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ショートショートは発想力勝負


いつもありがとうございます。金井小羽です。よろしくお願いします。

さて、2000字のホラー『理想の人』が私の想像よりもスキしていただいておりまして、とてもとても嬉しいです。読んでくださった方ひとりひとりに感謝申し上げます。

実は、何度か2000字の物語シリーズに挑戦させていただいているのですが、今回のがダントツで反応をいただけています。
なんでかなあ…と思ったのですが、恐らく「発想」の違いなのではないかと考えつきました。

以下では私の実際の作品を紹介しながら、振り返りと、2000字で物語を書く上で個人的に重要だなと思ったことを述べていきたいと思います。


noteを始めるきっかけになった 
『アイスティーの氷が溶ける頃』

これは発想力というより最後の一文が書きたいがために紡ぎ出した物語です。

解説なんてありません。本当に見たまんま。
2000字で物語を書くのってすごく難しいな…と思いました。余計な情報が一切書けない。
これがもうちょっと字数かけたらな…と何度思ったことか。

登場人物がどういう子たちなのかを書いたらもう2000字。終わった。この3人のいるカフェに流れている音楽とか外の天気とか着ている服とか書きたかったのに!!!と思いましたが、本当にそんなことを書く余裕無し。ショートショートって難しいなあ…と思いました。

つまり。
2000字では情景が全く書き込めない…!

この作品のテーマが「若者の日常」だったのですが、日常こそ情景をゴリゴリに書き込んでやっと頭の中で想像できるみたいなところあるのに、2000字かあ…という感じ。
若者の日常という場面の中で2000字で書けそうなものがヲタクごとしかなくってこのようなお話になりました。

書いているうちに主人公がめちゃくちゃ自分に近い人物像になってしまいました。ついでに主人公の推しも、私が実際に推している人ぽい言動をするし、ああもう私小説やん…という作品になってしまいました。

タイトルにある「アイスティーの氷」というのは後付け。情景を描いていたら字数が足りないというのも寂しいなと思って、時間軸の移動を表す手段として使いました。表現できているかについてはあんまり自信ないけど。

なんにせよ2000字足りん!と思いながら書いた作品でした。



マジで読まなくていい
『遠足おにぎり』

読まなくていいです。発想もなければ情景描写もなし。何がしたかったんだ…?という作品です。
だけどこんなヤッベェ作品でも読んでくださる方やスキを押してくださる方がいて感無量です。ありがとうございます。

この作品の主人公も私みたいなやつ。
本当は電車に乗っている情景とか書きたかったんですよ…。
無機質な発車音に乗せられ、今日も見慣れた風景の中を通り過ぎてゆく。傘の先端から床へ滴り落ちる雫。低気圧に重く揺れ始める頭。私はこめかみを少し抑えながら窓の外を見た。
とか書きたかったわ!でも、こうやって書き始めると2000字では収まらないんですよね。

とはいえこの作品に関しては、背景書き込んだとてあんまり上手くいくとは思えないな〜。

なので読まなくて大丈夫です。もちろん読んでいただけたら嬉しいですけどね!
はい、次いきましょ〜!



テクニックなんて皆無 発想だけで書いたお話
『理想の人』

(このお話に関しては以下でのネタバレ要素が強いので、少しでも気になる方は是非一度お読みいだければと思います。)

初めて自分じゃない想像上の誰かをモデルにしました。 彼女もコウくんも、書く上でモデルにした人はいません。
「彼女」の狂気さを一番に書きたかったので、下から上へ向かって逆算して書いた形になります。彼女目線の部分から先に書いたという感じですね。

しかし、彼女パートで既に1500字ほど使ってしまったのでコウくんのパートに500字程度しか割けず。逆算失敗してるかもしれない…。

コウくんの本名が出てこないのも、このお話はコウくんの本当の人間性とかそういうのを度外視して進んでいく内容ですので、結果的に出さなくて正解。
だったものの、本当は単純に字数不足へ陥ってしまうのが目に見えていたので出しませんでした。コウくんの本名は誰も知らないということで…。

そもそも、お題がホラーだったのでホラーを描いたことのない私は、オバケの話とか書けるわけない…と思っていました。
ですが、ホラーというテーマでオバケのお話を書く人たちの中にリアル人間ホラーを書く奴がいてもいいよね、と考え執筆に至りました。
現代っぽいホラー作品になっていたら幸いです。

そしてこの作品に関しては、情景や第三者目線、人物説明などもほとんどありません。しかも1日、2日の話ではなく、長い時間軸をギュッッッと登場人物の語りによって濃縮還元したものです。逆に2000字じゃないと成り立たないようなお話かも。

ヲタクの担降りブログや、長文の自担語りなどなど、よくnoteにも載せられていますが、それに近い文章で書きました。
自分も書いていますので、それに近い文体で書くのは逆にやりやすかったですね。



2000字で物語を書いてみて

やっぱり2000字って少ないです。その中で物語をなるべく完結させないといけないし、書きすぎも書かなすぎもダメ。
何度書いてみても、ショートショート…むずい…、というのに変わりはありません。
だって今お読みいただいているこちらの記事もこの時点で2000字を超えているので、そう考えるとやっぱり短いですよね。

『遠足おにぎり』も情景をモリモリにしてもう少し時間軸を伸ばせばどうにかなるのかもしれませんが、そうやって昇華できるまでに2000字以上の工程が必要になってしまいます。
2000字で物語として昇華させようと思うと、やはり発想が一番大切なのかもしれません。『理想の人』に関しては、ほとんど文章のテクニックみたいなのは無いですが、一応物語の形はしていると思います。

発想力の他にも2000字で盛り込める要素としてあるのは最後の一文のインパクト。
他の方の記事を読んでいて、最後の一文で「おお〜!」と思うことがよくあります。私も一応ではありますが『理想の人』の最後の一文はちょっと歪みを持たせたつもりなんですが、いかがでしょうか。

私は元から創作が好きで何度かお話を書いたこともありました。ですが、字数制限のあるお話の書き方をあまりしていなかったので、毎回とても勉強になっています。

これからも2000字の物語シリーズがあったら、どんどん挑戦していきたいですね。

ということで、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
もしよければ私の2000字の物語たちをお読みいただければ、と思います。

ではまた、他の記事でもよろしくお願いします!


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