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#三四郎
「ふーん」の近代文学⑰ 「ふーん」したくなる気持ちもわかるけど
乃木静子殺害事件後の森鴎外の作品群には露骨に「殉死」批判が書かれていると言われても、みななかなかそのまま素直に受け入れがたいのは解らないことでもない。
猪瀬直樹の『公 日本国・意思決定のマネジメントを問う』にあるように森鴎外は『かのように』でこう書いている。
だから長男の鴎外は日本という船が沈まないように保守を貫いたのだと。そう捉えると『帝諡考』に至る森鴎外の姿勢が一本筋が通ったものに見え
読み誤る漱石論者たち 阿刀田高③ 『それから』はどうしてそれから?
読み落としは読み誤りとは違うのではないか、気が付いていないことがあるだけで、読み誤りとは言えないのではないか、
この記事を読んでそんなことを思う人がいるかもしれない。しかし私が言っているのは、最低限ここまでは読めていないといけないという最低ラインに達っしていないのに解った風に書いてしまうのはどうなのかということだ。清を「ねえや」にしてしまうのは誤読だ。汚染データだ。漱石が意図して『三四郎』で
『三四郎』を読む⑩ 美禰子は美人なのか? 三四郎の好みが変わっているだけではないのか?
夏目漱石作品中一二を争う美人と思われがちな美禰子だが、果たして本当に万人受けする美人だったのであろうか。その美しさは三四郎にとってだけのもので、ちやほやされているようでありながら、その実かなり個性的な美しさだったのではなかろうか。
与次郎に言わせると美禰子は出っ歯らしい。肌は狐色、九州色である。人の好みはさまざまだろうが、美禰子は万人受けする美人だったのだろうか?「ばかだなあ、あんな女を思って