、詰め寄ってくるものだと覚悟をしていたが、思わず肩透かしを食らった気分であった。

「ありがとう」光司も小さな声で返した。
「何がありがとうや」少し晃が気分を害したようではあったが、すぐに目が笑った。
「礼は、女を連れてきてからいえや」

晃は素早くトヨタ「トレノ」を発進させると、車の流れに滑り込んだ。そして、再び大きなクラクションを残すと、大阪方面へと消えて行った。路肩に取り残された光司は、再び晃の放ったクラクションで通行人から注目を浴びることになった。そして、晃の言った「硬派なナンパ師」のフレーズを思い出して、一目も気にせず俺は笑い出した。


 
 その頃、卓也は気が進まない中、洵子の家へと向かっていた。
今日の昼間、成人式で久しぶりに洵子の顔を見たことで、「そろそろ仲直りのタイミングでは」と思い始めていた。
洵子との喧嘩の原因は、初詣に二人で出かけた後、早々に彼女を家に帰して阪奈道路へ走りに行ってしまったことに発している。洵子が起こっている原因も、自分が悪いことも自覚はしている。ただ、素直になれない自分にも、歯がゆさがあった。
 そして、昼間の光司との一件を、洵子にも相談したかったのである。卓也は光司と別れた後、ずっと光司の言葉が頭から離れないでいた。

「どうして光司は走ることを辞めるのだろうか」
その理由がいくら考えても解らない。それに、「大人になる」ということは、どう言うことなのだろうか。成人式を迎えた今日、昨日までの自分と「どのような違いがあるのか」
誰でもいいから、答えを教えてもらいたかった。

 やがて、洵子の家の前に車が着くと、すぐに二階の窓から洵子が
顔を出した。わざわざ、インターホンを押す必要も無い。卓也の車の排気音で洵子は気付いてくれる。 

「よっ、洵子」

 卓也は運転席の窓から顔を出すと、できるだけ冷静を装って声を掛ける。いつも通りの、二人のスタートである。すると、何も言わすに洵子は窓を閉めた。これがいつも通りなら、すぐに玄関から飛び出してきて、卓也の車の助手席に乗り込んでくるはずである。だけども、いまはケンカの最中なだけに、卓也には一抹の不安が過ぎっていた。

 そこで、卓也は運転席のドアを開けると、シートから這い出した。いつまは運転席に座ったまま洵子を迎えるのだが、今回は車の外で待つことにした。卓也なりの気配りのつもりである。
 日中は冬日とは思えない暖かさではあったが、さすがに日も落ちると気温が下がってきている。洵子の家は住宅街を抜けた高台にあることで、一層の寒さが感じられる。運転席側のドアを閉め、車内の暖気を逃さないようにした。そして、車に身体を預けるようにして立つと、身震いを一度済ませた。両手をポケットに突っ込み、洵子を待つ。やがて、卓也の心配とは裏腹に、洵子が玄関から飛び出して来た。 

 「何か用、卓也」

 洵子は少しつっけんどんな口調で話すと、車の横で佇む卓也を無視して、先に助手席に乗り込んだ。
ただ、顔は笑っているのが卓也には解かった。そして、卓也は洵子に悟られないように、そっと胸をなでおろす。
洵子とは高校の同級生で、もう四年の付き合いである。これまで幾度も喧嘩をしては、また仲直りをすることで、二人の四年間は過ぎてきた。その度に、卓也自身も洵子が愛おしくなって来てはいたが、口に出す勇気までは持てなかった。もしかしたら、二人はこのまま結婚するのかもしれない。しかし、成人式を迎えた今夜も、その勇気は持てないでいる。 

「今日は成人式だったなあ」
「・・・・・・」
「おめでとう」
「ありがとう。 だけど卓也も成人式は一緒やろう」
「たしかに、そうやけど」
「私におめでとうって言うのは、おかしいのと違う」

 洵子の言うとおりではあったが、取り敢えず卓也は洵子の成人式を祝ってあげたかった。なぜならば、洵子は気づいていなかったが、卓也は成人式の会場で洵子の晴れ着姿を見ていたからである。

「洵子、振袖が良く似合っていたよ」 

 洵子は少し驚いた様子を見せたが、直ぐに言葉を返してきた。

「卓也、見かけたんなら、声をかけてくれたら良かったのに」
「ゴメン」
「私、ずっと探していたんだからね」
「本当か」
「もしかして、誰かと一緒だった」
「そんなこと、ある訳ないだろう」
「そう」

 自分にやきもちを焼いている洵子の頬を、卓也は人差し指で軽く押した。洵子も嫌がらないで、少し照れている。 

「私、卓也と一緒に写真を撮りたかったなあ」
「じゃあ、来年の成人式に二人で行こうか」
「それって、ナイスやね」

 洵子の顔には、すっかり笑顔が戻っていた。いつも通りの二人に戻りつつある。洵子はあまり声を出して笑うことがない。それでも、卓也は洵子の笑顔が好きだった。そして、笑うと必ず腕を触ってくる洵子が好きだった。  

「これからちょっと走りに行かないか」
「・・・・・・」

 卓也はすっかり有頂天となって切り出したが、それを聞いた洵子
の顔色が一瞬にして曇った。

「ダメか」
「急に言われても、ダメに決まっているでしょう。今日は成人式の日よ」
「そんなに特別の日なのか」
「今日から、私たちは大人になったのよ」

 洵子に指摘をされても、ピンとくるものが何もない。それよりも、また「成人式」の三文字が、卓也の頭に降りかかってきた。同時に、昼間の光司との一件も蘇ってきた。出来ることなら、両手で振り払いたかった。

