マガジンのカバー画像

創作

6
私の作品たちです。
運営しているクリエイター

記事一覧

ショートショートは発想力勝負

ショートショートは発想力勝負

いつもありがとうございます。金井小羽です。よろしくお願いします。

さて、2000字のホラー『理想の人』が私の想像よりもスキしていただいておりまして、とてもとても嬉しいです。読んでくださった方ひとりひとりに感謝申し上げます。

実は、何度か2000字の物語シリーズに挑戦させていただいているのですが、今回のがダントツで反応をいただけています。
なんでかなあ…と思ったのですが、恐らく「発想」の違いなの

もっとみる
理想の人【2000字のホラー】

理想の人【2000字のホラー】

今日、俺はプロポーズした。
彼女はまさに理想の人。俺のことを支えてくれる人に出会えた。

彼女は行きつけのカフェでバイトとして働いていて、そこで出会った。

動画を上げたり配信したりしている俺は、活動者『コウ』に近付いてくる人々に鬱々としていた。そんな中、俺のことを店長から聞いても、聞いたことあります、くらいの反応で目の色を変えない彼女が新鮮だったのかもしれない。

彼女は『コウ』ではなくちゃんと

もっとみる
高校生の時に書いた短歌たち【創作】

高校生の時に書いた短歌たち【創作】

あの人の シーブリーズの 蓋の色
私の色に 染まればいいのに

わたし、陰キャなんですよね。この世の人間を陰か陽どちらかに分類しろと言われたら絶対に陰に入る部類の人間なんですよね。
「クッソ陰キャでした〜!」というよりかは「絶対的に陽キャではない」というのが正確な気もするけど、普通に陰キャだったかもしれません。
(というかここで自分から「わたし陽キャなんですよね」っていうやつ嫌やろ)

高校生の時

もっとみる
遠足おにぎり【2000字のドラマ】

遠足おにぎり【2000字のドラマ】

とても久しぶりに朝ごはんを食べなかった。食べなかった、というか食べる時間がなくてたまたま用意していたおにぎりをそのままカバンに入れて家を飛び出したのだ。

会社につき、デスクに座ってぼーっとおにぎりを口に運ぶ。
雨で電車が遅延してると乗換案内のアプリに出ていたので急いで出てきたのだが、いざホームに着くと寸分の狂いなく電車が動いていた。結果、いつもより早く着いてしまい会社で朝ごはんを食べることになっ

もっとみる
リミテッド 【短編創作】

リミテッド 【短編創作】

あの日のことは、今でもはっきりと覚えている。

高校生3年生の時に「自分の全財産を叩いてでも高校生に戻りたい」と全校集会で話していた俺たちの高校のOBがいた。「それほど価値のあるものだから、今しかない時間を思いっきり楽しめ」だの、「みんなが羨ましい」だのなんだの言っていたのをぼんやり聞いていたのだ。
そんなにいい御身分なんだな俺らは、とか思いながら1時間目にある単語テストの表をぺらぺらめくっていた

もっとみる
アイスティーの氷が溶ける頃【2000字のドラマ】

アイスティーの氷が溶ける頃【2000字のドラマ】

「アンタらさあ、マジで現実見な?」
また怒られた。

おしゃれなアフタヌーンティーセットの前に「推し」の写真やらグッズやらを並べ、必死に写真を撮っている私たち。それを見てゆきちゃんが向かいの席からピシャリと言い放つ。

「現実見てるよ。見てるから逃げてんの。」
と、私が真顔で返すと
「休みの日くらい二次元に居さてくれよ〜。」
と、里佳が小さな推しのぬいぐるみを鞄から取り出して言う。

私はもう何年

もっとみる