マガジンのカバー画像

小説 鏡の中のワタシの友達

4
初めて書き終えた小説です。 ぜひ読んでください。 暖かくそしてどこかみんなが忘れたものがここには記されてます。
運営しているクリエイター

記事一覧

(完)鏡の中のワタシの友達 4

(完)鏡の中のワタシの友達 4

前回のお話「ママー、りんがお外に遊びに行きたいってー!」

「あっごめんそうなんだ。これすぐ終わらせるから。あーんー、れんが連れていってあげてくれる?」

「うん!わかったママ。お仕事頑張ってね。」

私は母親になった。

父のお母さんのように偉大ではなく、母みたいに強くはないかもしれない。

でも2人の子供の母として日々家事と仕事の両立。

私はあの後物語を書き続けて、納得がいく作品になったのは

もっとみる
鏡の中のワタシの友達 3

鏡の中のワタシの友達 3

前回のお話

2階で物音がした。

かれんの部屋からだ。

私はすぐに上に行ってかれんを見た。

かれんは鏡の前で少し黒いすす?のようなものを服につけて、絵本を握りしめて泣いていた。

「カレン。」

娘はそう言いながら静かに泣いていた。

私はかれんに怪我がないか、何があったか聞いたけど、かれんは答えなかった。頭ごなしに聞いてもこれは何も言わないと、私の直感がかれんに聞いてはいけないと言った。

もっとみる
鏡の中のワタシの友達 2

鏡の中のワタシの友達 2

前回の話鏡の中のワタシの友達

鏡の世界ワタシはかれんの手を引いてこっちの世界に連れてきた。

かれんはすごく不思議そうに、そして、これまで見てきた星々よりもキラキラした目でワタシの部屋見ていた。

「カレン、この世界って鏡の中なのに、なんで全部あべこべじゃないの?中に入ったらそのままあべこべになるんじゃないの?」

『逆だったらあなた達、文字も読みにくいし大変だからじゃない?』

かれんが何を聞

もっとみる
リクエスト小説 鏡の中のワタシの友達 1

リクエスト小説 鏡の中のワタシの友達 1

ワタシが、もう1人の私を認識したのは、物心ついた時。
お母さんはそれよりも前から、もう1人の私のことを、ワタシが気になっていたことを知っていた。

今日もワタシは私に挨拶をした。

「おはようかれん。今日も元気?」

目の前の私はニコニコして何も返さない。

返ってこないんだって気づいたのは小学校に入ってからだった。

なんで返事をしてくれないの?とお母さんに聞いたら答えてくれた。

「カレン。鏡

もっとみる