「まったく成人式、成人式って、うるさくて仕方ないなあ」

 卓也は少しムッとしたようにぼやいた。

「卓也は成人式を迎えて嬉しく無いの」
「嬉しいか、嬉しくないかなんて解らない」
「私は嬉しいよ」
「どうして、嬉しいんだよ」
「だって、大人の仲間入りでしょう」

 しかし、成人式を迎えたからといって、いったい自分にどのような違いがあるというのだろうか。学校の先生も、大人の誰も教えてなどくれないではないか。
 洵子にそれを聞いてみたかったが寸前で思いとどまった。そんな話題が、いまの二人には向いていないことが明白だったからだ。

「大人になったんならば、酒でも飲みに行こうぜ」
「卓也、似合わないこと言わないの」

 洵子に指摘されるまでもない。これまでも、お酒を飲んではいたが、アルコールが自分の体質に合わないことを洵子も知っている。
ただ、その後に自分の口から出てきた言葉はもっと最悪だった。

「じゃあ明日の夜、どこかに走りに行こうか」
「卓也、あんたの頭の中は走ることしかないの」

洵子が運転席の俺を睨むように話す。

「そんな事よりも、先に私に言うことがあるのと違うの」
「何を」
「私は卓也のそう言う無頓着なところが大嫌いなの」

 洵子は投げつけるように言い放つと、助手席のドアから飛び出した。そして、小走りに家の中へと消えてしまった。
車の中に一人取り残されてしまった。呆然とする俺に、急に淋しさが湧いてくる。そして、光司のことを洵子に相談するのも忘れていたことに気付いた。
 光司は「今夜では走るのをを辞める」と自分に言った。それに対して、自分は洵子を走りに連れて行こうしている。いったい、自分と光司とは、何が違うと言うのだろう。そう考えながらも、卓也は光司が自分をおいて先に大人になっていくような気がしてならなかった。

 卓也は苛立ちが昂ってくるのを感じる。そして、その高まりが爆発しそうになるのを、抑える自信がなくなってきた。
卓也は目の前のステアリングに、こぶしを一度叩きつけると、バケットシートのベルトも閉めずに、思いっきりアクセルを踏み込んだ。暗闇で見えない先へと、車を走らせるしかなかった。ただその瞬間、洵子に一言も謝っていなかったことに気付いた。



その頃、春樹はアルバイト先のガソリンスタンドで、店長と話をしていた。

「春樹、今夜は九時までだったな」
「はい、そうです」
「春樹、今夜も走りにいくのか?」
「もちろん、光司たちと待ち合わせています」
「このパンを持っていっていいぞ。腹減るだろう」

店長は菓子パンを2つ差し出した。
夜まで勤務をしているアルバイト生に対して、店長はちょくちょく気を使ってくれる。

「すみません、店長」
「いや、成人式の日まで働かせてしまったからなあ」
「そんなこと、全然気にしてませんから」

春樹は軽く頭を下げると、パンを受け取った。

「成人式に行かないで、お母さんは怒っていないんか」
「別に、大丈夫ですよ」
「そうか」

 春樹は、一瞬、淋しそうな表情をした店長を見逃さなかったが、それを口にすることはなかった。
 光司と卓也がバイクで病院に見舞いに来てくれた高一の夏。あの時以来、母はバイクや車を乗り回す自分のことを、決して良くは思っていなかった。そんな、母の態度がひしひしと伝わることで、最近では母との会話も少なくなっていた。

「店長、光司が今夜で走るのを辞めるらしいんです」
「そうなのか」
「今日の昼に、打ち明けられました」
「俺には何も言っていなかったなあ」
「光司は、あまり人には言わないでしょうから」
「彼らしいなあ」
「自分には解らないんです」
「何がだ」
「光司がどうして走るのを辞めるのか」
「春樹はいつまでも走り続けるのか」
「それは、ないですね」
「じゃあ、光司が走るのを辞めるのが、たまたま今夜だけの話だろう」
「確かに、そうなんですが」

店長の言葉に、春樹は自分が詰まってしまったことに気付いた。ただ、それが何かはよく解らなかった。それでも、答えを見つけられずにいた自分に、微かな光が差したような気にもなった。

「もしかしたら、お前たちの中で決まりごとでもあるのか」
「いや、そんなのは嫌いですから」
「だったら、辞めていく光司を、みんなで送り出してあげることが大切だろう」
「そうですよね」
「お前たちは難しく考えすぎなんだよ」
「そうですかね」
「考えなくてはいけないことと、どうでもいいこと。その区別がまだまだ解らないだけだよ」
「店長の言っていることが難しすぎますよ」
「ははは、すまん」
「でも、少しだけ気持ちが晴れました」
「難しく考えすぎて、大切なことを忘れてはいけないよ」
「大切なことって」
「そうだな、今、春樹に言えるとしたら、自分の考えを主張したり、友達の意見を非難するのではなく、友達の意見を尊重するということかな」
「なるほど」
「光司が走るのを辞めても、友達で無くなる訳ではないんだろう」
「もちろんですよ」
「そして、春樹もいつかは走るのを辞める日が来る」
「そうです」
「なにも、難しいことではないだろう」
「・・・・」
「友達を大切にしろ」
「店長、パンありがとうございます」
 春樹は店長に相談をして、肩に乗っかっていたおもりが、取り払われたのが解った。

 (第四章 恋慕に続く)


#創作大賞2024 #恋愛小説部門

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?